海外からの評価は高い
……?
なんか最近寒くない?
なんと言うか、春になってからもう気温は上がる一方だと思ってたら、日が落ちたら当たり前に寒いし。
夜とか、まだ長袖着て寝ないと風邪ひきそう……。
こんな時はあれだな、辛い物だ。
辛いもの食って、汗かいて、普段の寒さを吹き飛ばそうって事で。
何作ろ~、何作ろ~。
……思ったんだけどさ、今まで辛い料理って事で、担々麺と麻婆豆腐は作ったけどさ。
他に辛い料理って聞いて、思い浮かぶのってカレーくらいしかなくない?
……あー、トムヤムクンとかもあるっちゃあるか。
でもなぁ……トムヤムクンって何となく海鮮系のイメージなんだよな。
こういう時は、世界一博識なGoogle先生に聞いてみるか。
ヘイ、Yahoo! 辛い料理を教えて!!
――ガパオライス……か。
なるほど? 確かに辛そうなイメージが……。
ん? ……これ面白そうじゃん?
ちょっと興味を引く内容の料理があったから、それを作ることに決め、必要材料を買って帰宅!!
いくつかはまだ家にあるし、買い物はそこまで必要じゃなかったな。
*
ただいま! という事でね。
買い物して帰ってきたわけなんですけど、帰宅したら宅配の不在通知が届いとりまして。
確認したら、姉貴からの宅配便。
何か頼んだっけ? と思いつつ、再配達を依頼しまして。
その間に姉貴に連絡。
すると、
「すっごい美味しい苺に出会ったから、送っといた」
とのこと。
なるほど? ちょっと時期的には外れてると思うけど、それでも姉貴がそこまで言う苺か。
……リリウムさん達に、こっちの果物を食べさせてみるまたとないチャンスだな?
あ、苺は厳密には野菜とかって話はしてないので大丈夫です、間に合ってます。
甘くて美味しいなら果物でええやん。
「んじゃ、やってきますか」
というわけで再配達されるまでにやれることをやっときましょうという事で、まずは手動ミンチを作ります。
もちろん使うのはワイバーン肉。
ジューシィで肉のうま味も強いワイバーン肉でこれから作る料理、私、気になります!
もちろん、アクセント程度に軟骨も細かく叩いてミンチに混ぜる。
あの歯ごたえあるだけでまた美味しさが変わるからね、しょうがないね。
そしたらお次は野菜をみじん切りに。
ペーストに使って残ってたニラ、買って来た白菜、長ねぎ。
あとはシイタケを細かーく刻んでボウルに移す。
そう! 本日作るのは餃子!!
その餃子の具に辛ーい味付けを施して、熱々の餃子から辛い具とこれまた熱々の肉汁が溢れる、地獄餃子を作ろうという所存。
これのいい所は香辛料とかが麻婆豆腐の時に使った奴を使える事ね。
つまりはあまり買い物をする必要が無かったって事。
あと、調味料を使い切れること。
「はーい」
というわけで必要な調味料を並べてたら、インターホンが鳴り。
姉貴からの苺が届きましたよっと。
姉貴から、
「五桁円もしたから味わって食え」
とか連絡来てたけど、どんな高級苺だよって。
それかあれだな、リリウムさん達が一杯食べるだろうと量を確保したんかな。
なんて思いつつ、送られてきた苺を確認してみると……。
「な、なるほど……」
ちょっと驚いちゃったや。
中には四種類の苺が、食べ比べみたいな感じで入っててさ。
全部三パックずつ、中身は粒の大きさが違うからまちまちだけど、多分重さは統一されてるんだろうな。
で、どれがどの品種かを説明してくれてるカードも入ってて。
……折角だから、一粒ずつ味見したいよね?
というわけで、急遽苺の食べ比べつまみ食いの開始開始~。
まずは先鋒、『とちおとめ』。
見た目は何と言うか、もう苺で画像検索したらそのまま出てきそうな、理想的な体型。
粒は大きすぎず小さすぎず、
「お味はどれどれ?」
食べた感じ、果肉はしっかりしてて、噛み応えあり。
で、噛んだ直後からたっぷりの果汁が溢れてくる感じ。
果汁も甘酸っぱいタイプで、甘みが強くてその後の酸味がサッパリしてくれる。
もうお手本みたいな苺。……もっと食いたい。
という未練を断ち切り、お次はこいつ! 『かおりの』!!
粒の大きさとかはとちおとめと変わらない感じ。
果たしてお味は……?
「あ、うま!」
酸味控えめで甘み強め。
果肉は結構しっかり硬い。そして何より!
名前の通り香りが凄い!!
噛んだ瞬間から鼻に抜ける強いフルーティな香り!
鼻から抜けて一気に脳までを清涼感で包む様な、凄く胸が心地よくなる香りがする!!
……というか、苺って品種でこんな変わるんだ。
知らなかった。
「お次は~っと」
あまぁぁぁぁぁいっっ!!
まるぅぅぅぅぅいっっ!!
おおきいぃぃぃぃっっ!!
うまぁぁぁぁぁいっっ!!
というわけで『あまおう』です。
それぞれの頭文字を取って名付けられたこのあまおう。
言い方あれだけど、見てくれはかなりゴツイ。
金魚に居るじゃん? 顔が凄い事になってるやつ。
印象あんな感じ。
んで、味なんだけど、
「すっげ! 甘い!」
前の二つと比べて、明らかに甘かった。
かおりのもとちおとめも甘いは甘いんだけど、あまおうはその一段上を行く甘さ。
酸味も僅かにするけど、そんな事より甘みが凄い。
あと、粒が大きいから食べ応えたっぷり。
一粒で口の中が一杯になる感じ。
名前に恥じない美味しさで、こりゃ人気にもなるよな、と。
「んで最後なんだけど……」
最後に残したのはちょっと異質というか、説明で一番高価だ、って言われててさ。
その名も『淡雪』。
見た目は何と、白みが掛かったどころじゃなく、白地にピンクがかった色と言った方がしっくりくる位に白い。
なんと言うか、白い苺って甘くなさそうだなとか思いつつ、パクリ。
「……うま」
衝撃だった。
あまおうほどの甘さは無い。
でも、あまおうの甘さが残る口の中を貫通して、甘さが伝わって来たんだよな。
穏やかながらもしっかりとある酸味。名前の通り、雪のように口の中で溶ける甘さ。
合ってる表現かは分からないけど、すっごい上品な味。
何より、どんな苺の味の後でもしっかりとそこにあるって認識できる甘さなの凄い。
粒は小さめだけど、それを補って余りある満足度を提供してくれた。
こりゃ高いわ、納得、って味。
白い苺って美味しいんだ。
「……これ、リリウムさん達と食うのか」
いや、惜しくなったとかじゃなくてさ。
俺ですらここまで衝撃を受けた苺だぜ?
何の知識も無いリリウムさん達が食べて、衝撃を受けすぎやしないか?
これで異世界の果物を食べられなくなったとか言われても、おいは責任取れんど?
ふふふ、早く味わわせてやりたいな。
覚悟の準備をしてきてください、っと。




