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383 スライムさんと骨密度

 お店に入ると、スライムさんが、山盛りの薬草を食べている。

 どういうことだろう。

「こんにちは」

「こんにちはもぐ!」

「なんだか、ずいぶん食べてるね」

「こつみつど、あげてます!」

「ふうん?」


 骨密度、と言っているようだった。

「えいむさん、しってますか? ほねの、みつど!」

「骨の密度?」

「ほねは、つまっていると、かたいんです!」

「そうなんだね」

「それで、やせているひとは、ほねの、みつどが、さがるそうです!」

「えっ」

「ほねは、みつどが、ひくいと、すかすかになるそうです」

「骨が?」

「はい! おれやすくなったり、するそうです! とくに、こうれいしゃは!」

「そうなんだ。じゃあ、私はあぶないね」

「……」

「……」

「はい!」

「だよね」

 私は、スライムさんをぐりぐりしようとした拳を引っこめた。


「でも、たいじゅうがおおいと、だいじょうぶ、なんだそうです!」

「どうして?」

「やせてるひとより、からだに、ふたんが、かかるから、だそうです!」

「ふうん」

「えいむさんは……」

「……」

「あぶないので、たくさんたべないと!」

「そうだよね」

 私は大きくうなずいた。


「……スライムさん」

「なんですか?」

「薬草って、あんまり、太れない気がするんだけど」

「えっ」

 スライムさんは、薬草に口を開けて近づいていくところで止まった。


「野菜みたいなものだから、相当食べないと」

「なるほど……。もうてん、でした!」

「うっかりしたね」

「じゃあ、なにがいいんですか?」

 スライムさんは私を見た。


「どうして私にきくの?」

 私はゆっくりスライムさんに手をそえた。

「あ、えっと、えいむさんが、やくそうは、いまいちっていったからです!」

「そっか。たしかにね」

 私は手をはなした。


「やっぱり、肉とか、甘いものかなあ」

「なるほど。あんまり、そういうものはおいてませんけど」

「そっか。じゃあ骨がスカスカになっちゃう?」

「うんどうを、すれば、へいきですよ!」

「なんだ。じゃあ、ちょっと運動しようかな」

「そうですね!」

「……運動しないと太ってるってこと?」

「そんなこといってません!」

 スライムさんが体をぷるぷるさせた。


「言ってはいないけど?」

「おもっても、いません!」

「ふうん」

「そうだえいむさん! ぼくには、ほねがないから、かんけいなかったですね!」

 スライムさんはカウンターをおりてお店から出た。


「まだ話は終わってないよ」

 私が言うと、スライムさんは、ぴゅっ、と走り出した。

 私はスライムさんをおいかけて、しばらく走りまわった。なかなかの運動だった。よし。

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