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341 スライムさんと面会

 私は、書き置きにしたがって歩いた。

 お店から、裏手の薬草畑の横を抜け、木々の中を歩く。

 ゆるやかな山道を進んでいくと、薄暗くなってくる。

 岩があった。私の身長くらいある。目印、と示されていたとおりだ。

 岩の反対側へとまわりこむ。


 いた。スライムさんだ。


 内側に大きな空洞ができている岩の中にスライムさんがいて、その手前には棒が縦に何本もならんでいて出られないようになっている。まるで牢屋のようだった。

 

「スライムさん」

「おや、えいむさんですか……」

「来たよ」

「やらかしちゃいましてね……」

 スライムさんは、さびしげに笑った。


「このざまですよ……」

「スライムさん……。まさか、よろず屋ダラダラ罪で捕まっちゃうなんてね……」

「だらだらしているかどうかなんて、こじんの、しゅかんです……。こんなもの、しほうの、おうぼうですよ……!」

「スライムさん……。これは自分でつくったの?」

 私は岩をさわった。

「えいむさん。はなしが、ぶれるので」

 スライムさんが、きっ、と私を見たので、私は急いで口をふさいだ。


「スライムさん、これからどうなるの?」

「きっと、おうぼうな、さいばんで、ゆうざいになって……。ろうやに、いれられてしまうでしょう……」

「そんな!」

「さびしくなりますね……」

「……ちょっと待って。スライムさんは、毎日仕事をしてたはず。だらだらしてるように見えてもちゃんとやってたんだよ。お店をたまに開けてるお店よりも、ずっと仕事をしてたはずだよ!」

「えいむさん」

「裁判では、このあたりをついていけば、スライムさんのだらだら罪を、無罪にできるはずだよ!

「えいむさん……!」

「スライムさん。私がスライムさんを無罪にしてさしあげます」

「えいむさんが、めざめた……!」

 私はうなずいた。


「だから安心して」

「わかりました!」

「だからお店に帰って働こうね」

「わかりました?」

「こんなことしてたら本当にだらだら罪で捕まっちゃうよ」

「えっ」

 スライムさんは、目をぱちぱちさせた。


「ほんとうに、そんな、つみが?」

 スライムさんが笑う。


 私が真顔でいたら、スライムさんも真顔になった。


「そろそろ帰ろうか」

「でも、でられなくて……」

 スライムさんは、棒をぷにぷにした。

「出られるよね」

「……はい」

 スライムさんは、おとなしく、棒の間からにゅるり、と出てきた。


「もう来るんじゃないぞ」

「はい……」

「じゃあ、競争だ」

「! はい!」

 私たちは、よろず屋まで走った。

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