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異世界故事成語

「カケル、指示を」

「じゃあまずはネギをみじん切りにお願い出来ます?」


 紫の魔法陣から出てきたラベンドラさんは、華麗にドラゴンエプロンを装着。

 俺に指示を仰いできたので、まずは簡単な指示から。

 どうせすぐに終わっちゃうし、麻婆茄子を任せよう。

 俺は初めてのムサカと格闘する予定だから。


「ネギが刻み終わったら、これらの調味料をいい感じに混ぜてもらっていいです?」


 と、渡したのは麻婆味付けセットとでもいうべき調味料の数々。

 甜面醤や豆板醤、醤油に砂糖に片栗粉と味覇ァ……!!

 中華最強の万能調味料!! 半練りタイプ!!

 一応、ラベンドラさんが分からない調味料はちょっとずつ味を見てたし、変な味付けにはならんでしょ。

 ……豆板醤を舐めて舌先だけ口の外に出してたり、片栗粉を舐めて首をかしげてたのは面白かった。

 まぁ、片栗粉だけは用途を伝えたけどね。


「うし。じゃあこっちも取り掛かりますか」


 麻婆茄子の作り方は口頭で説明し、さっき素揚げした茄子も渡し済み。

 これでムサカに集中出来るってもんよ。

 まずは材料を切っていくと。

 へたを取った茄子のマンドラゴラを、皮を剥かずに縦に四等分。

 顔と目が合いたくないから、顔を四つに分けるように切りまして。

 お次はじゃがいも。皮を剥いて輪切りに。

 そしたらその二つを焼いていく、と。

 塩コショウで下味をつけつつ焼いたら、耐熱容器に焼いたじゃがいもを敷き詰めまして。

 その上から、ミートソース、粉チーズ、茄子の順番に重ねていく。

 これを二回。

 最後にホワイトソースを乗せ、一番上にとろけるチーズと粉チーズ。

 後はこれを焼くだけ、と。

 オーブンに入れて大体三十分ほど焼いたらムサカの完成。

 ソースさえ作ってればわりかし簡単かな?


「い~い宝石じゃな」

「お? 分かる?」

「色は少々薄いのですけれど、含有魔力と魔力伝導性が非常に高い数値ですわ。……この宝石、可能であれば頂きたいのですけれど……」

「ん~……ちょい待ち。……うん、いいよ」

「本当ですか!? ありがとうございます!!」

「もうたっぷりと宝石貰ってるし、そのくらいの宝石なら全然大丈夫」


 ……ちょっと異世界チックというか、魅力的な言葉が聞こえてきたけど残念。

 そっちに意識を向ける事は出来なんだ。

 何故なら今から米を炊くからね!


「それがこの国の米か?」

「です。そう言えば炊く前は見せた事無かったですね」


 ただいま絶賛麻婆茄子を調理……はしてないんだな。

 もう後は炒めるだけだから、他の料理の完成タイミングと合わせるために手を止めてもらってる。

 代わりに何してたかというと、スーパーで買って来たココナッツ風味のビスケットを砕いてもらっていたところ。

 何に使うかって? もちろんベイクドチーズ(水切りヨーグルト)ケーキですよ。


「ふむ……。我々の世界の米よりも形が丸い」

「そういや、他の国の米は細長いって聞いたことある様な……」


 なんだっけ? インディカ米とか?

 日本の米と比べて粘り気が無いんだよな確か。


「なるほど。そもそも米の形から違ったのか」


 で、まぁあんまり見られてても進まないので、観察はそれくらいにして貰い。

 普通にザルで洗って規定量の水を入れて炊飯器に入れてスイッチオン。

 これでご飯もオッケーと。


「その白い水は何かに使えないのか?」

「あー……使えない事は無いですけど俺は気にせず流しちゃいますね。一応、植物とかの肥料に使えると聞いたことはありますけど」

「なるほど、肥料か」


 合ってるよね? まぁ異世界米のとぎ汁に同じ効果があるかは知らんし、試すなら自己責任という事で。

 さてさて、


「じゃあ、デザートを作っていきましょう」

「デザート!!?」


 ステイ。マジャリスさんステイ。

 デザートの単語だけで跳んでくるんじゃないよ全く。


「じゃあ、砕いてもらったビスケットにオリーブオイルを揉みこみまして、お皿に敷き詰めていきましょう」

「オリーブオイルというのはこれか」


 瓶詰のオリーブオイルを砕いたビスケットが入っている袋に回しかけ。

 しっかりと揉みこみまして。

 言われた通り、耐熱皿のそこに敷き詰めていく。

 そしたらボウルを用意し、卵、牛乳、小麦粉、砂糖を入れまして。


「これを滑らかになるまで混ぜて貰えます?」


 と頼めば。


「任せろ」


 という一言で、勝手に材料たちが混ざり始める。

 うーん、流石魔法。

 んで、混ぜてもらっている間に俺は、先ほど敷き詰めたビスケットたちをスプーンの裏で叩いて押し付けて馴染ませるっと。


「混ざったぞ」

「それじゃああそこのヨーグルトを入れてまた混ぜます」


 と、水切りヨーグルトを指差して……。


「あ、混ぜる前に、そのままの状態で一日ほど時間を経過させてもらえます?」


 時間跳躍でさらに水切り時間をすっ飛ばそう。

 エルフと魔法は使いよう、ってね。


「リリウム、マジャリス、呼ばれたぞ」

「デザートの為に!!」

「私達参上!!」


 ……大丈夫か?

 参上って確か、目上の人の所に来ましたよ~的な意味じゃないっけ?

 リリウムさんがリーダーだったような……。

 でも流石に料理中のラベンドラさんには逆らえないか。

 とかなんとか思ってる間に水切りヨーグルトの時間跳躍が終了。

 今のうちに先程混ぜたボウルにレモン汁を投入し。


「これを……混ぜればいいのだな?」


 少々お疲れ気味のラベンドラさんの言葉に頷き、待つこと数分。

 滑らかな生地の出来上がりっと。

 後はこれをオーブンで焼いて、完成。

 ベイクドチーズケーキが一番焼く時間長いし、これは焼き上がりを待たずに食べ始めちゃう方がよさそう。

 食べてる間に焼けるでしょ。

 って事で。

 ムサカの焼き上がりを待ちつつ、焼き茄子も焼く態勢だけは整えておく。

 流石にね、もうオーブン空いてないよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ぶっちゃけ、リリウムさんのイメージ、リーダーと言うか魔お…(げふんげふん) 昔お気に入りの食材食べた過ぎて(相手の軍を)絶滅させた…
[良い点] 結構一般的?な宝石であの反応なら希少な宝石とかどんな反応するんだろ、アレキサンドライトとか
[良い点] ステイステイ、落ち着け……待てだ、待て…… 食ってよし!!! なんかこんな感じの台詞が脳内再生された
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