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蝉の鳴く声がいちばん頂上に昇ったとき
君の髪が落ちゆく陽影色を吸い込む
白い月がオリオンブルーの空に溶けかかる
赤紫色の小花がプランターの中で小刻みに震える
波打つ風の音
お香の匂い
家並みに沿って歩く
向かっているのだろうか
君と僕は
帰っているのだろうか
僕たちは
途切れない蝉の鳴く声
君の中には降っていたのか
微笑ましいは嘘じゃない
一瞬でも信じあえたなら
幸せは外から溢れて来たって
決して得られるものじゃない
内側から湧き出でるものと重なって宿る
積みあげて沢山にしなくていい
幸せは瞬刻に生きる
寧ろ幸せは置いてゆく
消えてしまってもいい
忘れてしまってもいい
何も感じなくてもいい
でも不断に感じてもいい
泣いても笑っても
君も僕もつくれる
それぞれであったり
分かち合えたり
でも
何も感じなくてもいい
寧ろわからないままでいい
蝉の鳴く声は昇っていく
透き通っていく君に聞く
君は幸せだった?




