248 スライムさんとおでん
「うちは、いろいろなしょうひんを、あつかっているおみせです」
カウンターで話をしていると、スライムさんが急に言った。
「どうしたの。だらだらしてたのに」
「いつまでも、だらだらしてるとおもったら、おおまちがいです!」
「ふふ……。実は、私はスライムさんより早く、だらだらを、終えていたのだ」
「なに……!? やるな、えいむくん!」
「ふふ。それでどうしたの?」
「おでん、ってしってますか?」
「おでん」
「そうです! なにやら、おもしろい、ひびきです!」
「それは、商品なの?」
「おそらく! でも、わかりません!」
「でも、売りたいの?」
「はい! よさげな、ひびきなので! どんなものだと、おもいますか?」
「ヒントはないの?」
「……」
スライムさんは、にやりとした。
「ありません」
「そっか。なにに使うとかも?」
「ないです!」
「名前だけで、探っていく……?」
「そうです!」
「すごいね。挑戦だね」
「はい!」
私たちは、すこし、だまって考えた。
「スライムさんは、どう思った?」
「おでん。じつは、やくそうだったら、いいな。そうおもいます!」
「解決だ」
「はい!」
スライムさんは、薬草を持ってきてカウンターの上に置いた。
「か・い・け・つ!」
スライムさんが、一文字ずつ、きゅっ、きゅっ、と動いた。
「よかった。本当によかった」
「ええ……。よかった……」
私たちは、解決をかみしめた。
「……かいけつしましたけど、えいむさんは、どうおもいますか?」
「おでん?」
「はい! ねんのため、おしえてください!」
「解決したけど、私なりのおでん、どんなものか発表するってこと?」
「そうです! かいけつしましたが!」
「おでん……」
私は考えた。
「……もしかしたら、売り物では、ない?」
「どういうことですか?」
「どうどうとしてる人かも」
「どういうことですか!?」
スライムさんが、私に接近した。
「大きいものが出てきたとき、でーん、とか、言ったりするでしょ?」
「しますね。はくりょくが、ちがいます!」
スライムさんは、カウンターからおりた。
とびあがって、着地。
「でーん!」
「迫力が、ある!」
「はい!」
「……実は、おでんのでんが、このでんだとすると?」
「! えいむさんが、でんでん、いっていて、きょうみぶかいです!」
スライムさんは、ますます私に接近した。
「そして……、ていねいに言うとき、お、をつけたりするよね」
「はい。おやくそうとか」
「お薬草」
「はい!」
「その話はすこし、あとでしよう」
「はい!」
「それで、でん、をていねいに言ったとすると?」
「! まさか……!」
「おでん」
私が言うと、スライムさんはプルプルふるえた。
「おでーん!」
「そして、でん、が似合う人。お、とていねいに呼ばれるような人」
「ていねいによばれて、どうどうとしているひと……?」
「王様、ではないでしょうか」
私が言うと、スライムさんは止まった。
それから、プルプルプルプルふるえた。
「え、え、ええええええいむさん! それです!」
「それ?」
「おでんは、おうさまです!」
「おでんは王様で、いいの?」
「いいです! おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「おでんはおうさま!」
「おでんは王様!」
問 おでんとは?
解 王様です!
「よろず屋では、売れないね」
「うれません!」




