8. 試験の対策
更新が遅くなってしまってごめんなさい!
ガンガンいきたいぜ……っ!
翌日になって、花から手紙の返事がきた。
いったいどんな試験を予想してくれたのだろうと、ドキドキしながら分厚い手紙の封を開ける。相変わらず、花からくる返事は私の倍以上の内容量です……。
「いったい何を書いてくれたのかな……って、テンション高いなぁ」
苦笑しながら、私は手紙を読んでいく。
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ひなちゃんへ
うわあぁぁ! 妖精の試験って、なんかすっごく楽しそうだね!!
もう、ひなちゃんからの手紙も、妖精も、テンション上がりっぱなしだよ~!
とはいっても、予想できるのはよくあるパターンだけかなぁ。例えば、洞窟の奥にある宝を取ってきてとか、回復薬を作れとか、そういうやつ。
でも、ひなちゃんが運動音痴っていうことはみんな知ってると思うんだよね。だから、そこまで戦うことを想定はしなくていいと思うの。
防御をしっかりするのがいいんじゃないかなぁ……と、私は思うよ。
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「うぅ、確かに運動音痴なのは否定できないけどさ……」
確かに、私が戦えないことは妖精のみんなも知っている。
となると、そこを試験内容に含まないか、もしくはあえて入れてくるか……? 後者であれば恐ろしいなと、ぞわっとしたものが背筋を這う。
「だ、大丈夫だよね? 私はベアトリーチェのこと信じてるから!」
そう祈るけれど、内容は妖精たちのみぞ知るというところで。
……うん、ちょっと不安になってきた。だってこの試験は、1回のみで、やり直しは出来ない。
「とりあえず、先に準備するものを考えよう!」
持っていくものを、リュックにまとめて入れておくのだ。
日持ちのする食料に、お水。
それから簡易寝袋。
回復薬各種を、それぞれ3個ずつ。
一応、薬草と魔力水も持っておこう。
リグ様との交換日記。
まろ特製の香りの花魔法。
リグ様に貰った装備は一式身につけるとして、短剣はリュックにしまわないで腰に下げておこう。
「回復薬があれば、包帯とかはいらないもんね。ランプも、リグ様の短剣があれば必要ないし……」
思ったよりも、荷物少ないかな?
これならなんとかいけるのではと、思い始めてくる。
「地図はギルドカードで見られるし、うん、結構いけるんじゃないかな?」
もし長距離移動があるなら、そのときはダッチョンにお願いしよう。イクルがいなくても、ちゃんと乗れるはずだ。……たぶん。
あとは、いつ試験を受けるかっていうこと。
どうしようかと悩んでいると、コンコンとノックの音が響く。
まろかな? そう思って開けると、そこにいたのはサリナさんだった。
可愛らしいうさ耳が揺れて、もふっとなでたい衝動に駆られてしまいます……っ!
「やっと各地の混乱が収まってきたからね、こっちは大丈夫かなって」
「ありがとうございます!」
空が暗くなり、人々が不安になっているこの状況だ。勇者であるサリナさんは、国中を走り回ってみんなを安心させようと努めてくれた。
こちらの現状を説明すると、なるほどとすぐに把握してくれた。
部屋に招き入れて、先ほど用意した荷物をサリナさんに見せてアドバイスをもらう。
勇者であるサリナさんならば、必要なものをいろいろ把握してるはずだ。
「……それって、私も一緒に行っていいんだよね?」
「えっ?」
「だって、私はひなみちゃんの勇者だよ? ひなみちゃんのために戦って盾になるのが私の役目!」
当たり前だと、サリナさんが私に訴える。
試験なのだから誰かと一緒っていうのは、よくないんじゃないだろうか? とりあえず、聞くだけ聞いてみようかな……? オッケーならばラッキーだろう。
「うん、きっと私も一緒で大丈夫だよ!」
サリナさん、ポジティブだなぁ。
とりあえずの準備は完了だ。というか、これは戦闘とか、ちょっとした長旅とか、そういったことへの準備だ。
何かを問われたりする系統だったら、あまり意味はないけれど。かといって、本を大量に購入して持っていくわけにもいかない。
おもに重量的な意味で。
「とりあえず、ベアトリーチェたちに確認してみよう?」
「そうですね。あまり期待は出来ないですけど、2号店に行ってみましょう」
◇ ◇ ◇
『あ、店長! おはようございます!』
「おはよう、ベアトリーチェ。今日は1人なの?」
『朝はお花の世話もあるから、順番に支度をしてるのよ! 今日は私がお店当番の日よ』
なるほど、ローテーションしていたのか。
そうだよね、このダンジョンには、花畑もあるからその手入れもしなければいけない。
不安になって、お店の仕事が負担になっていないかを問いかける。
『それは全然、問題ないわ! このお店で働くのは、とっても楽しい時間もの』
「そう? それならよかった。でも、何かあったらすぐに相談してね」
『もちろんよ!』
ベアトリーチェが大きくうなずいてくれたので、ほっとする。突然、ブラックなので辞めますと言われたらこちらもショックを受けてしまう。
売り上げもたくさんあるから、お給料の見直しも順次していきたいところ。
「それで、ひなみちゃんの試験について聞きたいんだけども!」
『うん? 何かしら』
「私もついて行っていいよね?」
なんの前置きもなく、ズバっといくなぁサリナさん。
いや、まぁ、いいんだけど。
『ええぇっ!? 駄目に決まっているわ! 試験なのだから、店長1人の力でクリアするべきよ』
うん、そうだよね。
ベアトリーチェの言うことはもっともだと思い、私も思わず頷いてしまう。しかし、サリナさんは納得がいかなかったようで「意義あり!」と声をあげる。
困った顔をしつつも、ベアトリーチェが先を促す。
なんだかんだで、私に甘いのだろうか……?
「私は、ひなみちゃんの勇者なんだよ!」
『そうね』
「つまりそれは!」
『……それは、なんだと言うのかしら?』
「イコール! ひなみちゃんの所有物っていうことだよ!!」
「えええぇぇぇぇ!?」
サリナさんのあげた声に、私が一番真っ先に驚いた。
ベアトリーチェも大きく目を見開いているけれど、先に私が大声を出したので声をあげるタイミングを逃してしまったのだろう……。
『店長の、所有物……つまりは持ち物? アイテム?』
「ちょ、待ってベアトんぐぐぐぐっ!?」
真剣に検討を始めてしまったベアトリーチェに抗議をしようとしたら、サリナさんに口をふさがれてもごもごしてしまう。
自分をアイテムカテゴリーにしてどうするのかと、じぃーっと目で訴えてみるが、どうやらサリナさんも譲る気はないようでにこにこ笑うばかり。
「私はひなみちゃんのための勇者だから、ひなみちゃんの手足として動く……まさに、駒!」
「むぐぐぐぐっ」
『確かに、店長は弱いものね……。何かあったときのことを考えると、護衛としてあなたがいるならば私も新できるわね……』
うんうんと納得しているベアトリーチェ。
これでいいのだろうかと不安に思うけれど、サリナさんオッケーというのであれば私としてもこれほど心強いことはない。
だって、今回の試験結果はイクルと鈴花さんの救出成功率に直接かかわってくるのだ。高ければ高いほどいいのは当たり前で。
『決めたわ! 貴女の同行を認めます!』
「やったあぁ!」
「ええと、ありがとうベアトリーチェ」
いいのかなぁと思いつつも、許可をされたのならば何も言うまい。
取り消しになっては困るからね!!
家に帰ったら、サリナさんといつ試験を受けるかとか、そういった相談をしよう。体調も整えて、絶対失敗しないように万全の状態で挑みたいからね!
ふんぬーと意気込んでいると、ベアトリーチェがパンと手をたたいて微笑んだ。
『それじゃぁ、試験開始ですわ!』
「…………えっ」
無情にも、試験開始のゴングが打ち鳴らされてしまった……。
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どうぞよろしくお願いします。
それにともない、キャラデザを活動報告にアップしています。
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