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第十五話 必殺 ぐるぐるマグナム

○翌日、ダンジョンショップ楽輝、地下工房○


 さて、やりたいことが色々と増えてしまっているが、まずはプロちゃんに、仕入れてきたこいつを組込んでやるか。


~~~~~~~~~~~~~~

『魔力充填術式』

説明 :取り入れた魔素をチャージする術式。

術式ランク :D

~~~~~~~~~~~~~~


 それっ。


『ピロリロリーン。ジョブ『アイテムマスター』がレベル2になりました。』


 おっ、って、レベルアップしたのはGさんか。

 ったく、紛らわしいタイミングだな、おい。


 さ~て、プロちゃんの方はどうなったかな?


~~~~~~~~~~~~~~

『カード銃 プロフェッショナルLV1』

説明 :超頑張り屋さん。あとは乙女の秘密。

状態 :スヤスヤ。

魔力耐久度 :4

魔力伝導率 :2

術式スロット数 0/2

組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式

価値 :★★★★

補足 :インテリジェンストイ

所有者登録:霧島幸太郎


【機能】

『念話機能』

種類 :パッシブ

効果 :装備時にいつでも、思念によるお喋りができるでしゅ。

『カード自動回収』

種類 :アクティブ

効果 :散らばったカードを自動回収しちゃうでしゅ。

~~~~~~~~~~~~~~


 うっし、これでプロちゃんがどんな必殺技を覚えても、問題なくなったな。

 にしても、何でプロちゃんの耐久度と充填率は見れないってのは不便だな。

 スヤスヤなんて表記されても、そりゃ寝てるのは分かるが、アイテムとしての状態が一向に分からん。

 いやしかし、寝るアイテムって・・・

 まあ良いか。

 今は寝かしとこう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(なあ、Gさん、一つ質問なんだが、この魔石って、パワーストーンとして使えるか?)


 そう言って俺は、昨日倒したヒゲモグラの魔石をアナライズしてやる。


~~~~~~~~~~~~~~

『極小魔石』

説明 :ヒゲモグラLV1の極めて小さい魔石。魔素含有率2%。

状態 :10/10

魔力耐久度 :1

魔力伝導率 :1

価値 :★

補足 :素材アイテム

~~~~~~~~~~~~~~


 パワーストーンって言われると、魔力が込められた火炎石みたいなものを想像しちまうけど、良く考えたら火の杖だって火炎石じゃなく、魔石を埋め込んでるものの方が多いんだよな。

 主流となっているのは、『錬金』スキル所持者が魔石に火属性のエンチャントを施し、その火属性魔石を杖に埋め込んでいたりする方法だったりするし。

 これはもう、魔石がパワーストーンの代わりになるのは、実証済みのようなものだろ。


『え~、何でしょう、これは・・・私も初めて見る素材ですね。

 地球の特産アイテムのようなものでしょうか?』


 えっ、何この反応?


(いや、特産っつーか、魔物を倒したら普通に魔石を落とすだろ?)


『何を言っているんですか、マスター。生物は死んだら死体になるのが普通ですよ。

 私はこの魔石というものを初めて知りましたし、惑星モースの魔物は、倒しても死骸が残されるだけです。』


(へっ、そうなの?)


『はい、常識的に考えて、それが普通で、至極当然なことだとは思いませんか?』


 確かにそう言われると・・・ダンジョンで魔物を倒すと、光の粒となって消滅し、ドロップアイテムが残されるって方が、まあ不思議システムだわな。

 当たり前過ぎて、疑問視したことすらなかったけど。


(まあそれはGさんの言う通りかもしれないけど。)


 って、それは今、どうでも良いか。


(で、肝心の魔石はパワーストーンとして使えるのかどうかってのは、分かるか?)


『そうですねぇ。私の見立てでは、可能性は感じます。ですが如何せんその魔石では、まるで魔力が足りていません。』


 あ~、なるほど。痛いとこ突かれちまったな。

 確かにレベル1のヒゲモグラの魔石に、そんな大した魔力が込められていたりしないわな。


 でも・・・・・・可能性はあるらしい。


 う~ん、ここはもっと高ランクの魔石が欲しいとこだけど、それは現状かなり厳しい・・・俺、まだ全然レベル低いし。


 となれば、低ランクの魔石でも沢山集める方針で行くか。

 一杯あれば、パワーストーン1個分くらいにはなるかもしれんし。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


○霧島ダンジョン1階層○


カシャ


パシュン


ヒュン


サクッ


 ・・・やるな。


カシャ


パシュン


ヒュン


サクッ


 ・・・できる。


カシャ


パシュン


ヒュン


サクッ


 こんちくしょう。相変わらず一向に当たらんな・・・

 ええいっ、このモグラめっ!


カシャ


『ひっさ~つ。ぐるぐるマグナムぅ~。』


パシュン


ヒュルヒュルヒュル


ぎゅおん


グサッ


 俺の放ったカードには、スピンが掛けられ、明後日の方向へと飛んで行った。

 しかしまるで何かに引き寄せられるように、急激に方向転換したかと思うと、見事ヒゲモグラの脳天に突き刺さっていた。

 そしてヒゲモグラは、光の粒となって消滅していく。


 なに、今の?


『チャリン。『カード銃 プロフェッショナル』がレベル2になりました。』


『父さま、必殺技が完成したでしゅ。』


(そっ、そうか。やったなプロちゃん。)


 どうやらあれが、必殺技だったみたいだな。

 威力的には大したものをまるで感じなかったが、まあレベル1のヒゲモグラを倒してるんだし、今のところ必殺の名に偽りはない・・・将来的には分からんが。


『父さまの為に頑張ったでしゅ。』


(そっかぁ。ありがとな、プロちゃん。)


『はいでしゅ。』


(で、一応見させて貰ったが、具体的にはどんな技なんだ?)


『ぐたいてきぃ?』


 こりゃアナライズで見させて貰った方が、早そうだな。


~~~~~~~~~~~~~~

『カード銃 プロフェッショナルLV2』

説明 :超頑張り屋さん。お喋り覚えたでしゅ。あとは乙女の秘密。

状態 :超元気。

魔力耐久度 :5

魔力伝導率 :3

術式スロット数 0/2

組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式

価値 :★★★★

補足 :インテリジェンストイ

所有者登録:父さま


【機能】

『お喋り機能』

種類 :パッシブ

効果 :装備時にいつでも、思念によるお喋りができるでしゅ。

『カード自動回収』

種類 :アクティブ

効果 :散らばったカードを自動回収しちゃうでしゅ。


【必殺技】

『ぐるぐるマグナム』

種類 :アクティブ

効果 :カードにスピンを掛けてぐるぐるさせたら、狙いは絶対はずさないでしゅ。ついでにぐるぐるで威力も上がっちゃうでしゅ。

~~~~~~~~~~~~~~


 なるほど・・・魔力伝導率まで上がってたのか・・・

 少し不自然な気がしていたが、そういうことなら納得だ。

 確かにこの必殺技の『ぐるぐるマグナム』の効果により、威力が上がるとなってはいるが、元が玩具同然の攻撃力。

 多少攻撃力が上がろうが、それだけでヒゲモグラを一撃で撃破できたとは考えにくいからな。


 にしても本来この必殺技は、狙ったところにカードを命中させてくれるのがメインの技のように思える。

 もしかして、全然モグラに当てることが出来なかった俺の苦労を見かねてたってことか?

 いや、きっとそうだろう、俺の為に頑張ったとか言ってたし。

 う~ん、パパ感激。

次回、第十六話 レベルアップする日々。

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