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箱庭の薬術師  作者: ぷにちゃん
第5章 闇に目覚し一輪の花
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5. ドラゴンの力 - 2

 ぽかぽかとして、身体がとても熱い……。

 まるで自分ではないような、そんな感覚がする。


 これが、黄金の宝石を飲み込んで受け取った私の力なのだろうか。でも、温かいだけでよくわからない。


「……ひなみ?」

「………………?」


 不意に私の意識が浮上して、まろの声が耳に入る。

 私の名前を呼ぶ声はだんだんと大きくなって、ぱちりと大きく目を見開いて私はベッドから身体を起こした。


「あっ! まろ、ええと、私……」


 そうだ。

 ドラゴンさんにもらった宝石を飲み込んで、そのままベッドへ倒れてしまったのだと思い出す。

 ぺたぺたと自分の身体に触れて、外見的な異常がないことを確かめる。ちらりと鏡へ視線を移して見てみたけれど、問題はない。


 外見が変わっていないことに、ほっとした。


「よかったのである! ひなみは3日間も眠ったままだったのである〜!」

「え、そんなにっ!?」


 まろの言葉に驚いて、私はぱちぱちと目を瞬かせる。

 そんなに眠っているとは思わなかった。


「無事でよかったのである! はいなのである!」

「ありがとう」


 飲むようにと、まろが真紅の回復薬ガーネット・ポーションを私へと渡してくれた。身体に異常はないけれど、数日寝たきりだったのならば飲んだ方がいいだろう。

 コーラの味がする回復薬(ポーション)をちびちびと飲んで、ふうと一息つく。


 満足そうに私を見ているまろに、イクルたちの様子を聞くが、なんら変わりはないという。


「そんなすぐにーっていうのは、難しいのである。今はできることをするのがいいのである」

「うん。そうなんだけど、焦っちゃうよね」


 あははと笑いながら、私はしょんぼりする。


「そういえば、ひなみは強くなったのである?」

「あ」


 まろの言葉に、そうだったと思い返す。

 特に外見は問題ない。つまり、ステータス部分に何らかの変化があったのではないかと思うのだ。


「《ステータス》!」



 〈 楠木ひなみ 〉


 15歳

 Lv. 13


 HP 10000/10000

 MP 635/635


 ATK 38

 DEF 38

 AGI 63

 MAG 106

 LUK 266


 〈スキル〉

 神様の箱庭

 光の狂詩曲(ライト・ラプソディア)

 癒しの如雨露(ポーション・シャワー)

 天使の歌声(サンクチュアリ)

 光魔法 - 小さな加護(リトル・ポーション)


 〈称号〉

 リグリス神の加護

 レティスリールの加護

 光の精霊キラリの加護



「ん、んんんっ?」

「強くなってたである?」


 いったい何が変化したのだろうと考えるまでもなく、一目瞭然だった。


 私のHPは500弱だったのに、とてつもなく増えているのだ!

 それ以外のステータス変化はない。私に一番必要なのは、体力だったということだろうか……? 喜んでいいのかいまいちわからないけれど、きっといいことなのだろう。

 でも、体力が増えても攻撃力とかのステータスは何も上がっていない。これでは、戦闘麺で役立たないというのは今と変わらないような気がするけれど……。


「ええと、HPが増えてるかな?」

「なるほどなのであるっ! ひなみはスタミナがないからちょうどいいのである〜!」

「でも、役に立たないんじゃないかな?」


 スタミナが切れなくなったとしても、足手まといに変わりはないと思うのだ。


「そんなことないのである。ひなみの役目は、戦うことじゃなくて、癒すことなのである。それなら、HPがあった方がいいのであるっ!」


 なるほど。

 付いていけさえすればいいということだろう。確かに、中途半端に強くなって戦闘に参加するよりは、後ろで信じて見ていた方がいいのかもしれない。


「あ」

「まろ?」

魔力回復薬(マナ・ポーション)の在庫がそろそろ切れそうなのである」

「そうなの? それなら、作らないとだね」


 思い出したように言うまろに苦笑しつつ、いつのまにそんなに売れたんだと驚く。

 確かに、ダンジョンにある2号店と、アルフレッドさんへも定期的に大量販売をしている。在庫が減り続けていたのは知っていたけれど、まさかそれが全部なくなりそうだとは。

 とはいえ、しばらくは持つらしいので、作るのは明日だ。さすがに、寝起きの今日ではちょっと辛い。


「2号店も売り上げが順調って言ってたのである」

「本当? よかった。そんなにお客様がくるような場所にもないから、心配だったんだ」


 3人の妖精に任せっきりになってしまっているけれど、一生懸命働いてくれている。今度、甘いお菓子の差し入れを持っていってあげよう。


「そういえば、レティスリール様は?」

「……うぅーん」


 私が問いかければ、まろが困った顔をして眉を下げる。

 レティスリール様に、何かあったのだろうか? 女神なのだから、そうそう危ないことは起きていないと思うのだけれど、心配になる。


「お店にいるのである」

「うん? なら、別に問題ないっていうことじゃないの?」


 それなのに、どうしてまろはこんなに困っているのだろうか。


「……お客さんが、いっぱいなのである」

「え?」

「女神様だーって、毎日たくさんの人がくるのである。回復薬(ポーション)が売り切れても人は途絶えないから、大変なのであるっ!」

「うそぉ……っ!?」


 まさかそんなことになっているとは思わなかった!

 けれど、確かにアグディスでもレティスリール様はたくさんの人に崇められていたということを思い出した。


 そういえば、以前あったことのあるマーリーさんという方は、とてもレティスリール様に会いたいと言っていた。もしかしたら、連日お店に来ているかもしれない。


「まろ、すぐお店に行こう!」

「わかったのである!」


 今日の分はもう売り切れたということをまろに教えてもらって、私は人で溢れかえっている自分のお店へと急ぐことにした。

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