第十三話 国立ダンジョンアイテム博物館(便利アイテム編)
○国立ダンジョンアイテム博物館、便利アイテム展示コーナー○
さて、閉館時間まで、あと40分といったところ。
もう今日中に、この博物館全部を見て回るのは不可能だろう。
ということで、俺はあわよくば、銀二叔父さんの持っていた転移石のようなアイテムが展示されていることを期待し、便利アイテムのコーナーを見て回ることにした。
他のところも見たいところだが、また次の機会という事で致し方ない。
便利アイテムコーナーを見て回っていると、期待していた転移石には少し劣るが、『往還石』というアイテムが展示されているのを見つけることが出来た。
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『往還石』
説明 :魔力充填式で、何度も使えるミスリル結晶で出来た転移石。ダンジョン内の入り口と所持者の最高到達ポイントの2つのポイントが登録され、その間の転移のみ可能。
状態 :50/50 100%充填済。
魔力耐久度 :8
魔力伝導率 :8
術式スロット数 0/5
組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式、空間座標把握術式、転移術式、2定点座標記憶術式。
価値 :★★★★★
補足 :便利アイテム。
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見た目は拳大の大きさで、光沢のある翠色の石で、宝石の様に綺麗にカット、研磨されている。
これで、道具化現象の確証を得てしまったな。
にしてもこれが往還石かぁ・・・転移石はもうちょっと光ってた気がするけど、色的にはあまり変わらない気がする。
ちなみにこの上級アイテムに当たるのが、転移石。この下に当たるのが帰還石というアイテムである。
うちの店でも帰還石なら、偶に取り扱う時もあるのだが、こちらはダンジョン奥から入口に転移させてくれるだけのアイテムだったりする。
『ピロン。『空間座標把握術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『転移術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『2定点座標記憶術式』を術式リストに追加します。』
おっ、術式がまた3つ増えたな・・・よしよし、これで往還石も自作できる・・・ミスリル結晶があればだろうけど。
っと、時間が無いんだった・・・急いで次を見て回ろう。
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その後は、時間一杯まで、便利アイテムコーナーで目ぼしい展示アイテムを見て回る。
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『魔銀合金製 中級解析モノクル』
説明 :解析スキルレベル5相当の解析ができるモノクル。
状態 :良好。
魔力耐久度 :3
魔力伝導率 :3
術式スロット数 0/2
組込術式 :魔素吸入術式、中級解析術式
価値 :★★★★
補足 :便利アイテム。
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『ピロン。『中級解析術式』を術式リストに追加します。』
このアイテムは、『鑑定』スキルの上級スキルである『解析』スキルと同等の解析ができるという優れもので、うちの店の簡易鑑定メガネとはモノが違う代物である。
この術式があれば、店の鑑定メガネを『解析メガネ』に改良できそうだな。
術式スロット数は変わっていないし、親父も喜びそうだ。
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『マジックバッグ(特大)』
説明 :バックの内部に暴食アナコンダの胃袋を使った、見た目以上の容量を持つバッグ。容量特大。異空間内時間停止機能付。
状態 :70/70 100%充填済。
魔力耐久度 :8
魔力伝導率 :8
術式スロット数 0/4
組込術式 :魔素吸入術式、魔力充填術式、出納データ管理術式、4次元時空異空間構築術式。
価値 :★★★★★
補足 :マジックアイテム。
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『ピロン。『出納データ管理術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『4次元時空異空間構築術式』を術式リストに追加します。』
マジックバックと言われるアイテムは、見た目以上の容量を持つバックとして結構有名だが、アイテムオークションに掛けられる場合でも、その容量は八畳間程度の大きさしかない物が多い。
しかし、ここに展示されている『特大マジックバッグ』、その容量はホントかどうかは知らんが、東京ドームが丸ごと入るとか何とか書かれてた。
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『忍者草履』
説明 :底にグラビティベアの肉球が取り付けられた草履。底から真下へと重力のベクトルが常に固定され、天井でも歩ける。
状態 :50/50
魔力耐久度 :2
魔力伝導率 :3
術式スロット数 0/2
組込術式 :魔素吸入術式、重力ベクトル固定術式
価値 :★★★
用途 :便利アイテム。
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『ピロン。『重力ベクトル固定術式』を術式リストに追加します。』
最後のこのアイテム、実は展示品ではなく、お土産コーナーで売りに出されていた。
180万円のお土産とか・・・まあ忍者グッズは、外国人が喜ぶからなぁ。
そしてここで、閉館の音楽が流れ始めた。
まあそれなりに収穫もあったし、帰りますか。
次回、第十四話 『童子切安綱』がこんなところに。




