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透き通る秋
秋は薄いグラス
木の葉がターンして
秋に触れる
潤んだ香りが
秋を鳴らす
注ぐかたい青空
片手でぎゅっと掴む
秋が見上げ
解れた温度が
秋に零れる
ツーンとしたトーン
深呼吸する秋
ぼくの中の空き
清清しく空砲が舞う
秋の端っこを追いかけて
ぼくは孤独から片足を踏み出す
透き通る秋が狂おしく悩ましい
見えないしあわせ めぐりあわせ
ぼくはまだ歩いてゆけるかな
秋は薄いグラス
メランコリー揺らす
秋はぼくを躱す
崩れる硝子
風が攫う
ほら いなくなってしまう
いつだってそうさ
ぼくは孤独を離さない
ぼくはぼくを壊さない
秋は本当は色づかない
冬に行き着くための幻影
いつだって捕まらないさ




