第四十九話 探索
「そうか、君の目的は、そのあっちで殺されそうになってる女の子3人を助ける事なんだね」
ネネは座ったまま腕を組んでる。前が破けてるから色々扇情的だ。ネネなのに。しょうが無いな。
「お前、僕の服貸そうか」
僕の服と言ってもこのセーラー服は借り物だけど貰った事にしとく。
「えっ、いいの? ちょっとこんな
格好で写真撮られたら、まずいなと思ってたんだ」
僕はジッパーを下ろして上を脱ぐ。なんて脱ぎ着しにくい服なんだろう。
「君、インナー着てるんだね。で、それ何?」
そりゃ着るよ。おへそ丸出しになっちまう。腹下すわ。
「ブラジャーだが、これも貸して欲しいのか?」
「うわ、中、何か入ってる」
即座にミコが僕のブラジャーを鷲掴みする。
「揉むなや、揉むなや」
「君、かなり、がちな女装してるんだね。下はどうなってるの」
「つまらん、トランクスだわ」
即座にミコが僕のスカートをめくる。
「なんで、ブラしてるのにパンツはそのままなの? 意味がわかんないよ」
「ちょっとまってくれ。なんか僕が
自分の意志で女装した様になってるけど、さっき言ったよね、服が濡れたから借りてるだけだって」
「そうだけど、それならなんで詰め物したブラなんかあいつらが持ってたんだろ。そもそもそれは誰のなんだろ?」
ネネは僕の胸をガン見する。どうでも良い疑問だけど気になる。
「多分、これ特注よ。なんだかんだでタッキも男の子で肩幅あるから、普通の女の子用だと入んないわ。ネネ確かめてみる」
「ボクはやだよ。て言うか、そんな上げ底のブラが必要ってミコは言ってるの?」
「確かにミコに比べたら小ぶりだけど、お前のファンはそれを求めてるんだろ気にすんな」
「君に言われるとなんかムカつくな」
「おいおい、僕は褒めてんだよ」
「君、キャラ被るから、その姿の時はボクって言うの止めてくれないか?」
「そんなん知らんがな」
ネネは僕に背を向けて服を着がえる。振り返って、じーっと僕のスカートを見る。
「分かった分かった」
スカートとネネのズボンを交換する。さすがにセーラー服の上とボロボロのパジャマはね。
「フフ、ありがとう。なんかせがんだみたいで悪いね」
「きにするな。じゃ、お前ら帰れよ」
「タッキは帰んないの?」
「しばらくレベルアップしてから帰る」
ここではレベルアップしなかったけど、多分、ここで溜めた経験値的なものはストックされてラグナフェンに行った時に纏めてレベルアップするのだろう。さっき予知未来に行った時にレベルアップしたのは多分、ミコとかネネとかあの変態男タケシと戦った時のものだろう。僕はあとの残り時間ですこしでも強くなりたい。
扉を開けて部屋を出る。
先は通路で、左右に伸びている。適当に右に曲がり耳を澄ませて歩き始める。出てくる魔物はオーク。地下駐車場で見たのは大きかったから、動くと物音がするだろう。軽い気持ちで進む。
しばらく涼むと右手に扉があり、耳を当てて中の物音を聞くけど何も聞こえない。扉を開けて入ると中は空。戻って進むがしばらくずっとそうだった。道が左に曲がりまた進んでくけど、空部屋ばっか。多分、ネネが狩りまくったあとなんじゃ無いか?
緩みながら部屋を開けると、いたいた。豚が一匹。残念だけど僕は普通に戦ったら一撃死する。即座にガンを出して、通常弾を撃つ。ミコたちを帰したのは見られたく無いからだ。絵ずらが酷すぎる。清楚系の美少女にしか見えない僕が、破れたパジャマからブツを出し放つ。地獄だ。
豚は首をあり得ない方向に曲げて倒れる。さすが僕のガンだ。あと残弾は5発。強くなっても膀胱の容量が変わらないのが難点だな。豚は魔石になって消える。
そして、次の次の部屋では二匹の豚と遭遇する。やる事は一緒。ガンで秒殺する。あと三発。
残弾は心もとなくなってきたけど、なんだかんだでもうすぐ1時間たったんじゃないか? 今は2時15分。ミコとワキャワキャしてた時が夜の1時30分くらいだったから、長めに見て1時20分スタートしたとしたら、あと5分くらいしかない。僕は次の部屋に駆け出す。
なんと4匹だと? 時間が来たら逃げられるからやるしか無いか。3匹やって逃げればいい。
部屋に入り、近づいてきたのを3匹瞬殺する。
残りの一匹は怯む事無く走ってくる。その手には棍棒。殴られたら、運が良くて重体、多分死ぬ。
背中を向けて一目散に逃げる。大丈夫なはず。あいつは鈍重だ。部屋を出て振り返る事無く走る。
後ろから足音がする。距離は意外に近い。一瞬空部屋に逃げ込む事を考えるが、多分扉は簡単に壊される。大した時間稼ぎにならないだろう。
よく、エロ漫画とかで、オークに女の子がやられるのとかあるが、このままいくと僕がそうなっちまう。今までそういう漫画や動画を嗜んでたバチが今当たるのか?
いや、大丈夫だ。帰るキーワードを言えばいいんだ。って、なんだったけな。確か口に出すのも憚られるような文言だったってのは覚えてるんだけど、肝心な言葉を忘れてしまった!
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