表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
214/425

214 スライムさんとしもやけ

「こんにちは」

「いらっしゃいませ!」

 スライムさんは、しゅぱっ、とカウンターの上に乗る。


 そしておりる。

「もうちょっと、はやくしますね!」

「そう?」

「おみせは、はやさが、だいじなので!」

「じゃあ、一回、しもやけの薬もらってからでもいい?」

 私が言うと、スライムさんは、しゅぱっ、とカウンターに乗った。


「しもやけ?」

「ちょっと、痛いというか。早くぬりたいと思って」

「しもやけ……」

「知らない?」

「……、……しってます!」

「わたしは、あんまり、はっきり知らないんだけど」

「しりません!」

「手が、痛いような、かゆいような、そんな感じになるの。寒い日が続いたりすると、なるんだよ」

「……ほんとうですか?」

「本当だよ。どうして?」

「やけてるんですよね?」

 スライムさんは不思議そうに私を見ていた。


「やけ?」

「しもがやけてます!」

「焼けてるんじゃないよ。だって、寒いんだから」

「じゃあ、どうしてしもやけっていうんですか?」

「どうしてだろう」

 私は手を見た。


 右手の中指の、手の甲側に、赤くなっているところがある。

 さわっても痛いというか、かゆいというか。


「これがしもやけ」

 スライムさんものぞきこんだ。


「うん」

「しもがやけてて、しもやけ。なら、てが、しも?」

「ちがうよ」

「よくやけてますね」

「やけてないよ」

「でもしもやけ」

「うん」

「……えいむさん。ほんとうに、やけてないとおもいますか?」

 スライムさんは言った。


「どういうこと?」

「えいむさんは、しもやけが、できたしゅんかん。みましたか?」

「見てない」

「ということは、だれかが、こっそり、えいむさんのてを、やいたかのうせいがある……?」

「えっ」

 私は手を見た。


「やけどじゃ、なさそうだけど」

「やけどじゃなくて、しもやけですよ!」

「なるほど?」

「とくしゅな、ひで、やかれたんです」

「こっそり?」

「はい」

「うーん」

 私は指を見る。


「えいむさん。げんばは、みてないんですよね?」

「見てない」

「えいむさんは、しもやけ、というものについて、くわしくないんですよね?」

「詳しくない」

「しもやけは、しもやけ。そういうなまえですよね?」

「そういう名前。あ」

「なんですか?」

「しもやけは、ずっと、手袋をしてると、ならないとか」

「! やはり! いじょうのことを、ふまえますと」

 スライムさんは、ぴょこ、ぴょこ、とカウンターの上を進む。


「しもやけは、だれかに、とくべつなひで、やかれた。そういうことが、よそくされます。はんにんは、だれかです!」

 スライムさんは、びしっ、と私を見た。


「なんと」

「こんどから、しもやけの、はんにんを、しっかりみることを、おすすめします!」

「わかった」

「それがむずかしいなら、てぶくろで、まもってください!」

「わかった」

「では、つぎのじけんがあったら、よんでください」

 スライムさんはカウンターからおりると、ゆっくり、お店の奥に消えていった。


 しもやけの薬は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ