283 スライムさんとG7
「じーじーじーじーじー」
お店の前で、スライムさんが体をくねくねさせておどっている。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ!」
スライムさんがおどりをやめて、私に向き直った。
「どうかしたの?」
「ちょっと、じー、についてかんがえていました!」
「じー?」
「ななつのじー。じーせぶん、ってしってますか?」
「ジーセブン?」
「はい! たいせつな、じーが、7つあつまったものです! いったいどんな、じーなのか!」
「しらない」
「ぼくもです!」
スライムさんは、ほこらしげに言った。
「でも、すこし、けんとうがついています」
「わかるの?」
「すこし、ですがね」
スライムさんは、にやりとした。
「じゃあ教えて?」
「いいですよ! ……まずは、じーさん、です」
「おじいさんのこと?」
「はい!」
たしかに、大切なじーだ。
「他には?」
「あとは、じーんです!」
「じーん?」
「かんどうしたとき、じーん、といいます!」
「なるほど。早くも、先がきびしそうだね」
「はい!」
「あとは?」
「……」
「……」
「……きょうは、このくらいにしましょう」
「そっか」
私が言うと、スライムさんがこっちを見る。
「えいむさん。がっかりしてますね?」
「えっ?」
「じーせぶんといいつつ、こんなものか……、と」
「そんな、こと……」
「あるんですね?」
「……でも、わからないんだから、しょうがないよね」
そう。
ほしいからといって、それが手に入るわけじゃない。
ならあきらめるしかない。
忘れるしかない。
それがいいんだ。
「……えいむさん。それでいいんですか?」
「えっ?」
「ぼくたちの、じーせぶんを、かんがえませんか?」
「そんなことが?」
「……ぼくは、じーすらいむです!」
「ジースライム!?」
「これによって、じーが3つになりました」
「スライムさんの名前が変わってるよ!」
「それくらい、やすいものです!」
スライムさんは笑いながら言った。
なら。
「……私も、ジーエイムだ!」
「えいむさん!? なまえが……!」
「ジースライムさんががんばってるんだから、私だって!」
「じゃあ、ここは、じーよろずやです!」
「お店の名前まで! だったらあれは、ジー薬草だ!」
「やりますね! なら……。ここは、じーよろずやです!」
「二度目のジーよろず屋!」
「はい!」
「これで、あとひとつ……」
「! ひらめきました!」
「なに?」
スライムさんは、きりっ、とした。
「このまちは、じーすらいむまちです!」
「! さりげなく、ジースライムさんのものに!」
「ふふ……!」
「これで、完成……」
「はい……」
「これが私たちの……」
「ぼくたちの……」
『ジーセブンだ!』




