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157 スライムさんと触手

 青い、透き通った、丸っこい体。

 その体から、なにかが生えている。

 私の腕よりは細いけれど、指よりはあきらかに太い。

 長さは私の腕くらい?


 それが……、スライムさんの体の下側から生えているのだ。

 それで体を支えているので、集めて、足のように立っている。

 だから視線は私と同じくらいの高さだった。


「なにそれ」

「しょくしゅです!」

「職種?」

「ぼくに、つけられる、しょくしゅです!」

 スライムさんは、足のようなもののうち、二本を手のように横に広げた。


「スライムさんにつけられる職種」

 どういう仕事だろう。

 手足があったほうがいい職種なのはわかるけど。

 よろず屋は、もうあきてしまったのだろうか。


「いっぱいあるけど……、8本?」

「7ほんです!」

 スライムさんは言った。


「その職種はどうしたの?」

「かいました!」

「職種を買うの?」


 どういうことだろう。

 仕事でお金を稼ぐというのはよく聞くけれど、職種を買う?

 お金を払って仕事を買うとは、なんだか、もったいないような、手間がかかるようだ。

 でも、スライムさんはお金をたくさん持っているはずだし、そういうことをしても平気なのかもしれない。


「はい! すらいむぎょうかいでは、しょくしゅも、とりひきされています! あとづけ、かのうです!」

「えっと、じゃあ、よろず屋はやめるの?」

「やめませんよ!」

 スライムさんは、片手? をあげて、振った。


「そうなの? 職種を買ったっていうから、やめちゃうのかと思って」

「しょくしゅをかったらやめる……?」

 スライムさんは首をかしげた。


「そういわれると、おきゃくさんは、こまるのかも、しれませんね?」

 スライムさんは、手? を見ていた。


「うーん。職種を買ったって聞いたら、困るかもね」

「そうなんですね! おきゃくさんには、しょくしゅ、いまいちですかね?」

「いまいちというか……」

 なんて言ったらいいんだろう。


「えいむさんは、やめてほしいですか?」

「私は、もちろんいままでどおりやっててほしいけど」

「あたらしいしょくしゅは、いりませんか?」

 スライムさんは、片手? をあげる。


 ううむ。

「スライムさんの好きにすればいい、とは思うけど」

 職種の話は、私がかんたんになにか言っていいのだろうか。


「えいむさんは?」

「私? 私の意見を言っていいの?」

「はい、もちろんです!」

「私は……、いつもどおりがいいかなあ」

 よろず屋もやるつもりなのかもしれないけれど、いろいろなことに手を広げていくのは、あんまり、スライムさんが得意なことにも思えない。

 よろず屋だけにしてもらったほうが……。


「わかりました!」

 スライムさんは、足? を使って、ぴょーん、ととんだ。

 空中でくるくるまわって、着地。


「しょくしゅは、やめます!」

「そう?」

「はい!」

 スライムさんはにっこり笑った。



 次の日、よろず屋に行ってみると。

「こんにちは」

「いらっしゃいませ!」

 スライムさんは、カウンターの上の飛び乗った。

 足がない、いつもの、スライムさんだ。


「昨日のやつはやめたんだね」

「はい! へんぴんしました!」

「あれ、便利そうだったけどね」

「えいむさんは、いつもどおりがいいっていってましたよ!」

「うん。えっ?」

「えっ?」

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