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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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086 おじさん国王陛下に呼びだされる

 おじさんの言葉を聞いた男性講師は、肩を落としながら考えた。

 とりあえず国王陛下への謁見は問題ないだろう、と。

 それよりも面倒臭そうなのが学園長である。

 

 ただでさえ上級ダンジョンを攻略させろと言っていたのだ。

 今回の結果を知れば、また何を言いだすのかわからない。

 先行きのことを考えると、つい重い息が口から漏れてしまう。

 

「どうしたもんかねー」


 そんな男性講師の思考の陰で、おじさんは小鳥の式神を飛ばしていた。

 行き先はもちろん王宮である。

 とりあえず父親に知らせることにしたのだ。

 建国王の残滓という存在を。

 

「リー様! リー様はどう思われます?」


 アルベルタ嬢がおじさんを見ている。

 その横ではパトリーシア嬢と聖女も視線をむけていた。

 

「ごめんなさい。聞いていませんでしたの」


「エーリカってば、私のことを太ったって言うんですのよ!」


「いや、食べる量が多いよねって言っただけじゃん」


「また言いましたわ!」


 アルベルタ嬢が涙目で“きぃぃ”となっている。


「さっきだってパティの……」


“ぎゃあぎゃあ”と聖女とアルベルタ嬢が言い合いを始める。


 おじさんからすれば、そんなものではと思うのだ。

 なにせ十四歳という成長期である。

 食べても食べてもお腹はすくものだ。

 

 ただまぁお年頃の御令嬢に指摘するのは野暮かもしれない。

 そうは思うが、じゃれ合いをしたいのかなとも思うのだ。

 

 なので二人の微笑ましい言い合いを見て、なんだかホッコリとする。

 そんなおじさんの袖を引く者がいた。

 パトリーシア嬢である。

 

「お姉さま、もう帰りませんか?」


 パトリーシア嬢の提案に頷くおじさんであった。


「そうね、そうしましょうか」


「ちょっと、そこ! 抜け駆けしない!」


 アルベルタ嬢と聖女が今度はタッグを組んでいる。

 仲の良い二人であった。

 

 おじさんたち一行は王都までゴーレム馬車を走らせる。

 王都までは一時間もかからない行程なのだが、そこで小鳥の式神が帰ってきた。

“すぐに王宮へ”と伝言付きである。


 やはり偉大なる建国王であった。

 恐ろしく早い返答である。


「リー様?」


 アルベルタ嬢におじさんは微笑んでみせた。

 

「お父様からですわ。火急の用件が出来(しゅったい)したとのことですの」


「では王城へ?」


“ええ”と答えて、おじさんは口を開いた。


「このまま学園まで行きますわ。そこでアリィたちは……」


 おじさんの腰にある通信宝珠がピカピカと光る。

 講師扱いとのことで持たされていたのだ。

 

「ガクエンチョウガオウキュウヘイク」


 恐らく男性講師で話を聞いた学園長が動いたのだろう。

 それを知らせてくれるのはありがたいのだが、なんだかとても厄介なことになりそうな予感がする。

 

 ため息がでそうになるおじさんだったが、なんとか我慢した。

 ここにいる三人に心配をさせたくなかったからだ。

 

「王城かぁ」


 と聖女が口を開いた。

 

「エーリカは何度か陛下に謁見しているんじゃないの?」


「二回あるわね。アリィとパティはあるの?」


「私はまだ謁見したことはありませんわ」


「パティもです!」


「リーはどうなの?」


「わたくしは二回目ですわね」

 

“へぇ”と聖女が感想を漏らす。

 そしてチラリとおじさんを見た。


「何回も王城へ行っているのかと思ってたんだけど」


 それは王太子との関係のことを聞いているのだと、おじさんは判断した。

 

「いえ、まったくですわね。そもそも殿下とお会いしたのも、学園に入学してからですし」


「そうなんですの!」


 なぜか嬉しそうな響きで言うアルベルタ嬢であった。


「あっちからは何も言ってこなかったの?」


“さぁ”とおじさんは首を捻った。


「お父様がなにかしていたのかもしれませんが、わたくしは聞いていませんわね」


「殿下もお忙しかったのではないのです?」


 パトリーシア嬢が言う。

 

「それにしてもねぇ……」


 そんな会話をしながら、おじさんたちは学園に到着したのであった。



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