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370 スライムさんと第三者委員会

「だいさんしゃ、いいんかいを、つくりたいんです!」

 薬草を食べ終わったスライムさんが、そういえば、と話し始めた。


「第三者委員会?」

「そうです」

「それは、なに?」

「だいさんしゃが、つくる、いいんかいです!」

「それは……。どういうこと?」

「すごく、こうへいな、そしきらしいです! こうへいは、いいですよね?」

「公平なのは、いいことだと思う」

「でしょう!」

 スライムさんは、ぴょん、ととんだ。


「でも、第三者ってなに?」

「それは……」

 スライムさんは止まった。


「なんでしょう」

「そもそも、第一者ってなんだろう」


 私たちは考えた。


「第一者がわかれば、第三者もわかるような気がする」

「そうですね! たしかに!」

「うーん。その分野で、一番優れてる人って、なんていうんだっけ」

「……だいいっしゃです!」

 スライムさんは言った。


「私も、そんな気がする」

 ちょっとちがう気もするけれども。

「じゃあ、だいにしゃは、にばんめですね!」

「第三者は三番目か……」

「つまり、さんいの、いいんかい! それが、だいさんしゃいいんかい!」

 ピカーン! と言いながらスライムさんがポーズを決めた。


「三番目、三位の人が公平。なるほどね」

「えいむさん、なにがわかったんですか?」

「一位の人って、きっとうれしいでしょ?」

「そうですね」

「二位の人って、きっとすごく悔しいでしょ?」

「そうですね!」

「三位の人って、ちょっと、冷静な気がしない?」

「!? たしかに! にいは、くやしいですけど、さんいは、ちょっと、れいせいなきがします!」

「だから、一位と、二位の人が、どっちが勝ったか微妙なときに、第三者委員会が出てくるんだと思う」


 スライムさんは、目をパチパチさせた。

「どういうことですか?」

「一位と二位の人が話し合っても、きっと解決しないんだよ。でも、三位の人に言われたら、一位の人も、二位の人も、きっと、なるほどね、って話を聞けると思う」

「なるほど!」

「それに三位の人は、その業界にも詳しいと思うんだ。だから、ちゃんと判断ができると思う」

「それが、だいさんしゃいいんかい!」

 ピカーン! と言いながらスライムさんがポーズを決めた。


 でも、スライムさんがちょっと、不満そうな顔をした。

「どうしたの?」

「いちいと、にいと、さんいが、びみょうなときも、あるとおもいます!」

「たしかに」

 スライムさんの言うとおり、三位までが非常に近い状態もあると思う。


「私は、すでに考えてあります」

「!?」

「そのときは、第四者委員会を発動します」

「!? まさか、あの!?」

「そうです。幻の、第四者委員会です」

 おそらく、第三者委員会よりも圧倒的に機会はすくないだろう。しかし、ないわけではないはずだ。


「じゃあ、まさか、よんいまで、けっちゃくが、つかなかったら……」

「第五者委員会の出番です」

「なっとくしました。ぼくは、なっとくしました。これが、だいさんしゃいいんかい!」

 スライムさんは、ピカーン! とポーズを取った。

 私も一緒に手をあげてポーズを取っていた。


「えいむさんまで!?」

「ふふ。言いそうだな、と思って」

「やりますね!」

「スライムさんもね!」

「……第一人者ってなんだっけ?」

「なんのはなしですか?」

「わかんない」

「へんなえいむさん」


 私たちは、ピカーン! のポーズをしばらく研究した。

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