表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
344/425

344 スライムさんとSURAIMU

「やくそうが、ない……」

 スライムさんは、カウンターの中を見て絶望していた。

 たしかにからっぽだった。


「裏庭に取りにいく?」

「いいですよ! でも、SURAIMUがなんていいますかね」

「えっ?」


 私は、いま聞こえたスライムさんの声を頭の中でくりかえす。

 スライム。

 そう言っていた気がするけれど。


「えっと、スライムさんは薬草を取りにいくけど、行きたくないってこと?」

「SURAIMUがいっています」

「スライム」

「SURAIMUです!」

 ちがうのはわかるけれど、どうちがうのかよくわからない。


「そのスライムは、スライムさんとはちがうの?」

「ちがいません!」

「どういうことなの?」

「ふふ。しりたいですか?」

「うん」

「それは……」

 ごくり。


「よくわかりません」

「わから、ない……?」

「はい!」

 スライムさんは、ぴょん、ととんだ。


「でも。ひとつわかっています。それは」

「それは……?」

「なんか、かっこいい、ということです!」

 スライムさんは、きりっ、とした。


「……なるほど。たしかに」

「でしょう!」

「うん。なんかかっこいい」

 私は同意した。

 

「なんだかわからないけど、すごく大物になったような感じがする」

「でしょう! げんりは、わかりませんが!」

「言ってることは、サボりたいっていうことだけど、かっこいい気がする!」

「そうでしょう!」

「うん! じゃあ、私も」

 コホン。


「私は食べないけどエイムはなんて言うかな?」

「EIMUです!」

「エイム?」

「EIMUです!」

「うーん」

 むずかしい。


「さすが、スライムさんだね。私は、ちがうことしかわからないけど、スライムさんは、それ、を使いこなせるんだね」

「ふふ。ふふ! ふふ!!」

 スライムさんがだんだん大きくなっていっているように見えた。

 これが、スライム……。

 うまく言えない。


「じゃあ、私はリトルエイムにしようかな」

「りとる、えいむ……?」

 スライムさんはカウンターの上にのると、ちょっと身を乗り出すようにした。


「リトルエイムが言っているので、薬草を取りにいきます」

「あっ。ぼくも!」

 スライムさんは、ぴこぴこ体をゆらした。


「こほん。りとるすらいむが、いいました」

「あ。それは私のだよ」

「SURAIMUと、りとるすらいむがいいました」

「よくばりさんだなあ」

「ふふ。えいむさん。じんせいとは、よくばったひとのところにだけ、いろいろなものが、あつまってくるんです!」

 スライムさんは、きりっ、とした。


「なるほどね」

 私も、きりっ、とした。


「それは誰の言葉?」

「ぼくです!」

「またスライムさんか……」

 名言スライムさんというところだろうか。


「スライムさんがいっぱい増えてくね」

「はい!」

 スライムさんは、むん、とふくらんだ。


「ぼくは、たくさんいますよ!」

「しかし、私はひとりで十分さ。そう、たったひとりで、ね」

「!! えいむ、さん……!?」

「増えていくスライムさんと、たったひとりの私。いったい、どっちが強いかな?」

 私はにやりとした。


「……えいむさん、やりますね! さすがは、ぼくの、らいばる!」

「ふふ。いまはどのスライムくんかな? まあ、誰でも同じだけれどね」

「! あまくみないことです!」

 私たちは、突然のバトルが始まった。


 それはそれは、壮絶なバトルだった。


 しばらくバトルを楽しんだあとは、裏庭に行って薬草を食べた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ