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プチ反省

 いやぁ、食事前だからってのは分かるけどさ?

 俺としては死活問題な訳よ。

 文字通り、下手すりゃ死ぬレベルの問題なんよ。


「安心しろ。二度とあのような真似はしない」


 俺が異世界木の実に抱いた疑問、中に虫はいるのか? というものに。

 返ってきたのはサムズアップしたラベンドラさんの笑顔でした。

 というか、一つツッコミたいんだけど……。

 デカクカタイタマゴも、べらぼうに大きかったじゃん?

 今渡された木の実も結構デカいんだよね……。

 形はアーモンドだけども、その大きさは……どれくらいだろう。

 いい例えが思いつかないけど、俺の手首から肘までの長さに相当する。

 で、持ち上げてみると確かに中からチャポンチャポンって水分が動く音がするわ。

 ……あとで、中身の液体だけ別容器に移そう。


「あぁ……美味い」


 なお、マジャリスさんは待ちきれずにカルボナーラに手を付けた模様。

 まぁ、ずっと待たせてたし、いいんだけどね。


「卵とチーズのコクの相乗効果が素晴らしいな」

「後から来るブラックペッパーの香りや刺激が、またいいアクセントになってますわ!」

「ガーリックの風味も卵の味と合わさって凄いぞい!!」


 なんて感想が次々飛び交うから、俺もそこに参戦しようとパクリ。


「あー、美味い」


 なんか最近、何食ってもこんな反応してる気がする……。

 いやだって、マジでこんな反応になるんだって。

 たっぷり使われたチーズの塩気とコク。

 こいつが濃厚な卵のトロッとした食感やら風味やらコクと同調してさ。

 ボディとボディとボディを一緒にぶん殴られたみたいな衝撃が伝わってくる。

 あと、ブラぺがマジで良い仕事してるわ。

 全体をまとめ上げた上で、キリッとした整え方してる。

 チーズの量も、入れすぎかと思ってたけど全然そんな事無いな。

 ひたすらにチーズと卵の組み合わせの相性が良すぎて、何にでも使いたくなるわ。

 ……焼いたバゲットとかに乗せて食べたら美味いだろうな。


「この世界で食べる全てが美味い!」

「完全に同意だ。チーズも、私たちの世界のものより癖がなく、それでいてしっかりとしたコクがある」

「この世界で……というか、この国で一番メジャーなチーズですからね」


 なお、この場合粉チーズは全てパルメザンチーズとして換算するものとする。

 ……それでも一番メジャーは言い過ぎたか?

 チェダーやらモッツアレラやらゴーダやら他にも名前を聞くチーズはあるし……。

 まぁ、俺の脳内では、に言い換えとくか。


「この国で、は言い過ぎたかもです。俺の中では、ですね」

「ふむ……。ところでカケル」

「なんでしょう?」

「何をかけているのだ?」


 何をって……ただのタバスコだが?

 カルボナーラにもタバスコは必須でしょ? 必須って言え。


「タバスコという、酢と唐辛子を混ぜたソースです」


 厳密には違うけども。

 まぁ、説明としてはこれでいいのだ。


「美味しいのか?」

「ハマると病みつきになりますよ?」


 現に俺は、ピザからパスタからタバスコをかけたがるタバスコマニア……にはうん、程遠いな。

 でもまぁ、一般的にタバスコをかける料理には大体かけるけど。


「私たちも試してみても?」

「どうぞどうぞ」


 というわけで異世界人初タバスコ。

 ――そのお味は?


「っ!! ツンと鼻に抜ける酸味と少し遅れてくる香辛料の刺激! それらのおかげでカルボナーラのコクが深く、より美味しく感じられますわ!!」

「タバスコのおかげか甘みも感じるな。一気に表情が変わる」

「ワインとかに合いそうな味じゃのぅ」

「このソースは……元気が出るな」


 ……マジャリスさんのその言葉、日本にタバスコを広めた某プロレスラーを思い出すよ。

 美味い飯を食えば元気が出る。元気があれば何でも出来る。


「ちなみにワインもご用意してますよ?」


 ちなコレ軽い気持ちね?

 全員からグリンッ! って、あの怖い首の動きで見られてヒィッ!? ってなった。

 なんで見た目そんなホラーに出来るの? 才能?


「ワインの種類は?」

「調べたら白が合うって事なので、白のスパークリングワインを用意しました」

「スパークリング?」

「炭酸ですね?」


 おろ? 炭酸を知らない?

 勝手なイメージで知ってるものだとばかり思ってたんだけど……。

 ちなみに今回用意した白ワインも千円ちょっとでスーパーで買える奴。

 ……そうだ、姉貴に頼んでお高めのワインでも買って貰おう。

 この人達も喜ぶだろ。


「30年物? ……随分と若いですわね」


 とか言わないよな?

 言いそうだな。

 エルフだもんな……。時間感覚やっぱバグってんのかな。


「カケル、頂くぞ」


 そんな俺の思いを知らず、渡したワイングラスにそれぞれワインを注いで飲む四人。

 というか当たり前に素手で開けるな素手で。

 んで、結果は……。


「ふぅ」

「最高の一言」

「美味しいですわねぇ」

「さっぱり飲めるわい」


 滅茶滅茶大人しくなった。

 さっきまでのテンションどこ行った? レベルで落ち着いたぞ。

 某キラのコラ画像かよ。


「クリームの風味を殺さず、むしろ深めている」

「であるにもかかわらず、サッパリとした酸味と辛口のおかげで口の中がすっきりとしますわ」

「ワインの後の一口が最高に美味い。そしてその一口の後に飲むワインが最高だ」

「タバスコも決してワインの邪魔をせんのも凄いぞい」


 あ、テンション戻ってきた。

 つうか凄いな。ここまでワインが美味しそうに思える感想出せるの。

 いや、これが高級なワインとかなら分かるよ?

 でもお手頃テーブルワインだぜ?

 ……これむしろワインを褒めるべきか?

 そんなクオリティのワインを。


「あっという間の完食だった……」

「食べ終えた後のワインが最高に美味しいですわ」

「スパークリング……口当たりが柔らかく、風味が弾ける様なワインだったな」

「最初は戸惑ったが、慣れると全然気にならんかったわい」


 というわけですぐさま完食。

 俺も完食したし、マジでカルボナーラ最高だった。

 異世界卵、襲われる事さえなけりゃあ素晴らしい食材だったよ。


「さて、食後という事は?」

「もちろんありますわよね?」

「すぐ持ってきますね」

「食後のデザートも、すっかり楽しみになってしまったな」

「この世界のデザートが美味すぎるのがそもそも悪いわい」


 というわけで、完食したばかりなのに急かされまして。

 レモンスフレチーズケーキを四人に提供。 

 ただ、出来た時はコック帽みたいに膨らんでたのに、今じゃベレー帽くらいになってたよ。

 出来立てを出すべきだったかなぁ……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 圧倒的に時間感覚バグってるのはラベンドラさん(確信)
[良い点] カルボナーラにかけるイメージは無かったなぁ
[一言] タバスコは緑色のハラペーニョソースが至高! 辛味はそこまでじゃないけど爽やかさがいい! ……でもいつの間にか近所のスーパーで売られなくなってた……(;ω;) くっ、もう密林さんで頼むしかな…
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