表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/782

キーーンッ!!

 デザートの出す順番だけど、まぁ最初はシャーベットからよな。

 ジェラートの方はバニラアイスと混ぜてるし、濃厚さで言ったらそっちのが上だろうし。

 というわけで冷やしていたバットを取り出しまして。


「? 先ほど作っていたのではないのか?」

「そっちも出しますけど、まずはこれからですね」


 マジャリスさんにジェラートの事を聞かれるけど、慌てなさんな。

 出すから、ちゃんと。

 ただ、何事にも順番ってもんがあらぁな。

 というわけで、目の前でシャーベットをほぐしていくわぞ~。

 フォークで引っ搔くようにシャーベットを削っていくと、バットで綺麗に凍っていた状態から一気にシャーベット状に。

 ……シャーベットって言うか、ほぼかき氷だなこれ。

 氷の粒というか、塊が結構荒い。

 でも、それはそれで美味しいだろうし。

 雑にそのままほぐしまして、お皿へと移していく。


「色味的に果汁を凍らせたものか?」

「ですね。果実一つから絞った果汁で作りました」

「……一つからこの量が?」

「そういう果物なので」


 スイカって、思った以上に水分あるからね。

 そういう果物って異世界に存在しないんだろうか?

 なんと言うか、そういう極端な物って異世界の方がありそうなんだけども。


「まだまだ不思議が多いな……」


 どの口が言いますかね?

 そっくりそのまま熨斗(のし)付けてお送りしますわ。

 ……というわけで取り分けが終わりまして。

 スプーンと一緒に全員に配って、と。


「最初のデザートはスイカのシャーベットです」


 という俺の言葉が合図になり、四人が食べ始め……。


「ん! かなりスッキリしている」

「サッと溶けて広がって、スッと消えるような甘さですわ」

「口の中がべた付かない爽やかな甘さだ……ガブロ? どうした?」

「ぐぉおぉおぉおおおぉお!!?」


 ――あのさぁ、一口の量位考えなよ。

 そんなスプーン山盛りのシャーベットを思いっきり口に入れたら、そりゃ頭がキーンってなるでしょうに。

 アイスクリーム頭痛だっけ? ……あれ正式名称?

 ちょっと調べよ……。

 ほーん? 冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛、が正式名称ね?

 ――結構そのまんまだな。アイスクリーム頭痛の方が分かりやすいまである。

 

「このシャクシャクとした食感が面白い」

「氷に味を付けるという発想が面白いですわね」

「恐らくだが違う。先程の会話から果汁を凍らせているんだ」

「……なるほど。確かにそちらの方が味も濃くなりそうですわね」

「まぁ、氷に味を付けるってデザートもありますけどね」


 まさしくかき氷の事だしね。

 今のかき氷は凄いぞ~。昔はイチゴかメロンかブルーハワイ、みたいなところだったけどさ。

 今じゃコーラやレモン、グレープにプリンまであったりする。

 まぁ、俺は基本的に『すい』ばっかり食べてたけど。

 ただのシロップのやつ。これ食べてると姉貴に狙われないからね。


「あんたって前世カブトムシ?」


 とか言われてたっけ……。

 お前のせいじゃい! って話だけどな。


「ふぅ……酷い目にあったわい……」

「何をしていたんだ?」

「多分ですけど、一気に冷たいものを食べると頭が痛くなるんです。それじゃないかと」

「その通りじゃわい。キンッ!! とこめかみの部分に鋭い痛みがずっと続いておったんじゃ……」


 そういう事。

 つまり、食いしん坊は報いを受けるって事だよ。

 分かってる? マジャリスさん。その量を食べたらガブロさんの二の舞だからね?


「ザクザク、シャクシャクとした食感が本当に美味いわい」

「この果実の香りもいい。清涼感が感じられる」

「凍らせても分かる。この果実の瑞々しさが」

「重たくないのも素晴らしいですわよね」


 ようやく戻ってきたガブロさんも食レポに加わり、思い思いに感想を言い合ってくれてる。

 じゃあ、俺も食べますか。

 ……んー! サッパリ!!

 スイカの味を知ってる分、衝撃度は低いけど、貰ったスイカ結構甘いな。

 けど、甘すぎる訳じゃない。程よい甘みと瑞々しさ……潤いっていうの? しっかりと感じられる。

 あと普通のスイカと違ってシャーベットだと、繊維質が気にならないね。

 スイカ食べてる時にさ、舌に繊維質が当たってちょっとやだなって思った事無い?

 俺はある。

 でも、このシャーベットだと全然気にならない。

 なんでだろ? 凍らせたから繊維が砕けたんかな? よく分かんね。


「これは砂糖とかを足したりするのか?」

「少しだけ。でも、ほとんどスイカの甘さですよ」


 確かに砂糖も足したな。

 でも、ほんの少しだしね。

 あと、砂糖の甘さって言われても分からん位だと思うよ。

 それくらい馴染んでる。


「あっさりさっぱりとしていて、すぐに食べ終えてしまった……」

「コース料理の途中で、口直しとして出てくるようなデザートでしたわね」

「食欲を落とさず、口の中をサッパリとさせる。確かに口直しに持ってこいじゃな」

「もちろん最後のシメとして出て来ても満足だろう。さっぱりとした清涼感で、一日の終わりを想起させるような一品だからな」


 ……言われてみれば、確かに。

 ていうか、まんま口直しとして出されるような物だなこのスイカシャーベット。

 そこに気が付くとは……やはり食いしん坊か。


「さて、口の中もリフレッシュされた。次はもちろん……?」


 あの、逃げませんし隠れませんから。

 ジリジリと寄って来ないでもろて。


「次はスイカのジェラートですね」

「ひゃっほう!!」


 ひゃっほうて……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] スイカの繊維にまで気を配れたことはないんだ だってその前にタネが!タネが邪魔なんだよおおお! バリバリ噛み砕いてゴックンするのも何か嫌だし! 一度カケルママみたいにシャーベットにしたろか
[良い点] 異世界でもアイスクリーム流行れ!!
[一言] スイカは果物じゃなくて野菜分類定期。 メロンもイチゴも全部野菜なんだよ!!!! そういやバナナもたしか分類上は木じゃなくて草だから野菜になるのか……?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ