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見えない月光
あなたへの帰り道
いつも夜の真ん中
寒空の下ばかり見つめてた
心はななめ後ろ向き
助手席に座るまで
行くところなんてなくて
あの日トイレでないてた
黒髪の中国人の彼女を
ぽかんと見つめてたけど
あたしだってなかった
両隣りくっついてたって
どうせお家へ帰るんでしょう
今を楽しめばいいよ
都会は好き
知らんぷりだから
冷えたぬくもり手に入るから
照らしてくれるから
今さえ良ければいい
滲む光があしたを消してくれる
身を任せれば今が耀く
沈むなんてないから
堕ちる場所もないから
あたしは罪を作って
あたしに罰をあたえる
ずっとそれが嗜好品
苦しさを楽しむけど
楽しみを苦しむけど
あなたの横顔を見ながら
心はななめ前向き
でも暖まらない車の中
あなたの好きだったyou
聴きながら
気付かなかった
月が光るって
だから空も見なかったね
ふたり




