貰っちゃった……
さぁてさぁて?
しっかりみんなデザートもデザートワインも楽しみましたし?
じゃあ次はお持ち帰りですわよね?
「何をすれば?」
というラベンドラさんに、
「ムサカの材料をホットサンドにしましょう」
と返事。
ホットサンドメーカーを引っ張り出してきまして、パンをセット。
パンの上には縦切りした茄子とチーズを乗せて、その上にミートソース。
一度これでパンを乗せて一個としよう……。
と思ったら、横からラベンドラさんの手が伸びて来て。
「まだだ」
一言言うと乗せようとしたパンを俺の手から取り上げて。
更に茄子、チーズとトッピングし、最後にホワイトソース……。
結局パンの上にムサカを作っちゃったよ……。
「これでいい」
ってラベンドラさんは言ってたけど、その横顔は限りなく食いしん坊の顔してましたよ?
……ん、そう言えば。
「水切りヨーグルトと何かジャムとか挟んでも美味しいと思いますよ?」
デザートサンドというか、ああいうの、日本にしかないとか聞かない?
苺とホイップクリームのサンドとか、ブルーベリーとクリームチーズのサンドとか、コンビニでも結構見るじゃん。
海外の人たちがSNSで写真投稿してるのとかよく見るし。
「デザートを……サンド?」
「絶対美味しいじゃありませんの!!」
「やろう!! 今すぐ作ろう!!」
「いや、水切りヨーグルトが……」
「時間跳躍かっ!? マジャリス! リリウム! カモン!!」
カモンて。
後ノリノリで二人も飛んできたし。
「ヨーグルトがもう無いんですよ」
「なん……だと……」
ただなぁ、水切りがどうこうって話じゃなく、ヨーグルト自体をもう買って来てないんだよなぁ。
まさかここまで評判いいとも思わなくて……。
「で、では諦めるしかないか……」
「レシピさえ聞いておけば向こうで再現出来ませんの?」
「圧縮魔法ならば覚えがある」
「水切りヨーグルトは教えて貰っているからな。……例えばどんなジャムを挟むんだ?」
ラベンドラさんに尋ねられたから、冷蔵庫を漁りまして……。
ん~……合わせるならこれらかなぁ。
「普通にブルーベリーのジャムと、イチゴジャムと、オレンジマーマレードですかねぇ」
朝食にトーストを食べる都合上、こういったジャムは結構揃えてるつもりはある。
他にチョコレートクリームとか、ピーナッツクリームもね。
「少しずつ味見しても?」
「構いませんよ」
と言ってティースプーンを手渡して。
「失礼」
蓋を開けて、まずは苺ジャムを少し掬って、口へ。
「む、なるほど。前に食べた果実のジャムか」
「ですね」
「サッパリとした甘さと酸味。……なるほど、これなら水切りヨーグルトに合うだろう」
まぁ、苺とクリームチーズは相性ばっちしだしね。
というか、出したジャムはクリームチーズと相性いいやつしかないよ。
「こっちのは……む、先程のより瑞々しさを感じるな。あとは甘みより酸味の方が強いが、突き刺さる様な酸味ではない」
お次はマーマレードの感想。
まぁ、確かにイチゴジャムに比べたら酸味は目立つか。
でも言ってる通り、酸味が鋭いわけじゃないんだよな。
何と言うか、丸い酸味というか……。
「む、こちらは風味がいいな。甘さと酸味のバランスも良く、瑞々しさももちろんある」
最後はブルーベリーのジャムと。
にしても……、
「お二人も味見します?」
後ろでラベンドラさんの食レポ聞いてる二人が凄い顔してるよ。
というわけでスプーン二本追加です。
「ちなみに、こうしたジャムって異世界に……」
「無論ある。……が、こう香りが残るようなものではないな。砂糖も珍しいものだし、ただ果実を煮詰めた代物であることが多い」
「なるほど」
「このジャムのさっぱり感がいいな!」
「苺のバランスの良さが一番ですわ!!」
ジャムもこっちの世界の方がクオリティ高いのか。
だとしたら、色んなジャムを提供したい気がする。
「よし、一つ目が焼けたぞ」
なんて事をしてたら最初のホットサンドが完成っと。
まだまだ焼いていきますわよ。
「む、そうだ」
その時、俺に電流走る。
何故なら、思い出したようにこのセリフを言ったのがガブロさんだったこと。
そして、毎度この流れは新しい食材を渡される流れ……っ!!
ふっ、俺は日々成長しているのだ。こんな予想くらい簡単よ。
「新しい食材じゃが……ホレ」
なお、断れるとは言ってない。
いや、渡されたら受け取るしかないじゃんね。
んで、渡された食材だけど……これ鮭だな?
鮭特有のオレンジの身。あと脂がすっごいねこれ。
超上物の鮭の身っぽいけど……。
「まだまだマンドラゴラ残ってますよ?」
「だが他の料理に使えないわけでもあるまい?」
「まぁ、それは確かに……」
言われてみるとそうだな。
マンドラゴラって結局野菜だし、あらゆる料理に使えちゃうな。
にしても鮭か……何作ろうか。
「あら? 静かになったと思いましたら、寝ちゃっていますのね」
というリリウムさんの言葉にテーブルへと視線を向ければ。
そこには、酔いつぶれたかテーブルに突っ伏した姉貴の姿が。
大変お見苦しい姿を見せております……。
「起こさないよう、少し声の大きさを変えるか」
「そうですわね」
なんて、四人に気を遣わせつつ、ホットサンドをたっぷり作り。
デザートワインと共に持たせて、見送りました。
……さて、この姉貴をどうしてくれようか。




