表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/782

忘れてた……

「ん? おーい!! もしかして『夢幻泡影』じゃないか!?」


 ダンジョン内の一角。

 魔物の気配もなく、ここらで昼飯に……と考えていた『夢幻泡影』の四人に、声をかけるパーティが一つ。


「俺たち、『獣横無人』ってパーティなんだけどさ」


 そう言って話し続ける人間を筆頭に、その後ろには獣人が二人とエルフが一人。

 恐らく四人らしい『獣横無人』は、


「あんたらの噂を聞いて、ぜひ一度料理を食べてみたいと思っててさ!!」


 どうやら、これまでラベンドラがこの世界に広めてきたレシピに興味を持ち、そのラベンドラの料理を食べてみたい、という思いを抱いていたらしく。


「もちろん、食材はこちらで用意するし、必要な材料も用意する。あんたらの分の材料も持って来るからさ? ……な? 頼むよ」


 そう言って両手を合わされ、頭を下げられ。

 『獣横無人』に聞こえないよう、小さくため息をついたラベンドラは、一言。


「材料は?」


 と。


「お! 作ってくれるのか!? 実はさっきの階層で中々に大物に出くわしてさ! あ、ついでに解体も頼んでいい?」

「解体料は別にとるぞい?」

「もちろんもちろん。……えーっと、こいつだな!」


 そして、マジックバックであろう絞り袋から引っ張り出されたのは……。


「ホワイトサーペント……」

「上物だろ? 腹周り五メートルってところだ」

「首筋を一撃か。皮も傷一つ無い」

「それだけの狩猟の腕があるのでしたら、私達に頼まずとも王都のレストラン辺りに行けばいいのではありませんの?」

「いやぁ、どうせならあんたらに調理頼むよ。ていうか、冒険者に聞いたら百人が百人そう答えるだろうぜ?」


 純白な、強大な蛇をガブロが解体し始め、ラベンドラは調理の準備へ。

 鍋に油を入れ、熱し……。


「身に味をつける」

「塩か!? もしかして胡椒か!?」

「それだけじゃない」


 どんな調理をするのかとワクワクしながら待っている『獣横無人』を余所に、自分のポーション用の瓶から黒い液体を取り出したラベンドラは。


「ん? なんだそれ?」


 という言葉を無視し、それをホワイトサーペントの肉へとぶっかけ。

 そして、よくなじむ様にと揉みこんでいく。


「という事は、作るのはアレですわね!?」

「なるほど、アレか!!」


 その様子を見ていたリリウムとマジャリスのテンションが上がり、


「すまん、もし酒の類を持っているのならば分けて貰えぬか?」


 ガブロも、料理を把握したため、酒を持ってないかと聞き出す始末。


「な、何を作ろうとしてるんだ?」


 その様子に若干の不安を覚えた『獣横無人』のメンバーが尋ねると……。


「からあげだ!!」


 自信満々のラベンドラの声が、ダンジョンにこだまするのだった。



 う~む……何作ろう。

 なまじ肉の味がいいから、出来れば肉の味を生かす料理か……。

 あるいは、肉の味にも負けない料理の二択になるんだけども……。

 ……ん? そう言えば……。

 よし、これにしよう。一度は作ったことある料理だし、後はソースとかだけ用意しとけばラベンドラさんにお任せで大丈夫だし。

 問題は……デザートだけど、あ、そう言えばアレ食べたいかも。

 というわけでスーパーにお買い物。

 レシピ確認、ヨシ! 材料確認、ヨシ!

 というわけで本日のデザートは杏仁豆腐を作っていく也。



 ただいま、というわけで。

 とりあえず先に晩御飯の下ごしらえから始めましょう。

 ワイバーン肉を一口大の大きさに切り、ブライン液に浸していくわぞ~。

 ブライン液という事で分かる様に、本日のメニューは唐揚げ!!

 ただし、ただの唐揚げじゃあありません。ここからがマグマなんです。

 ヤンニョムタレを絡めたヤンニョムチキンとか、照り焼きのタレを絡めてあげたりとか。

 ニンニクペーストやニラペーストで唐揚げにさらにひと手間加えた物たちを提供する所存。

 ――あとさ、冷蔵庫を開けたらさ、昨日作ってなかった軟骨の唐揚げもコンニチワしてきたよね。

 そうじゃん! 仕込みだけしといて揚げてなかったじゃん!!

 何やってんの!! 俺!!

 という事で急遽軟骨の唐揚げもメニューに追加。

 いやぁ……まさか忘れちゃうとはね。反省反省。


「んじゃあ、杏仁豆腐、作っていきますか」


 まぁ、やっちゃったことはしょうがないので、ひとまず落ち着きまして。

 まずは鍋にバカデカアーモンドッポイミルクと砂糖、杏仁霜を入れて、弱火で沸騰しないように温めると。


「にしても杏仁霜とか初めて見たな」


 当たり前に使ってるけど、俺はこれが何なのか理解してない。

 どうやら、杏仁豆腐に入れると本格的な味になるってくらいの認識。

 まぁ、おおよそ外れては無いはず。


「おっとそうだ、クコの実を戻しとかないと」


 乾燥されてるクコの実を水と砂糖に浸して戻しつつ。

 忘れてたゼラチンをふやかす作業も行いまして。

 鍋に入れてた材料がしっかり溶けたら、そこにゼラチンを投入してまた溶かす。

 全部が溶けたのを確認したら粗熱を取って器に入れて冷蔵庫で冷やして出来上がり、と。

 思ったよりも大変じゃなかったな。

 なんと言うか、時間はかかるけど、的な?

 これで杏仁豆腐が食べられるってんなら、俺は全然自作するかな。

 ……出来上がった味次第な所はあるけどもね。

 んじゃ、ブライン液から肉を引き上げ、水気を切りましてっと。

 軽く下味をつけたら、四人が来るまで待機!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 無人さんたち、堕ちたな……何人か美食に目覚めろ!!!
[良い点] 献立かぶり……。 今まで良くなかったなってレベルですし仕方ないですね。 唐揚げなら美味しいんで昼夜でもいけますし。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ