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369 スライムさんととうし

「おはよう。……?」

 お店に入ったらスライムさんがいなかった。いつもより早い時間だからだろうか。


 ちょっと待っても出てこないので裏に行ってみたら、スライムさんがいた。

 話しかけようとして、私はおかしなことに気づいた。


「スライムさん?」

「……」

「スライムさん?」

「……」

 私はお店の中に入って、台車を持ってきた。

 スライムさんをのせて、お店につれていく。

 私は椅子に座った。

 しばらく待つ。


「……おや?」

 スライムさんが、ゆっくり私を見た。

「おはよう」

「おはようございますえいむさん」

 スライムさんがゆっくり動いた。


「スライムさん、凍ってたけど」

「ぼくが? まさか?」

「ただでさえ寒いのに、日陰の寒いところにいたでしょう」

「ええ? ……いえ、えいむさんに、ごまかしはつうじませんね。そのとおりです!」

「どうして?」

「とうしを、してました!」

 スライムさんは言った。


「とうし?」

「はい! とうしをすると、おおもうけできて、しごとをしなくてもいい、ときいたんです!」

 スライムさんは、むん、とふくらんだ。

「とうしって凍死? スライムさん、死ぬ気だったの!?」

「ふふ」

 スライムさんは笑った。


「ぼくは、こおってもしなないすらいむです。だから、とうししませんよ!」

「じゃあ?」

「とうししないということは、とうししないのに、とうししたことになる。そういうみとおしです!」

「!? 凍死の中に、見通し、という別のとおしが入ってる!」

「そのとおりです!」

「でも、とうしと、とおしのちがいがあるね」

「!?」

 スライムさんは、びくり、とした。


「かんがえが、あまかった、です……」

「あと、凍死してないんだったら、凍死したことにならないんじゃない?」

「!?」

 スライムさんは、びくり、とした。


「なん、ですって……!?」

「だから凍死はできないね」

「どうしたら、とうしできますか!」

「しないで」

「!?」

「だって、本当に凍死しちゃったら、大儲けできても意味ないよ」

「どうしてですか!」

「死んじゃってるから」

「!?」

 スライムさんは、びくり、とした。


「いのちをかけて、とうしをするのは、よくない。そういうことですか……。どうやら、ぼくは、たいせつなものを、みうしなっていたようです……」

「スライムさん。よく、気づけたね」

「えいむさん」

「これからは、凍死はやめようね」

「はい! いのちがね、には、てをだしません!」

「うん?」

「あ、いのち、でした!」

「そうだよね」

 私たちは、今日は命を大事にしようと、命の薬草というものを食べた。

 そういう商品名というだけで、すこし大きめなだけらしい。

 おいしい。

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