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箱庭の薬術師  作者: ぷにちゃん
第4章 初代勇者の英雄奇譚
118/175

10. にぎやかな日

 さて。どうしてこうなったのか……私もいまいち状況を把握できておりません。

 とりあえず、家を増築しましたとだけ言っておきましょうか。



 なぜって?

 もちろん、サリナさんが突撃してきて一緒に住むことになったからですよ……!!



「まろだよ、改めてよろしくなのである!」

「サリナです。ひなみちゃんの勇者です! よろしくお願いします!」

「ちょ、やめてー!」



 私の勇者って何!? やめて、どんどん話を大きくしないでくださいああぁぁぁ! 全力で首を振って否定をするけれど、にっこり笑顔のサリナさんは顔に「何言ってるのひなみちゃんってば」と書いてある。

 まろとは、どうやらお店で少しだけ面識があるようだ。まるっきりの初対面よりはいいのだけれど、しかし3人で生活ってどうすればいいのだろうか。

 このリグ様にもらった大切な家は、わりと秘密が多い。一番知られてはいけないのは、街と繋がっている箱庭の扉。薬草栽培に関しては、今後広まるから問題ないとは思うけれど。



 まろとサリナさんがきゃっきゃ雑談しているのを見るのは、なんだか和みます。あ、そうか……2人ともうさぎ属性? だから、何か通ずるところがあるのかもしれない。



 サリナさんの部屋を作って増築。さらに屋上も1段階増築して、地下室も増築しました。加えて、何かあってもいいように客室を2室用意。そのため、きりかぶの家は3階部分も増築された。

 屋上はなぜか1階増え、木のはしごで登れるスペースができた。そこには望遠鏡も設置されていて、森や街まで見ることができた。

 地下室もさらに1階増え、地下2階ができた。ただ広く、本当に倉庫というスペースです。



【鉢植え:小】 1

【鉢植え:中】 10

【鉢植え:大】 20

【野菜の種セット】 10

【果物の種セット】 10

【ハーブの種セット】 10

【小麦の種】 50

【稲の種】 100

【レンガ:1個】 5

【噴水 - バージョンアップ】 2,000

【テラス席セット】 3,000

【瓶:100個】 3

【部屋】 50

【お風呂 - 増築】 10,000

部屋ひなみ - 増築】 2,000

部屋イクル - 増築】 2,000

部屋まろ - 増築】 2,000

 New!【部屋サリナ - 増築】 2,000

 New!【屋上 - 増築】 30,000

 New!【地下室 - 増築】 1,000,000

【調合室 - 増築】 15,000

【箱庭の扉 - 増築】 300,000

【無詠唱】 50,000

【文通:1往復】 300,000


部屋サリナ】 =50ポイント使用

部屋サリナ - 増築】 =1000ポイント使用

部屋ひまわり】 =50ポイント使用

部屋アネモネ】 =50ポイント使用

【屋上 - 増築】 =10000ポイント使用

【地下室 - 増築】 =30000ポイント使用


【合計:41150ポイント使用】


【所持ポイント:999,253,602】



 地下2階:倉庫

 地下1階:倉庫

 1階:リビング・キッチン・お風呂・トイレ

 2階:調合室・客室ひまわり客室アネモネ

 3階:各自の部屋

 屋上:ハーブ栽培・洗濯干し・望遠鏡スペース



「ひなみちゃん。部屋まで用意してもらっちゃって、ありがとう」

「いいえ、それくらい。というか、本当にうちに住むのでいいんですか? 私はすごい人でもなんでもないんですよ?」

「そんなことないよー」



 私が再度、サリナさんに伝えるけれどまったく聞き耳をもたない。きっといつか、本当の勇者としての使命がわかる時がくるはず。

 しかし現状、何も解決策がないのであれば、女3人ルームシェアも楽しいかなぁと思っている私もいる。



「まぁまぁ、いいのである! それに、イクルがいないからサリナがいると心強いよ!」

「そう! まかせてね、ひなみちゃん! それに、私は家を持たずにずーっと冒険してたから……こういうところ、少し憧れちゃうんだ」



 えへへと嬉しそうに笑うサリナさんを見てしまえば、私に駄目と言えるはずもなく。こうして私たちは、3人で生活をしていくという流れになった。

 そういえば、サリナさんは料理できるといいなぁ……最近は、まろの料理が壊滅的なので私担当なのです。



 あれ? そういえば、私とイクルがアグディスに行ってたときは大丈夫だったのかな……。







 ◇ ◇ ◇



「……あれ?」

『どうしたの? ひな』

「ふわあぁぁっ!? っと、リグ様!」



 び、びっくりしました……! 私の呟いた何気ない言葉に、何気なく返ってきたナチュラルな返事。いつもいきなりで、私はどきどきしてしまう。心臓に、悪いです……。

 私の右手小指にはまっている、ピンクゴールドのピンキーリング。正式名称は加護の花リング。月が出ている、つまり夜の間にリグ様と会話ができる。



 お風呂に入り、少しだけ倉庫整理をして寝ようかなと思っていた。が、せっかく増築をしたのだしと……地下2階にできた新しい倉庫を見ていた私は、一番奥に扉があることに気付いた。なんだろうと、首を傾げたところでリグ様の声が聞こえたのです。



「ええと、倉庫の奥に扉があって?」



 私の視線の先は、レンガで縁取られた木の丸みがかった扉。増築したときに、ちらっと見たけれど気付かなかった。いったい何の扉だろうとリグ様に問いかければ、『もう1段階増築するとわかるよ』と。

 その言葉になるほどと思い……ポイントの高さを思い返す。100万ポイントを消費するなんて、どれだけ次の増築はハイスペックなんだと。でも、少し楽しそうな声色のリグ様を考えると気になってしまう。



『この家も、だいぶ賑やかになった』

「そうですね。イクルは旅に出てしまったけれど、今日からはサリナさんもいますし。まろはいつも賑やかですからね」

『うん。それに……ひなも、強くなったね』

「え……?」



 私が笑いながらまろを思い返せば、優しいリグ様の声が頭を撫でる。

 強く、なれたのかなぁ? 正直、レベルはあまり上がっているとは言えない。でも、新しいスキルを1つ覚えることができたから、そこは少し自分を褒めたいかもしれない。



『ひなはもっと喜んでもいいんだよ? スキルの取得は、そう簡単にできない。希少であれば、あるほどにね』

「うーん、なんていうか、周りがすごい人ばかりだからですかね。私なんて、まだまだだって思っちゃいます」

『あぁ、確かにね。勇者パーティーは、この〈レティスリール〉では最強だろう』



 頷くようなリグ様の言葉に、やっぱりサリナさんやアルフレッドさんは強いんだと思う。あとは、治癒術師のサイネさんという方がいたはず。

 本当は教会で会うはずだったけれど、タイミングが合わなくて無理だった。アルフレッドさんが、今度紹介すると言ってくれたので密かに楽しみにしています。なんといっても、私と同じ回復カテゴリー! 仲良くなれるような気がします。たぶん。

 私がうんうんと1人納得しながら頷いていれば、リグ様が楽しそうに笑う。



『花ちゃんのアドバイス、上手くいってよかったね』

「はい! というか、リグ様がそんなに花と頻繁に会っていたなんて知らなかったです……羨ましいです」

『あぁ、ごめんね。あまり話題に出すと、ひなが寂しがるかと思って』



 どうやら気遣ってもらっていたと思いつつ、私は自分の無意識にでた言葉にはっとする。いやいや、羨ましいなんてそんな。私はそう思えるような立場ではないのに。

 ふるふると首を振っていれば、心配そうなリグ様の声。「なんでもないです」と笑えば、『あまり悩まないでね』と、お見通しですと言われているように感じた。



『でも……』

「?」

『僕だって、ひなに会えないからね。レティスリールの人に嫉妬しちゃうよ?』

「んなぁっ! な、なに言ってるんですかリグ様!」



 くすくすと笑う声に、とても恥ずかしくなった。リグ様は、どうしてこんなにも恥ずかしいことをすらすらと言ってのけるのだろうか。イケメンさんだからでしょうか。

 赤くなった頬を押さえていれば、リグ様から『今日はもう休んだほうがいいよ』と促される。まぁ確かに、ここ数日はハードな日々でした。

 そうしようと地下室から出て自分の部屋に向かおうとすれば、なにやら庭から声が聞こえた。動物も寝ているはずだし、はてと首をかしげる。



「なんでしょう……?」

『こんな夜更けにやってくるなんて、とんだお客様だね。でてあげるといいよ』

「あ、はい」



 やれやれと、そう感じているのかと思ったけれど……リグ様の声色はなんだか楽しそうだった。頭に疑問符を乗せつつ、玄関を開ければロロが庭でぴょんぴょん跳ねて『すごいぽ!』と、はしゃいでいた。



「え?」

『どうやら、道に迷ってしまったみたいだね。ひなの友達でしょう?』



 こくこくと頷いて、迷子になったらしいロロを見る。しかし、楽しそうなその姿は別段に困ってはいなさそうだった。

 けれど、リグ様が迷子といったのだから、ロロは本当に迷子なんだろう。家には妹もいるし、帰らないとおそらく心配をかけてしまうはずだ。



『僕はいいから、助けてあげて。また、明日の夜に……おやすみ、ひな』

「おやすみなさい、リグ様」



 優しい声が、夜の挨拶と約束を告げてくれる。リグ様の気配は段々と小さくなって、完全に会話が終わったことを知る。

 明日の夜に、と。約束をするなんてことがなかなかないので、なんだか少し緊張して体が震えてしまう。

 っと! いけない、今はロロが先決だった。



「ロロー!」

『はっ! ひなみ!? こんなところで何をしてるぽ!?』

「いやいや、ここは私の家だよ」

『そうだったのかぽ! 森で修行してたら迷子になって、ここに辿りついたのぽ』



 やはりロロは本当に迷子だった。

 イクルから話を聞いたりして、ロロは少し前から修行を始めていた。レベルがどれくらいなのかはしらないけれど、イクル曰くそこそこらしい。



「ひなみちゃん、どうしたのー?」

「あ、サリナさん。起こしちゃいました?」

「うぅん、大丈夫。って、スライム?」

『はじめまして、ロロステッドというぽ。ロロってよんでぽ』

「私はサリナ、よろしくね!」



 すぐに意気投合してしまった2人にすごいなぁと思いつつ、ロロを家へと招き入れる。そのときは庭にでず、室内だけだったので私の家だと気付かなかったのだろう。

 ロロが私の家にくるのは、実は2回目なのです。〈アグディス〉からここへ帰ってくるときに、箱庭の扉を増設した。実はその扉を……ロロのおばあちゃんの家に設置させてもらった。

 なので、ロロとロロのおばあちゃんには箱庭の扉について話をしてある。また今度遊びに行く約束はしているので、そのときにゆっくり話せたらいいなと思うのです。



『ひなみの家は、すごい庭だったのぽ! 草もふわふわだったぽ~!』

「そうなんだよね! ひなみちゃんの庭って、草がやわらかくて、ついつい寝転んじゃうんだよね」



 サリナさんがテンション高く「わかるよロロくん!」と、熱く語っている。もしかしたら、そのうち庭で昼寝をしだすかもしれない。サリナさん用のブランケットを用意しておこうと私はそっと胸に誓う。



「って、そうだ。ロロ、すぐに帰る? モモちゃんが心配してるんじゃない?」

『モモは、友達の家に泊まりにいってるぽ。明日の夕方まで帰ってこないから、ちょっと遠出をして修業していたのぽ~!』

「おぉ! 修行とは感心だね、ロロくん!」



 モモちゃんが1人ではないようなので、少し安心した。とりあえずお茶を用意して、ロロにどうするのかを尋ねる。泊まってもらってもいいし、まだ修行を続行するのであれば無理に引き止めるのもあまりよくないだろう。



『泊まってもいいなら、お願いしたいぽ!』

「うん。2階に客室があるから、ゆっくりしていって」

『ありがとうぽ~!』



 どうやら泊まっていくようで、少しほっとする。修行といえど、夜の森でっていうのは怖い。明るい時間になったなら、まだなんとなく精神的に安定できるような気がする。



「ようし、ロロくん! ご飯を食べよう~! ちょっとお腹すいちゃった!」

『食べるぽ~!』



 サリナさん、さっき夕飯食べたのに。もしかして、足りなかったのかなぁ? 確かにまろは小さいし、私もそんなに食べるほうではない。

 明日はもう少し多めに用意しようと考えて、きゃっきゃしながらサリナさんとロロが畑へ野菜を採りに行くのを見送る。

 ……うん。今夜はにぎやかになりそうです。

実はMノベルスさんのホームページで、書影がこそっと公開されております!

とても可愛い表紙なので、ぜひご覧いただければと!


※追記:9/27

すみません、本編でお風呂増築になってますが私のミスです。

お風呂は増築しておりません、修正しましたー;

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