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エスプレッソ
或る日エスプレッソが呟いた
何だか苦味も濃さも怠くなった
ストレートに飽きがきた
でもミルクやシュガーなんて
荒れた胃に突き刺す快感
堪らなく好きだったんだ
孤独を崇高 愛していたんだ
限りなく 深く沈殿
いたさに 打ちひしがれ
暗黒に 満ちていく
あまさ フレキシビリティ
乳白色 耐えられない
毛嫌いしてた
オレはオレの路をいく
だって結局 最初も最後も独り
でもその間が 何て長いんだ
或る日エスプレッソは身を任せた
ミルクとシュガーに触れられた
そわそわしてどきどきして
小さくなった
或る日エスプレッソは まあるくなった
カプチーノに名前を変えた
誰かがオレたちを飲んだ
あったかい って言った




