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24 スライムさんと箱の中身当て

 よろず屋に入っていくと、カウンターの上でスライムさんが箱を見ていた。


 面の大きさがみんな真四角の箱で、開いている面がこちらに向いて倒れている。

 側面、両側にちょっとした穴があいていた。



「おや、えいむさん! いらっしゃいませ!」

「こんにちは。なにしてるの?」

「ふっふっふー。このはこ、なんだとおもいますか?」

「うーん。また転送の箱?」

「ちがいますねえ」

「なんだろう」


 横の穴は、あいてしまったというよりも、わざとあけたような、きれいなものだった。


「これは、よこからてをいれて、なかになにがはいっているか、あてるあそびをするための、はこだとおもいますか? おもいませんか?」

 スライムさんが試すような顔で私を見る。


「え? うーん……、じゃあ、当てる遊びをする箱だと思う」

「そのとおり! よくわかりましたね!」

「そんな気がした」

「えいむさんのかんがえは、するどいですねえ」

 スライムさんは感心していた。


 スライムさんはぴょこぴょこ動いて、箱の横にやってきた。

「さわっただけで、なにがはいっているのか、あてます。それじゃあ、えいむさん。やってみてください!」


 なんだか急に始まってしまった。


 私はカウンターの中に入って、箱の横、両側から、それぞれの手を入れた。

 私の角度からは箱の中は見えないけれども、お店の入口側に移動したスライムさんからは、よく見えているだろう。


「これでいいの?」

「はい! では」


 スライムさんは薬草をくわえてカウンターに上がると、箱の中に入れて、もどっていった。


「では、はこのなかみをあててください!」

「え? でも、いまスライムさん、いま箱の中に入れたの見え」

「ようい、はじめ!」


 スライムさんの宣言により、箱の中身当てが始まってしまった。

 しょうがない。


 見えないまま、私は箱の中央に手をのばす。

 指先にやわらかいものがふれた。


「お、お、えいむさん、さわりましたよ! さわりましたよ!」

 スライムさんは楽しそうに見ている。


「あー、あぶないかもしれないですねー。そんなふうに、ざつにさわったら、かまれちゃうかもしれませんよー。あー」

 スライムさんが演技をしている。

「これは葉っぱだね?」

「おっと! もうこたえがわかってしまったのか!」


「これは、やく……」

 と私が言いかけたとき、スライムさんの顔が一瞬、悲しそうになるのが見えて、私はとっさに答えを変えた。


「毒消し草かな?」

「おーっと、おしい! えいむさん、おしい!」

 スライムさんがぴょんぴょんはねる。


「これはなにそうだー? どくけしそうじゃないぞー! や? や?」

 と言いながら私を見る。


「や? やく?」

 スライムさんが私を力強く見る。

「……やくそう?」

「せいかーい!」

 スライムさんがぴょんぴょんはねる。


「いやー、こうふんしましたねー!」

「そうだね」

「ぼくはうまれてから、いちばんこうふんしました!」

「そんなに?」


 スライムさんは薬草を回収しながら、店内を見まわしている。

「つぎは、なににしましょうか」

「スライムさんは中身当て、やらないの?」

「ぼくは、てがないので!」


 言われてみればそうだった。

「じゃあ、スライムさんは目隠しして、箱の中に入ればいいんじゃない?」

「! めいあんですね!」


 私はスライムさんの目に細い布を巻いて目隠しをして、箱に中に入ってもらった。

 でも箱がせまかったので、外に出て、スライムさんは感触だけで、よろず屋の物を当てた。

「このくさは……、ぺろり。どくけしそうです!」

「正解!」

「やりました!」


 私は、目隠しをしたスライムさんに持っていく係になった。


 途中から、じゃまなので、と箱は使わなくなった。

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