173 スライムさんとアンケート
「すいませーん、すいませーん」
スライムさんが、お店の入り口に立って、なにか言っている。
近づいていくと、私を見た。
「すいませーん、ちょっと、ごきょうりょくおねがいしまーす」
「はい。なんですか?」
「ちょっと、しつもんにこたえてほしいんですが」
「いいですよ」
「ありがとうございます!」
スライムさんは目線で礼をした。
「では、えいむさん、あ、ちがいます。おなまえはなんですか?」
「エイムです」
「えいむさんですね。よろずやには、よくきますか?」
「はい」
「どれくらいきますか? まいにち、けっこう、たまに、ちょっと、のうちでこたえてください」
「毎日です」
「いいですね!」
スライムさんは、ぴょん、ととんだ。
「よろずやでは、なにをかいますか? やくそうか、やくそうじゃないかで、おこたえください」
「薬草かな」
「いいですね!」
スライムさんは、ぴょん、ととんだ。
「薬草じゃない日もあるんですけど、いいですか?」
「たしょうは、いいでしょう!」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
「では、おみせのいんしょうについて、おしえてください。おみせは、いいかんじ、ふつう、わるいかんじ、どれですか」
「いい感じです」
「ふふっ!」
スライムさんはちょっと震えた。
「おみせの、てんしゅは、どういういんしょうですか? すらいむ、ごぶりん、こぼると、でおこたえください」
「スライムです」
「ですよね!」
スライムさんは、うんうん、と納得した。
「もしかして、どらごんかもしれない、とおもいましたか?」
「いいえ」
「そうですか……」
スライムさんは、ちょっとがっかりしたようだった。
「……あれ? もしかして、どらごんのお店でした?」
「え? いやですねー、ちがいますよー。どらごんは、こんなおみせにいませんよー、いやですねー」
スライムさんはくねくねした。
「あとは、かかくについて、おききします。かかくは、やすい、ふつう、たかい、どれですか?」
「ふつうかなあ」
「そうですか? では、むりょうがいい、よくない、どっちですか?」
「無料がよくない」
「えっ……?」
スライムさんがぴたりと止まった。
「なぜ……?」
「無料だと、お店じゃないと思うし……。よろず屋じゃ、なくなっちゃうよ」
「えっ?」
「いいの?」
「よくないですね!」
「でしょう?」
「わかりました! できるだけ、むりょうにしません!」
「うん。うん? できるだけ?」
「では、さいごのしつもんです。このおみせのいんしょうを、ごじゆうに、おねがいします!」
「いろんなものが売ってて、便利だと思います」
「ありがとうございました!」
スライムさんは、ふんふん、と言いながら私のまわりをゆっくりまわっている。
「これで、どうなるの?」
「さまざまなひとのごいけんをとりいれることでとうてんはよりいっそうせいちょうをとげおきゃうさまにあいされるおみせになります」
一気に言うと、スライムさんは、はあ、はあ、と息を切らせた。
「ん?」
「あ、ここまでが、ひとつです」
「どういう意味があるの?」
「いみはないです。ただ、これをすると、だいはんじょう、まちがいなしです!
「そうなんだ。よかったね」
「はい!」




