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ニアピンピッタリ

 さて、と。

 貰ったでっかい鮭について本気出して考えてみたんだけどさ。

 ちょーっとだけやりたいことが出て来てしまいまして。

 その事を考えるともう夜しか眠れない。

 というわけで、やります。

 出来るか分からんけど。

 だって調べて出て来ないんだもん。

 鮭の生ハムなんてさ。

 ……いや、自分でも何言ってるか分かんないんだけどさ?

 生ハムみたく、レアスモークサーモンって言うの? を作りたいのよ。

 だって絶対に美味しいじゃんさ。

 でも当然ながら作り方なんて調べても出て来ないし……。

 冷燻とはまた違うんよな。普通のスモークサーモンじゃなくて、マジで生ハムの作り方を鮭でやってみたいの。

 出来るかは分からんし、美味しいかも知らない。

 でも、俺がやりたいってだけで、動機は十分。


「まずは朝ご飯作らないとだけどね」


 とりあえず昨日、酔いつぶれた姉貴は部屋のベッドに放り投げといたけど、未だ起きてくる気配はない。 

 で、どうせサッパリしたのがいいだろうって事で、まずは鮭茶漬けから作っていこうかと。

 まさか異世界鮭も、最初にお茶づけにされるとは思うまい。

 ……まぁ、焼くだけなんですけどね。


「ただ脂がすっごいんだよなぁ」


 で、一番のネックはこの脂。

 一人前用の切り身にしただけで分かる。

 包丁にべっとりと付いて、明かりにテカってるんだもの。

 多分これ、醤油とか付けても弾くぜ?


「一度蒸すか?」


 魚の脂が凄くて蒸すとか、目黒の秋刀魚みたいな事やってんな……。

 試しに一度焼いてみるか。


「バターと塩でシンプルに……」


 鮭の塩焼きってよりは、ムニエル風。

 うーん……焼いてもそこまでフライパンに脂が出て来ないな。

 とりあえずいただきます……。

 ――??

 え、うま。

 鮭だよね? うっま!! なにこれウッマ!!

 あの鮭特有の臭さが無い!!

 焼いたらさ、余計に強くなるじゃん? あの匂いが一切ないの!!

 んで脂も、全然重くない。

 確かにジュワッと溢れては来るんだけど、流石は魚の脂というかなんと言うか。

 あっさりかつしっとり。でもしっかり甘みなんかは感じられて。

 これ生で食えたら美味しいだろうな。

 これで寿司とか食いてぇよ……。


「この脂ならそのままでもいいかも」


 食べて確信。これは別に二日酔いでも気にならない脂。

 というわけで朝ごはんの鮭茶漬けを作りませう。

 と言ってもご飯はあるし、用意すべきは出汁と鮭。

 出汁は動画投稿者監修の出汁パックで済むから、実質作るのは鮭の塩焼きだけ、と。

 そういや、魚の茶漬けはポワレで焼いたら美味いって某漫画で言ってた気がする。

 ……この鮭も、例によって皮は無いけど。

 まぁ、いいか。

 まずは塩を振り、中の余分な水分を抜いていく。

 と言っても、臭みは全く感じなかったし、そこまで時間を置かなくていいかも。

 他の作業を先にして、最後に焼く工程を回すか。


「えーっと、出汁パック出汁パック」


 鍋に水を張り、水の状態から出汁パックを入れて出汁を抽出。

 その間に他の具の用意。

 まず、お茶漬けに欠かせない海苔。

 こちらは有明海産の海苔を使おう。

 黒というより濃い赤紫の海苔ね。これがうめぇんだ。

 後はあられとか欲しいけど、流石にピンポイントには無いし。

 でも歯ごたえがあるものは欲しいから、たくあんを細切りにして小皿に乗せよう。

 

「じゃあもう焼くだけだけど……」


 姉貴が起きて来てないのに準備するのもだし、まずは俺の分だけ作っちゃうか。

 姉貴の事だ。美味しそうな匂いが届いたら飛び起きてこっちに来るだろ。


「出てきた水分を拭き取って、と」


 サラダ油を薄く引いて、鮭の切り身をIN。

 バターはね、流石にお茶漬けとは合わないかなーと。

 皮目が無いから適当に焼いて、焼きながらフライ返しで身を押し付けて脂を搾り。

 フライパンを傾けて、鮭の脂を――そう言えば、この異世界鮭に名前付けてなかったな。

 うーん、ただひたすら美味い鮭だったし、何にしよう……。

 そう言えば、鮭もなんか変わった呼び方あったよね?

 俺がよく見る動画投稿者が鮭の立派なの買う度に呼び方変わってた覚えが……。

 えーっと? ケイジにトキシラズに特銀か……。

 後はキングサーモンね。

 このラインナップだったら……そうだな。

 トキシラズ! 君に決めた!!

 トキシラズから絞った脂を、フライパンを傾けて集めたら。

 それらをスプーンで掬って身にかける。

 よくフレンチシェフとかがやってるよね。

 あれ。


「めっちゃいい匂い……」


 で、思った通り姉貴が登場。

 昨日の服装のまま、ぼさぼさの髪で登場してきた。


「おはよ。見た目凄いから風呂入って着替えて来な」

「んー……そうする」

「朝飯作っとくから」

「なにー?」

「鮭茶漬け」

「あいー」


 ほぼ虚ろと言ってもいいような会話をしつつ、のそのそと風呂場に向かう姉貴。

 ……よし、今の内に俺は食べちゃおう。

 片面焼き終わったトキシラズは、ひっくり返してもう一度同じことをする。

 その時ふと閃いた、梅昆布茶が飲みたい、と。

 というわけで梅昆布茶も用意しつつ、トキシラズも焼き上がり。

 ご飯を持って、お茶碗の上で海苔を揉み揉み。

 トキシラズを豪快に乗せたら、そこに出汁を注ぎ入れて……。

 最後に、ワサビを乗せたら完成!

 異世界鮭~トキシラズ~の出汁茶漬け!!

 というわけで姉貴が風呂から上がって来る前に、いただきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 皮がないのが本当に悔やまれる こんがり焼いた甘塩のシャケの皮は至高 ただしウロコをきっちり落としたシャケに限る (ウロコが残ってると生臭くて死を考える)
[良い点] 鮭とばになっても美味いぞ!!
[一言] トキシラズモドキとかじゃなく、今回はストレートにトキシラズで勝負なのか。
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