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嘘
透明なガラス瓶に鮮やかなため息が注がれてゆく
ひとつ、ふたつ……
いつの間にか部屋中埋め尽くす
笑えないなんて、泣けないなんて
辛いなんて、不幸せなんて 嘘
お天気だって晴れるって言ったのに
全部 嘘
眠れないなんて、寂しいなんて
孤独だなんて、つまらないなんて 嘘
あなたは絶対死なないって言ったのに
まん丸 嘘
透明なガラス瓶に色褪せたため息が注がれる
平和ボケした色はいらない
捨てる 何本も捨てる
叩き壊した瓶
硝子の欠片が頬に突き刺さる
流れるその色が恋しい
胸がいつも抉られるように痛くなるんだよ
あなたをこんなにも好きなんだよ 嘘
真っ赤な嘘
麗しきbugia
美々しいため息を絶やさないこと
込み上げる刹那を消さないこと
まるで猛毒
それは地獄




