第三十三話 ゴッズ級アイテムの輝き
○骨山ダンジョン5階層、ボス部屋○
ボス部屋を覆い尽くした眩い光が収まると、そこにはスケルトンはおろか、死霊の姿までもが消滅していた。
『パンパカパーン。霧島光太郎はレベル8になりました。』
『チャリン。『カード銃 プロフェッショナル』がレベル6になりました。』
ほっ、プロちゃんは、大丈夫みたいだな。
にしても、これは一体・・・
(なあ、Gさん、今のは何だったんだ?)
『あれは恐らくゴッズ級アイテムの輝き・・・確かな事はいえませんが、あれはゴッズアイテムが誕生した際に放つ神光に良く似ておりました。』
えっ、なにそれ?
『とっ、父さま、大変でしゅっ!あたし、また新必殺技を編み出してしまったでしゅっ!』
(おっ、おう。そうか。)
どれどれ~。
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『カード銃 プロフェッショナルLV6』
説明 :ちょっとおませさん。あとは乙女の秘密。
状態 :昇天中でしゅ。
魔力耐久度 :18
魔力伝導率 :18
術式スロット数 8/12
組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式、空圧操作術式、火炎術式
価値 :★★★★★★★
補足 :インテリジェンストイ
所有者登録:父さま
【機能】
『お喋り機能』
種類 :パッシブ
効果 :装備時にいつでも、思念によるお喋りができるでしゅ。
『カード自動回収』
種類 :アクティブ
効果 :散らばったカードを自動回収しちゃうでしゅ。
『よろこびバイブレーション』
種類 :パッシブ
効果 :嬉しい時に体がブルブルしちゃうでしゅ。
【必殺技】
『ぐるぐるマグナム』
種類 :アクティブ
効果 :カードにスピンを掛けてぐるぐるさせたら、狙いは絶対はずさないでしゅ。ぐるぐるで威力も倍増でしゅ。
『ぷろみねんすマグナム』
種類 :アクティブ
効果 :充填魔力を全部使っちゃうでしゅ。そのかわり威力は凄いでしゅ。
『ピカピカフラッシュ』
種類 :アクティブ
効果 :ピカピカっとすると、死んじゃった人の魂が浄化されちゃうでしゅ。とっても眩しいでしゅ。
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ふむふむ、この技はさっきの光が必殺技として昇華されたって訳か。
にしても、いよいよ超えて来たな・・・魔力耐久度18。
これなら、星間転移術式だって、余裕をもって組み込めるはず。
『こっ、これは流石の私も驚きですね。
このプロフェッショナルは、このレベルにしてもう既に、ゴッズ級の壁を乗り越えてしまっています。』
ゴッズ級の壁ねぇ・・・
確かにこれはもう国立博物館のレジェンドアイテムなんか相手にもならない程の高スペック。
ってか、あの女神様の作ったダンジョンコア以上じゃねぇか。
(そういや、Gさん。さっき魔素クリスタルを埋め込む時に、なんか叫んでなかったか?)
『ええ、私はマスターをお止めしましたよ。ですが結果オーライですので、あれは無かったことにして下さい。』
(なんだよ。気になる言い方だな。その止めた理由ってのを説明してくれよ。)
『・・・分かりました。プロフェッショナルに使われている素材は、スーパープレミアム玉鋼・鶴ですが、如何に最高ランクとはいえ、魔鉄鋼製であることには変わりありません。
そして魔鉄鋼素材に組み込めるパワーストーンの魔力は、通常魔力耐久度8くらいのものが限界とされているのです。
しかももう既に幾つものパワーストーンが組み込まれた状態であったプロフェショナルの場合、私の予想では、かなりの確率で崩壊してしまうものと考えていました。』
えっ、嘘っ!
じゃあさっきのは、プロちゃんを失いかねないかなり危険な行為だったってことか?
(そういう重要な事は、もっと早く言ってくれよっ!)
それならそれで他の方法を模索したのに・・・いやまあパッとは思いつかんけど。
『はっ、はい、分かっております。
しかしマスターがあの短時間であそこまでのパワーストーンを作り上げたのも、私に取っては予想外の行動。
戦闘中という事もありましたし、戦闘が終ったところでご助言して差し上げようかと考えておりました。』
まあそう言われると、戦闘中に魔石を加工して魔素クリスタルの珠を作って、それをスペックアップさせ、更には使っている武器にそのパワーストーンを組込む・・・
う~ん、確かに気狂い染みた器用な行動・・・我ながらちょっと退く。
(ああ、まあうん。そうだな。あの状況じゃあ、アドバイスをしろってのにも無理があったな。Gさん、悪かった。)
『いえ、ご理解頂けて良かったです。』
(まあそれはそれとして、じゃあ何でプロちゃんは、こうして元気でいられるんだ?)
『そうですねぇ、私としてもインテリジェンスアイテムについてのデータはそれほど豊富では御座いません。
そしてインテリジェンスアイテムというのは、何かと個体差のある謎多きアイテム。
それ故私の様なエクストラな存在といえども、確かな事はいえないのですが、恐らくレベルアップ時に素材としてのポテンシャルもまた成長しているのではと考えます。
そして今後のプロフェッショナルの成長については、私としても予測不能だと言わざるを得ません。』
・・・前置き長過ぎだぞ、Gさん。相変わらずプライド高ぇな。
まあそれはさて置き、もうこれ以上プロちゃんに、魔素クリスタルの珠を埋め込むのは、かなりの危険が伴うっつー訳だな。
それにこれ以上組み込む場合、魔力耐久度がかなり高い魔素クリスタルの珠が必要になる。
となれば万が一にもプロちゃんを失くすことなど許されないし、今後敢えてそんなリスクを冒す必要はなかろう。
さて、後は俺のステータスも確認しとくか・・・
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名前:霧島光太郎 20歳(175cm 59㎏ B89 W79 H87)
種族:人間
ジョブ:アイテムマスターLV6(94%)
レベル:8(1%)
HP 24/24
SM 16/16
MP 28/28
STR : 7
VIT : 7
INT : 16
MND : 16
AGI : 14
DEX : 42
LUK : 7
CHA : 7
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う~ん、なるほど、かなり歪なステータスになったもんだな・・・DEX値が42とか。
さっきの戦闘中、めきめきと器用になっていく自分を感じたのは、こういう事か。
とはいえこうなった原因は間違いなく、『DEXパラメータ上昇補正』の効果だろうし、今更驚くほどの事でもないか。
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あとは残ってるドロップアイテムを回収して、さっさと帰るか。
にしても、・・・この大量の剣と盾、どうすっかなぁ。
魔石もまだ少なからず散らばってるし。
キランッ
俺が死霊の居た部屋の奥に目をやると、何やら光るものが・・・
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『収納石の指輪』
説明 :収納石の指輪。5m四方の異空間を構築し、物を収納できる。
状態 :50/50 100%充填済。
魔力耐久度 :6
魔力伝導率 :4
術式スロット数 0/4
組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式、出納データ管理術式、3次元異空間構築術式。
価値 :★★★★
補足 :マジックアイテム。
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『ピロン。『3次元異空間構築術式』を術式リストに追加します。』
おお、これはこれは・・・なんというご都合主義。
次回、第三十四話 とある女性探索者の悲劇。




