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226 スライムさんとあいさつ攻略

「こんにちは、スライムさん」

 私がお店に入ると、スライムさんが、カウンターの上にぴょん、とのった。


「はほー、えいむさん!」

 と笑顔。

「え?」

「はほー、えいむさん!」

「は、はほー?」

「じゃあ、やくそうでもどうですか?」

「え? あ、うん」

 私は、カウンターの前に歩いていった。

 それからは、薬草を食べたながら話をしたけれど、はほー、についての話はしなかった。



 次の日。

「こんにちは、スライムさん」

 私がお店に入ると、スライムさんが、カウンターの上にぴょん、とのった。


「どんどこ、えいむさん!」

「え?」

「どんどこ!」

「どんどこ?」

「じゃあ、やくそうでもどうですか?」

「え、うん」

 私はカウンターの前に歩いていった。

 どんどこ、の話は、出てこなかった。



 次の日。

「こんにちは、スライムさん」

 私がお店に入ると、スライムさんが、カウンターの上にぴょん、とのった。


「べーりーんぐ、えいむさん!」

「ベーリーング」

「じゃあ、やくそうでも」

「そうはいかないよ、スライムさん!」

 私はスライムさんの言葉をさえぎった。


「なんか、おとといから、よくわからないこと言ってるけど、なに?」

「……ふっふっふ。きづいてしまいましたね、えいむさん!」

 スライムさんは、あやしく笑う。


「スライムさん? なにをたくらんでいるの?」

「えいむさん。きづかれたからには……」

 スライムさんが、にじり寄ってくる。


「なに……?」

 私はあとずさり。


「ふふ、ふふ……」

「スライムさん?」

 いったい、なにを……。

「おめでとうございます!」

 スライムさんは、ぴょーん、ととんだ。


「わっ」

「ぼくの、じっけんに、きづきましたね!」

「実験?」

「とぼけちゃって、もう。あいさつじっけんですよ!」


「ぼくは、きづいたんです。あいさつは、なんでもいいと」

「なんでも?」

「はい。あったときに、ららーら! っていったら、どうですか?」

「なにかな? って思うけど、いちおう、ららーら、って言うかな」

「でしょう! つまり、それが、あいさつです!」

「なるほど?」

 言われてみれば、言葉がちがってもほとんど、こんにちは、と言っているのと変わらない。

 

「つまり、あいさつは、なんでもいいんです!」

「なるほど……。そうだね、たしかにそれでも通じるね」

「でしょう! えいむさんに、おほめいただければ、これは、くんしょうものです!」

「そこまでのものではないからね!」


 言ってから、私はすこし考えた。

「でも、これって、私とスライムさんだから、かもしれないよね」

「どういうことですか?」

「だって、知らない人に、べけれんこ、って言われたら、どう思う?」

「このひとは、いったい……? いま、だれかに、こうげきをうけている……?」

 スライムさんは、きりっ、としながら言った。


「そこまでは考えないけど、なにを言ってるのかな、って思って、返事もしないかもしれないよね」

「そうですね!」

「でも、こんにちは、って言われたんだったら、こんにちは、ってとりあえず言うかもしれない。言わなくても、意味は伝わる」

「そうですね!!」

「だから、あいさつは、決まった言葉がいいんじゃない?」

 スライムさんは、ちょっとつぶれた。


「スライムさん?」

「えいむさん。ぼくの、かんぱいです……」

「スライムさん」

「やっぱり、しんらいと、じっせき。それには、つみかさねた、ねんげつ……。ぼくは、かんたんに、とびついてしまいました……」

「スライムさん……」

「えいむさん!」

「なに?」

「こんにちは!」

「はい、こんにちは、スライムさん」

 私たちは笑顔であいさつをした。

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