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 エピローグ


「じゃ、かんぱーい」


 なぜかミコが仕切って、僕らはコップをぶつけ合う。ここは僕がお世話になった山小屋。僕の冒険はここから始まった。少し前の事なのにずっと昔の事のように思える。


 コップの中はオレンジジュースだ。山小屋の机には、はみ出すくらいのご馳走。唐揚げやピザとか食べやすいものが多い。どこからどうやって持って来たんだか? 

 ミコ、ネネ、サクラ、エマ、サリナ、シノブ。そして、ライラ、ウルル、マリン。僕を入れて女子9人の女子会だ。悲しい事に吊り橋効果で、僕が誰かとヤらないようにと女の子にされている。狭い小屋に9人も居るともう揉みくちゃだ。椅子もどっからか持ってきてある。至れり尽くせりだ。


 デーモンを倒した後、怪我はミコがみんな治して、影の世界の風呂にみんなで入った。当然水着着用だ。そして、僕の討伐成功を祝して何故か山小屋でパーティーになった。飲食物は影の世界を通じてあっちから持って来たそうだ。


 昨日、あのあと、ミコ達は全員で集まって作戦を練って、あと今日のパーティーの準備もしてたそうだ。どうにかして僕を助けようという事になって、転移してからミコたちはダッシュで王城へと向かい、サクラたちと合流して僕の影の中から見てたそうだ。それでヤバくなったら助けるべくスタンバイしてた。ライラがやられた時には影から手を出して最上級の回復魔法をかけてくれたそうだ。そして、影に逃げてデーモンをやり過ごす予定だったけど、僕が倒したのは予想外って言ってた。エマとサリナも影の世界から有事には支援するべく見ていてくれた。

 なんで僕を助けてくれたのかってネネに聞くと、僕と同調して、何度も何度も倒れても倒れてもチャレンジする僕を体験して心が動いたそうだ。みんな同意見らしい。なんか恥ずかしい。

 まあ、何はともあれ、誰も欠ける事なく生還出来た。最高の気分だ。こんなに美味しいジュースを飲んだのは生まれて初めてだ。普通のオレンジジュースなのに。僕たちはたわいない話をしながら皿に盛られた贅沢な料理を楽しんだ。異世界三人娘も食べ物のおかげかクラスメートたちとすぐに仲良くなっていた。こんな美味しいもの初めてって喜んでいた。特にマリンは何度も舐められるのを見られていたからだと思うけど、クラスメートたちにはより受け入れられていた。ピンク髪とか日本ではコスプレでしか見たことないから、かなり髪の毛いじられていた。そう言えばマリンは元々カズマたちと一緒に居て追放されたって言ってたけど、何があったんだろうか? 影の住民たちが特にマリンを気に入っている。彼女らの薄い本のヒロインのモデルにさせられる事だろう。

 ライラが僕に近づいてきて、真剣な顔で尋ねてくる。

 

「ねぇ、なんでタッキ、私たちを見捨てて逃げなかったの?」


 まあ聞かれると思ったから答えは用意してある。


「人が人を助けるのには理由は要らないよ。当たり前の事だから」


「ありがとう」


 これで少しはライラの中で僕の印象が上がればいいんだけど。そしてあわよぐは。けど、悲しいけどそれは無いだろう。僕は今、女の子にさせられてるから……

 僕たちの間にミコが割り込んでくる。こいつやたら距離感近いんだよな。


「そうそう、そう言うわけだから。けど、理由なく人を助ける人ってあんまり居ないから。けど、タッキの事を好きになっちゃダメよ。今は女の子だし、女の子の顔にオシッコかける最高の変態だから」


 ライラは満面の笑みでそれに答える。


「はい、大丈夫ですよ。私は別に重婚とか二股とか大丈夫ですから。そういう生まれですから」


 ライラはクラスメートには少し丁寧に話す。みんな英雄だって事に敬意をもってるみたいだ。けど、なんか訳分からない事言ってるな。重婚とか二股とか日本じゃ最低の行為なのに。もしかして昔の貴族とかは嫁さん沢山いたとか聞くし、ライラは貴族なのか? それでウルルはその護衛とか。まさかな。


 それから僕らは夜遅くまで楽しく飲み食いした。これで体が男だったら、最高のハーレムなのに。


 今なら分かる。そもそも引きこもってスライムを倒すんじゃなく、人を探して協力を求めていたらもっと早く強くなれたかもしれない。1人じゃ僕はたいした事は出来ない。ミコがいたから、僕のスキルがポンコツじゃない事が分かったんだもんな。人は1人じゃ生きていけないものなのかもしれない。


 それから僕らは王都へと向かう事にする。これから沢山の冒険が待ってる事だろう。

 クラスメートとは敵対したり友好関係を築いたりしたけど、カズマと西園寺とは上手くやる積もりは無い。あいつらはクズだから。他人の事なんか全く考えてないから。

 なぜここに僕らがいるのか、なにをしないといけないのかもわからない。まあ、TSの呪いをなんとかしないとという目標は有る。けど、これからの冒険で全て分かっていく事だろう。心を通じ合わせた仲間がいるから、かなりの困難も乗り切れそうな気がする。僕は今はもう1人じゃないんだから。


     Fin



 読んでいただきありがとうございます。


 これで、この話はおしまいです。書く事で色々勉強になりました。もっと素晴らしい話が作れるように頑張ろうと思います。


 本当に読んでいただきありがとうございました。


 もし、少しでも楽しんでいただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録していただけたら幸いです。


 

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