表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/425

198 エイムは動植物

「いきなり、ほおばる!」


 スライムさんは、裏庭に生えている薬草のひとつに、かぶりついた。


「スライムさん!?」

「もごもご。……えいむさん、これが、しんせんさの、ちょうてん、ですよ……」

「これが……! さすがスライムさん!」

「はい!」

「でも、新鮮だけど……」

「どうかしましたか?」

「あ、生きてるときに、いきなりかぶりつかれるっていうのも、なかなか、おどろきだよね」

「たしかにそうですね」

 スライムさんは、ちょっと薬草から離れた。


「ざんこく、ですかね?」

「どうだろう。痛いとか、なさそうに見えるけどね」

「そうですねえ」

「それに、ざんこくって言い始めたら、薬草を抜くのも、いきなりかぶりつくのも、どっちもざんこくな気もする」

「いきものだったら、ざんこくですか?」

「そうだねえ」


 私は考える。


「生き物でも、生きてるものを、生きてるまま食べたりするものもあるみたい。お父さんから聞いたことあるよ」

「そんなものが」

「うん。どっちみち、食べるんだからね。私は、ちゃんと食べればいいかなあ、と思ってるけど」

「そうですね。ちゃんとたべれば、まあ、いいですよね」

「うん」


 ちゃんと食べられても、食べられる側はたまったものではないかもしれないけど。


 でも、ちゃんと食べれば、許してやろう! という生き物も植物も、いるかもしれない。


「ちゃんと食べますので」

「たべますので」

 私たちは、薬草に言った。


「でも、動物と、植物ってどうちがうんだろうね」

「じめんから、はえてるか、はえてないか、じゃないですか?」

「そっか」


 私は薬草を見た。


「スライムさん」

「ちょっと、スコップ、かりていい?」

「いいですが? なにか?」


 私は、薬草の横の、なにもないところを、ちょっと掘った。


 それから靴を脱いで、靴下も脱いでその中に入れる。


 私は、掘った穴に入った。

 足首までが土に入ったので、掘った土をかぶせた。


「えいむさん? なにをしてるんですか」

「これなら、私も植物かな」

 私が言うと、スライムさんは、私と地面を何度も見比べた。


「!? じめんから、えいむさんが、はえている!?」

「そうなのだよ」

「えいむさんが、しょくぶつに?」

「うん」

「それでいて、もしかして……?」

「うん」

 私は土から出て、歩いてみせた。


「どうぶつ!?」

「ふっふっふ」

 私は土の中にもどる。


「しょくぶつ!?」

「ふっふっふ」

「えいむさんは、しょくどうぶつ……?」

「どうしょくぶつかもしれないよ」

「どっちですか!?」

「ふっふっふ」

 

 はだしで、歩いてみると気持ちがいい。

 私は、そのまま草原を歩いてみた。

 足のうらを、くすぐるような草の感触が伝わってくる。


「えいむさん!? いきなり、あるきだす……!?」

「ふっふっふ」

「これはどうぶつですね?」

「しょくぶつの、かのうせいも……?」


 私は、スライムさんを従えて、はだしでよろず屋のまわりを散歩した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ