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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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059 おじさんダンジョンから帰還する



「メーガン先生」


 おじさんが女性講師の腕を引く。

 それでハッとした表情になる女性講師であった。


「つながった区域はありましたの?」


「え? ああ、うん。そっちは大丈夫。手持ちの資料にも書かれてあった場所よ」


「なら帰還しましょうか?」


「そ、そうね。うん、そうしましょう」


 おじさんと女性講師の二人は隠し部屋から出る。

 玉座の後ろにあった石壁が崩れていて、その向こうには古代都市のような区域が広がっていた。


「あの都市の中心に大きな神殿があるの。そこに転移陣が出現しているわ」


「魔物はいますの?」


「手持ちの資料だと、通常種のゴブリンがいるくらいかな」


「なるほど。では先ほどと同じように進みましょう」


 おじさんは式神である小鳥を飛ばし、アンドロメダに自動迎撃をお願いする。


『主、鳥たちからの情報だと……むぅ、アンドロメダがすべて排除したようだ』


 仕事の早い使い魔である。

 おじさんたちは周囲を警戒しつつも、古代都市の中を進んでいく。

 古いデザインの石造りの家がならび、しっかりと道路も舗装されている。

 砕石を使ったマカダム舗装だ。

 

 生物の気配がないからか、どこか寂しいという印象をおじさんはうけた。

 そのまま何事もなく、都市の中心部にある神殿にたどりついた。

 中には入口で見たのと同じ転移陣が設置されている。


「じゃあ帰還するわね」


 おじさんが思っていたダンジョン探索とはちょっとちがっていた。

 それでも満足度が高かったのは、隠し部屋を見つけられたからだ。

 ただ残念なのはエリアボスと戦ってみたかったことくらいである。


 おじさんは戦闘狂ではない。

 むしろ前世の記憶から、争いは苦手な分野だと認識している。

 それでも今生では戦闘訓練もうけていたのだ。

 魔法だけではなく、近接的な戦闘術もである。


 磨いてきた技術がどの程度、実戦で使えるのか。

 今生の世界は前世よりも命が軽い。

 だからこそ自分の身を守るだけではなく、家族のことも考えると戦闘経験を得たかったのである。


 他方で収穫もあった。

 おじさんの作った式神による探索の使い勝手や、使い魔たちの圧倒的な戦闘力を体感できたことである。

 既におじさんが正面きって戦うことはないかもしれない。

 使い魔たちはそれだけの強さを秘めていたからだ。


「戻ってきたわね」


 女性講師の言葉が示すように、おじさんたちは入口にあった転移陣へと無事に帰還できた。


「リーちゃん! 私はちょっと報告してくるから、このお部屋で待っててね」


 “かしこまりました”と首肯して、おじさんは部屋に残った。


 あちこちから興奮したような声が聞こえてくる。

 男女問わずに、皆がダンジョンでの講習が楽しかったのだ。


「ちょっとおおおお! なんでアンタは足を引っぱるのよ!」


 そんな和気あいあいとした雰囲気を壊す聖女の叫び声が響いた。


「だから! お前は後衛のくせしてなんで前にでるんだよ! そのせいでオレたち連携が崩れたの!」


 聖女に反論するのは赤色である。


「連携もなにもなかったでしょ! だから私が前にでて敵を倒したんでしょうが!」


「それってオレたちが役立たずってことかよ!」


「そう言ってるじゃない! いいかげんに理解しなさいよね」


「聖女よ、それは言い過ぎだ」


 犬も食わない聖女と赤色のやりとりに王太子が口をはさむ。


「うるさいわね、黙ってなさいよ!」


 聖女の剣幕に王太子が引くのと同時に、青色が直立不動の姿勢になって叫ぶ。


「ありがとうございます!」


「そこまでー。ほらさっさと転移陣からでろー」


 男性講師は王太子組の指導をしていたのだ。

 そこへ女性講師が帰ってきた。


「パーヴォ! あんた、ちょっとこっちきなさいよ!」


 ぐいと服の首もとを掴んで男性講師を引きずっていく女性講師である。

 十中八九、アクアブルーの瞳をした超絶美少女のことを愚痴っているのだろう。

 そんな様子を見ながら、おじさんは次なるダンジョン講習に思いをはせていた。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 赤色は自称聖女に対して恋愛面で盲目キャラじゃないんですね
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