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352 スライムさんと星


 薬草を食べていると、スライムさんがカウンターの横にあったものを運んできた。

「このおみせ、さいきん、よくなったとおもいませんか?」

「いつもいいと思うけど」

「ふふ。これ、なんだとおもいますか!」

 スライムさんが見せてくれたのは、平べったい石だった。

 とがっているところがある。

 5つの頂点が、均等に外側に向かって広がっていた。


「なんだか、星っぽいね」

「でしょう!」

 スライムさんが、むふん、と得意げにした。


「これはどうしたの?」

「ふふ。ひろいました!」

「見事だね」

「はい! これをおいておくことにします!」

 スライムさんは、カウンターの端に置いた。


「これで、ひとつぼしです!」

「一つ星?」

「はい! お店というのは、それがどれだけ、いいおみせかということを、ほしで、あらわすのです!」

「そうなんだね。やったね」

「はい! さいだい、3つです!」

「そうなんだ。でも……」

 私はちょっと気になった。


「どうかしたんですか? ちょっときになった、ようなかおをしてますよ、えいむさん」

「わかる?」

「はい」

「実は……。勝手に星を置いても、いいお店っていうことになるのかなって」

 私の言葉に、スライムさんは、なるほど……、と重々しく言った。


「えいむさんのいうことは、わかります。かってにおいてもいいのかな、ということですよね?」

「うん。わかる?」

「わかりますよ! けつろんをいえば、……いいです!」

 スライムさんは言った。


「いいの!?」

「いいです!」

「そっか。まさか、問題ないとは思わなかった!」

「ふふ。ほしは、おくが、ふかいのです!」

「なるほどね」

 私は、うなずいた。


「ところでこれ、どこで拾ったの?」

「こっちです」


 私はスライムさんに続いてお店を出た。

 店から裏庭に歩いて、そこから裏山の手前まで歩いていくと。

「わあ」

 石がいっぱい落ちている。

 100個とか、それくらいあるのではないだろうか。


「なんでこんなところにあるのかな」

「きのう、やきいもを、つくりたいって、いってるひとたちがいました」

「石を焼いて、そこにイモを入れるんだっけ?」

「よくしってますね!」

「ここなら、まわりに草も生えてないから安心だね」

「はい! なんだか、おもいっきり、やきいもをつくりたいんだ! っていってました!」

 変わった人たちだ。


 私は石を見た。 

 丸っこい石が多いが……。

「あっ、とがってる」

 私はとがっている石を拾った。

 とがっているところが3つある。


「でも、星じゃない……」

「おしいですね!」

 スライムさんは、あっ、と進んでいった。


「ほしです!」

 スライムさんの前には、5つ、とがったところがある平べったい石があった。

「ほんとだ! また星だよスライムさん!」

「はい!」

 私はまわりを見た。

 これが最後の星だろうか。


「あっ!」

 またスライムさんが言ったと思ったら。

「すごい。また星。これは、星の才能があるね」

「まんてんになりました!」

 そういえば、星は3つで満点だった。


「これで安心してよろず屋ができるね」

「はい! かったも、どうぜんです!」

「あ、でも、勝手に石を持っていっていいのかな」

 思いっきり焼きいもを作りたい人たちにとって、石が減ることは問題かもしれない。


「さいしょに、ほしを、みつけたとき、もっていっていいよ、っていってました!」

「そうなんだ。……でも、本当は、減らしたくないかもしれないよね」

「! たしかに!」

「じゃあこれから川に行って、代わりの石を拾って、足してみない?」

「! いいですね! いきましょう!」


 私たちはよろず屋を三ツ星にしてから、きゅうけいちゅう、という札を立てて、川にでかけた。


「なんで、5つとがってると、星に見えるんだろうね」

「! なんででしょうね!」

 私たちはくすくす笑った。

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