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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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045 おじさん念願のもふもふを手に入れる


 おじさんはおもむろに右腕を伸ばした。

 その先にあるのは調子にのった万象ノ文殿ヘブンズ・ライブラリーである。


「やっておしまいなさい、アンドロメダ! 絶対不滅の神鎖アブソリュート・エターナル・レガリアッ!」


 おじさんの愛らしい唇から漏れた言葉に反応して、鎖が音を置き去りにするような速度で襲いかかった。

 “むお?”と万象ノ文殿ヘブンズ・ライブラリーの低い声が響く。


『ちょ主よ、これは洒落にならん!』


 表紙にある宝石がぴこんぴこんと明滅を繰りかえしている。


「ちょっとしたお茶目ですわ」


 その言葉とともに締めあげていた鎖がほどかれて、しゅるしゅるとおじさんのもとに戻っていく。


『お茶目ですむか! また封印されるかと思ったぞ!』


 おじさんの目が細められる。

 そして物騒な言葉が発せられた。


「……やりますの?」


『調子にのってすみませんでしたー』


「わかればいいのです。わかれば」


 万象ノ文殿ヘブンズ・ライブラリーは語った。

 召喚魔法とはどのようなものかを。

 曰く使い魔の上限は魔力に由来するとのことだ。

 

 刻印召喚陣での召喚は確かに生涯に一度きりである。

 だから一人につき一体という誤解が生まれたのだろう、と。

 また使い魔が必要とする魔力はかなり多い。


 低級の使い魔ですらそうなのだ。

 だから仮に二体目と契約するとしても、かなり難しいとのことである。

 

 一方でおじさんの魔力はほぼ上限がない。

 つまり使い魔と契約し放題ということになる。

 

 もちろんそんなことを大っぴらにはできない。

 なので錬成魔法で作った擬似的な召喚魔法ということにしておくのだ。

 そのために万象ノ文殿ヘブンズ・ライブラリーは、わざわざその方法が書かれたページを開いたとのことである。


 お調子者だが、なかなかできる使い魔であるのだ。


「仕組みはわかりましたわ。では念願のもふもふを喚ぶのです」


【使い魔・召喚】


 おじさんの足下には輝く魔法陣がふたつあった。

 なぜ? と疑問に思ったところで、おじさんの目にもふもふが目に入る。


『ケット・シーなのだ!』


 手に杖を持った二足歩行の猫である。

 頭にちょこんとのせたシルクハットをとって腰を折って挨拶をしてくれた。

 シルクハットにある羽根飾りが、キラキラと輝いている。


 全体的にはラグドールに似ているだろうか。

 長毛種でふわっふわしている。

 体毛はミルク色で、手首足首から先だけが黒い。

 早くもおじさんの手がわきわきと蠢いていた。


『わふん』


『クー・シーと言ってるのだ!』


 クー・シーは犬である。

 ただ、デカい。

 おじさんの感覚でいえば、体高も含めて軽トラくらいの大きさがある。

 体高が二メートル程度、尻尾を入れて三メートル強といったところだ。


 こちらは緑がかった艶のある黒色の体毛をしている。

 グレート・ピレニーズのような、優しい顔をしているからか、大きさの割には怖くない。

 もっふもっふである。


「もふ……もふ」


 よろよろと近づいておじさんはクー・シーに抱きついた。

 やわらくて温かい。

 もふっとした感触がただただ心地良かった。

 

 そして妖精だからか、動物臭がないのだ。

 むしろ森の中にいるようないい香りがする。

 なので思いきり息を吸いこんでも噎せない。 


「猫ちゃんもこちらにおいでなさいな」


 と言いつつ、サッと手を伸ばしておじさんは胸に抱く。


『にゃ!』


「ああ! 幸せですわー!」


 おじさんの魂の叫びであった。


 もふる。

 もふれば。

 もふるとき。


 よくわからない興奮状態でおじさんは愛でたのである。


『主よ、先に契約をすませてしまう方がいい』


 “それもそうですわね”とおじさんは正気に返った。

 

 既にケット・シーは腕の中でぐったりとして痙攣している。

 しかしその表情は幸福に満ちているものであった。


「魔力をお渡ししますから、契約しましょう!」


 こんこんと湧きでる泉のような魔力に、ケット・シーとクー・シーがビクビクと身体を震わせる。


『御主人さま、すっごい気持ちいいけど、もうちょっと手加減してほしいのだ』


『わふふふん』


『クー・シーはもっとしてほしいって言ってるのだ』


 おじさんはてへぺろでごまかしたのであった。





人生で初となる列車トラブルに巻きこまれました。

いつも通りに更新予定がこの時間に。

申し訳ないです。

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