第十二話 国立ダンジョンアイテム博物館(武器編)
○国立ダンジョンアイテム博物館、武器展示コーナー○
最初は剣のコーナーからか・・・まあ武器アイテムの主役っつったら、まあそうだわな。
おうおう、やっぱ凄いねぇ、国立博物館は。
デュランダルが置いてあるよ。
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『聖剣 デュランダ~ル』
説明 :聖剣 デュランダルを模して、見た目だけが忠実に再現されたレプリカ。STR+5。
状態 :10/10
魔力耐久度 :4
魔力伝導率 :4
術式スロット数 3/3
組込術式 :なし。
価値 :★
用途 :インテリア。
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ってレプリカかよっ。
いやまあ流石に海外産の超レア武器が国立の博物館とはいえ、日本にあるはずがない訳だけども。
不思議とダンジョン産の超レアな武器って、そのお国柄や土地柄が反映されていたりするからな。
本物はきっとフランスの博物館にでも、展示されてたりするんだろう。
ちなみに奈良ダンジョンでは、七支刀を持ったゴブリンとかが、普通に出て来るって話だ。
超レア武器に限らず、こうした特産武器が土地柄を反映するケースは結構多いのである。
っと、待て待て・・・あの『アスカロ~ン』に『エクスカリバコ~ン』って何だろう。
・・・って考えるまでも無いな。ったく。
日本の国立博物館ともあろうところが、レプリカだらけって、本当何か泣けてくるぞ。
しかし冷静にこの状況を分析すると、海外の武器関係は恐らく、期待薄。
日本由来の超レア武器が出て来るまでスルーする方針で行った方が良さそうだ。
おっ、あったあった。
流石にこれは本物らしい・・・『妖刀 村正』。
ここで一応ことわっておく。
俺の言った『本物』とは、歴史上本当に実在した伝説の刀剣とは別ものである。
俺の指した意味は、ダンジョン産の超レア武器として有名になった本物ということ。
実在した本物の日本刀『村正』は、刀工の名を冠した刀のことであり、複数存在したりするし、有名な妖刀伝説は、その中の1本についてのお話。
ついでに言えば、その実在した村正の一振りは東京国立博物館に所蔵されていたりするのである。
その点、このダンジョン産の超レア武器『妖刀 村正』に関しては、恐らくこれ1振りのみ。
そしてダンジョン産の強力な超レア武器というのも、何故か実際に実在し、有名となったものや神話や伝説、逸話が残る武器を模した名で産出されるケースが非常に多い。
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『妖刀 村正』
説明 :血を吸えば吸う程、その鋭さを増す呪われた日本刀。ATK+?。
状態 :250/250 100%充填済。
魔力耐久度 :7
魔力伝導率 :6
術式スロット数 0/5
組込術式 :精気吸入術式、吸血術式、魔力充填術式、装備解除不能術式、自己修復術式。
価値 :★★★★★
補足 :レジェンドウェポン
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これが日本由来の超レア武器、『妖刀 村正』かぁ。
『ピロン。『精気吸入術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『吸血術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『魔力充填術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『装備解除不能術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『自己修復術式』を術式リストに追加します。』
おっ、凄ぇ術式データが増えた。
にしてもヤバそうな術式盛り沢山だな、これ。
何かこの刀持つだけで、死にそうな勢いだし・・・これが妖刀ってやつか。
にしてもこの魔力耐久度7って、どんな素材使えばこれだけあがるんだろ?
プロちゃんは魔鉄鋼の最高ランク使って魔力耐久度3とか言ってた気がするけど・・・
(なあ、Gさん、この刀の素材って、プロちゃんより凄い奴を使ってるのか?)
『いえ、そんな事は御座いません。素材としては、寧ろプロフェッショナルよりランクは下です。』
(じゃあ何で魔力耐久度が7もあるんだよ。)
『はい、以前の説明では素材のみの説明に留めておきましたが、アイテムというのは、製作された後も、極稀に成長を遂げる物も御座います。
そしてその要因は、特殊な環境下で使われたり、保存されたり、また人為的にパワーアイテムを埋め込まれたりと様々です。』
あ~その辺はチラッと聞いたな。
『ここにあるレジェンドアイテムなるものは、恐らくそうした特殊なアイテムなのでしょう。』
となると、別に成長するのは、プロちゃんの様なインテリジェンスアイテムに限った話じゃない訳か。
(説明サンキュ、Gさん。)
『いえいえ。』
と、お次は・・・
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『村雨丸』
説明 :刀身を抜くと霧を発生させる。刀身に氷を纏わせ、攻撃力を上げることが可能。ATK+32。
状態 :170/170 100%充填済。
魔力耐久度 :7
魔力伝導率 :6
術式スロット数 0/7
組込術式 :魔素吸入術式、MP注入術式、魔力充填術式、霧発生術式、氷結術式、自己修復術式。
価値 :★★★★★
補足 :レジェンドウェポン
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『ピロン。『MP注入術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『霧発生術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『氷結術式』を術式リストに追加します。』
今度は『村雨丸』か。
こいつは本来、南総里見八犬伝に登場する、架空の刀。
でもダンジョンアイテムなら話は別、こうしてちゃ~んと実在するアイテムとして、発見されたりするんんだよなぁ。
にしても、あれは何処に展示されてんだろ?
などと思っていたら、刀剣の展示区画はここで終わりだった。
ここの博物館には、酒呑童子の首をこの太刀で切り落としたという逸話が残る、日本刀の傑作、『童子切安綱』もあるって聞いていたんだけど・・・う~む。
まあ無いものは、仕方ないか。
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次に巡って来たのは、槍のコーナー。
展示されていたのは、『天下三槍 御手杵』に『天下三槍 日本号』、『天下三槍 蜻蛉切』の3点。
確かにSTRの+補正は高い武器だったが、新たに取得した術式データは無かった。
他にも『雷槍 グ~ングニル』なんてものがあったが、華麗にスルーしておいた。
その後も斧コーナー、ハンマーコーナー、杖コーナーを巡ったが、こちらは目も当てられないほどのレプリカ祭り。
普通に高ランク探索者が使っている様な、付加効果の付いた武器が拝めれば、俺的には満足なのだが、国立博物館のプライドなのか、超レアな伝説級の武器しか置いていない。
その所為で、レプリカ率が酷いことになっているのだろう。
日本に所縁のある斧とか杖の超レア武器が見つかったなんて、聞いたこともないし。
そして気付けば、現在時刻は既に午後4時を回り、閉館時間が5時ってのを考えたら、もう完全に余裕がない。
こっからは、術式データが取れそうなところをピンポイントで巡る作戦に切り替えて行くことにする。
俺は巡回ルートを外れると、レプリカの恐怖に怯えながらも、今度は魔法銃が展示されている区画に向かうのだった。
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不味い・・・『トカレ~フ』に『マカロ~フ』、『アーマライ~ト』に『レミント~ン』って。
やはりここもレプリカ地獄か・・・
ん、待て。次のはもしかして火縄銃・・・ってことは。
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『マスケット型魔法銃 初代種子島』
説明 :日本伝統のマスケット魔法銃の初期型。ATK+15。
状態 :140/140 100%充填済。
魔力耐久度 :5
魔力伝導率 :4
術式スロット数 0/4
組込術式 :MP注入術式、魔力充填術式、魔力弾構築術式、空圧操作術式。
価値 :★★★★
補足 :レジェンドウェポン
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『ピロン。『魔力弾構築術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『空圧操作術式』を術式リストに追加します。』
おっ、何か良さげな術式が入手できたな。
多分だけど、この『空圧操作術式』ってのは、カード銃にも使えそうだし。
(なあGさん、この術式、カード銃に使えるよな?)
『はい。発射工程に対する術式として組み込めば、飛距離を更に伸ばすことが出来るでしょう。』
よしっ、これだけでも来た甲斐があったな。
次回、第十三話 国立ダンジョンアイテム博物館(便利アイテム編)。




