96/143
境界線
まっさらな大地の上を
線引きなしの大地の上を
まっすぐに駆けてゆく
どこまでも チュリリ ジュリリ
音色を描いてゆく
雪の妖精は
しっとり ほっこり
あつい気持ちはこめないで
心 すっーと冷やして
白い羽毛を膨らませ
モコモコと
氷の星形を落としてゆく
消えない魔法で
でもちょっぴり溶かして
先がとがらないように
大地が傷つかないように
角をなくして 花形になる
かろやかに しとやかに
でもきっと魔法が弱くて
どうしてもこみあげてしまうもの
それはとてもあつくてとても残酷だから
静かに 天を仰いで 精一杯 ジュリリ
そして もう 語らない
まっさらな雪の上を
線引きなしの雪の上を
まっすぐに舞い降りて
どこまでも エンを描いてゆく
《こんにちは♪》
愛くるしい雪の妖精は
シマエナガ
あなたへ




