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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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053 おじさん初級ダンジョンに足を踏みに入れる

本日二話更新の一話目です。

二話目は19時~20時頃に更新予定です。

よろしくお願いいたします。



 アメスベルタ王国内には、現在六つのダンジョンが確認されている。

 この世界においてダンジョンとは神の試練だ。

 強き魔物を戦闘で打ち倒し、設置された謎をとく。

 そうした試練を突破することで、金銀財宝や大いなる力を得られるとされている。


 ちなみにダンジョンには等級がある。

 初級・中級・上級・特級・級外の五つだ。

 難易度別に分けられていて、級外のダンジョンはクリアした者は皆無である。

 一説によると、最後の試練は神に打ち勝つことだとも言われるダンジョンだ。

 アメスベルタ王国内にもひとつあるが、入るためには王からの許可がいる。


 今回、おじさんたちが挑むのは王都郊外にある初級ダンジョンだ。

 初級ダンジョンとは既に攻略済みの等級になる。

 つまり本来のダンジョンは中級以上の難易度なのだ。


 この王都郊外のダンジョンは上級だったと記録に残っている。

 なにせ攻略したのが建国王なのだから。

 上級ダンジョンからは罠や魔物の性質から、上中下の三つのランクがつけられている。

 この初級ダンジョンは上級の中であったと歴史書に書かれているのだ。


 攻略されたダンジョンは難易度が大幅に下がる。

 出てくる魔物は弱く、罠もほとんどない。

 その割には鉱物資源などを産出するのだ。


 このダンジョンにあわせて王都ができていくのだが、それはまた別の話である。

 難易度の下がったダンジョンでおじさんたち学園生は講習をうけるのだ。

 ここで攻略のイロハを学び、上級生になると希望者は王国内のダンジョンに挑んでいく。


「とりあえず最初はあなたが好きに攻略してみなさい。私は口を出さないから」


 ダンジョンの入口に設けられた門をとおると、そこはちょっとした石造りの広場になっていた。

 そこかしこに人の姿が見えるが、やはり探索者っぽい格好の者が多い。

 ただ壁面に近い場所には、ギルドの支店があってダンジョン産の素材買取なども行われていた。

 広場の中心部分には小さめのストーンサークルのようなものが見える。


「覚えてるだろうけど、あのサークルの中に入ると無作為にダンジョンの一階へと転移する仕組みよ。ダンジョンによって同時に入れる人数が決まっていて、ここは最大で七人までね」


 女性講師メーガンの話を聞きながら、おじさんの目はストーンサークルに釘づけであった。

 今、おじさんの目の前で同じ学園生らしき六人組が姿を消す。


「はやく、はやくまいりましょう!」


 おじさんのテンションはもはや天井知らずである。

 “まだまだ子どもね”と女性講師は苦笑しながら、おじさんに誘われてストーンサークルへと足を踏み入れた。


 一瞬の浮遊感のあと、おじさんたちは岩壁に囲まれた場所に転移していた。

 広さは五メートル四方くらいだろうか。

 壁や天井に床がうっすらと発光しているので見えないというほどではない。


 おじさん的には常夜灯くらいの明るさだと思える。

 

 さらに周囲を見渡して、“ダンジョン内にある部屋?”とおじさんが考えた瞬間だった。

 女性講師が激しく舌打ちをした。


「いきなり大当たり!? リーちゃん、構えて。くるわ!」


 そこはいわゆるモンスターハウスであった。

 石畳の上に魔法陣が出現すると、そこから紫色の肌をした小鬼がでてくる。


 それは見るからに醜悪で、生理的な嫌悪感をもたらすモノだった。

 しかもおじさんたちを見て、ぎゃぎゃと耳に優しくない声をあげている。


「は? ゴブリンの上位種?」


 女性講師がとまどうような声をあげた。


「やっておしまいなさい、アンドロメダ!」


 女性講師が言い終わる前に、おじさんの籠手からとんでもない勢いで鎖が射出された。

 

「なんでこんなしょ……」


 初級ダンジョンにと女性講師は続けられなかった。

 なぜならおじさんの言葉とともに、紫色のゴブリンたちが悲惨なことになっていたからである。

 ちょっとした虐殺現場に立ち会わせて、声がでなかったのだ。


 そして大きく息をはいて、心を整える女性講師であった。


 今も鎖はダンジョンの床で蜷局(とぐろ)をまくように待機している。

 まだ魔法陣が消えていないからだ。

 追加で召喚されてくる紫色のゴブリンたちは、姿を見せた瞬間に無残なことになる。

 

 ここまでくるとさすがに魔物の方が気の毒にも思える女性講師であった。

 


誤字報告ありがとうございます。

修正しました。

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