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375 スライムさんと二次会


 私がスライムさんの頭に薬草をのせていたときだった。


「ところで。にじかい、にいってみたいんですけど」

「にじかいってなに?」

「たのしい、あつまりらしいです!」

「ふうん? どういう集まりなの?」

「なかのいい、ひとたちと、あつまって、はなしあったり、たべたり、のんだり、するみたいです!」

「ふうん。楽しそうだね」

「はい!」

「虹の会、っていうことかなあ」

「にじのかい?」

「虹ってきれいだから、虹を見てるみたいに、なんだか楽しいっていうか」

「なるほど!」

 スライムさんは、ぴょん、ととんだ。

 落ちそうになった薬草を私は受け止めた。


「虹っていうくらいだから、いろんな色があるのかな」

「いろんな、いろ?」

 スライムさんは、ちょっと傾いた。


「虹って、7色あるでしょ? 色がたくさん用意したら、虹会になるのかなって思って」

「なるほど! いいせんです!」

「でしょ?」


 私は、色のついているものを考えた。


「食べたり飲んだりするんだっけ?」

「そうです!」

「じゃあ、食べ物とか、飲み物の色かな」

「よういしてみましょう!」



「どうだろう」

 私たちは、低い木のテーブルの上にいろいろならべてみた。

「まずは、やくそうです!」

「欠かせないね」

 これは緑。


「あとは、おさらの、しろです!」

「欠かせないね」

 お皿は白。

「あとは、きいろい、やくそうです!」

「ぴりっとするね」

 ピリ辛薬草は、黄色。


「みずも、あります!」

「透明、でいいかな」

「とうめいは、いろなのか、そうでないのか。さんぴりょうろん、ありそうですが……」

「我々は、色とします」

「かくしんてきです!」

 我々は深く納得していた。


「おちゃも、あります!」

「これは緑っぽいね」

「はい! みどちゃです!」

「なるほど」

 緑だ。


「スライムさん……。まずい、緑が、ふたつある……」

「!? ……いえ、えいむさん。このままいきましょう」

「スライムさん!?」

「みどりは、200しょく、あるんやで」

「スライムさん!?」

「ゆうめいな、せんもんかの、ことばです」

「そっか。それなら、ふたつ緑があってもいいね」

「はい!」


「ナイフとフォークもいる?」

「ぼくはいりません。でも、いるひとも、いるでしょう!」

「心づかいだね!」

「ふふ。これが、きゃくしょうばい、ですよ!」

「これで、銀色」

 かなり埋まってきた。


「あとは?」

「……」

 スライムさんが、じっとテーブルの上を見た。


「なんでしょう」

「もう終わりかな?」

「まだ、あるはず、です……!」

「……もしかして、用意したくないから、あるっていうことにしようとしてる?」

「まさか!!!」

 スライムさんは、びくっとしてぷるぷる震えた。


「そっか。そんなわけないよね」

「はい!」

「本当は?」

「もう、かんせいがいいです!」

「そっか。実は、完成してるんだ」

「えっ?」

 スライムさんが、目を、ぱちぱちさせた。


「いったい……?」

「テーブルだよ」

「! ちゃいろです!」

「これで、7色そろったね」

「はい! にじかいです!」 

 スライムさんは、弾みながら私のまわりを一周した。


「でも……」

「どうかした?」

「このくらいのことは、いつも、やってるきがしますね……」

「それって、もしかして、私たちって……。よく、虹会をしてたってこと?」

「!! そうです! ぼくらは、にじかいの、じょうれんです!」

 スライムさんが、目を、かっ! と開いた。


「これはおどろきましたね……。まさか、すでに、にじかいをしていたとは……」

「私たちの、才能が、こわいね」

「はい……」

 私たちは、ふふ、ふふ、と笑いながら、虹会をした


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