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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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022 おじさん義を見てなさざるは勇なきなり

本日二話更新の二話目です


 遠大なる死毒(グランド・フィーバー)とは邪神の呪毒薬とも言われるものだ。

 その由来は呪殺の邪神ゾユに万を超える生贄を捧げることで得られる毒だからである。

 この毒に侵されるとじっくりと苦しんで死に近づいていく。

 そしてタチが悪いのは死ぬと、アンデッドとして復活することにある。


「まさか……」


 宰相が絶句して立ち尽くしてしまう。


「叔母上……それは神遺物(アーティファクト)ではないのか?」


 祖母が王に目を向けて言う。


神遺物(アーティファクト)だろうが、なんだろうが現実に使われているんだよ」


「治療はできるのか?」


 祖母が首を横に振ったところで、おじさんが手をあげる。


「伯父様、わたくしが治療いたしますわ!」


 義を見てなさざるは勇なきなり。

 昔どこかの偉い人がいった言葉である。

 おじさんにはチートがある。

 その力はこんなときのために使うのだと確信していたのだ。


「リー!」


 祖父母が声をあげた。

 王と宰相もおじさんを見る。


「できるのか?」


 国王の問いにおじさんは真っ直ぐに目を見て頷く。


「お祖父様、お祖母様、かまいませんか?」


 おじさんは祖父母を順に見る。


「覚悟を決めたんだね?」


 祖母が問う。


「リー……」


 祖父は少しだけ悲しそうな顔をしている。


 カラセベド公爵家としては、できればおじさんの力は隠しておきたかったのだ。

 それくらい隔絶したものがあるのだから。

 おじさんは文字どおりの意味で、何でもできちゃう系女子である。

 だからといって、そこに甘えてばかりではダメなのだ。

 なぜならおじさんはまだ子どもなのだから。


 しかしおじさんに頼るしかない場面もあるだろうと、祖父母は考えていた。

 そのときは自分たちが盾になって、おじさんを守ろうとも思っていたのである。

 だがおじさんは自ら、その力を披露することにした。


 それは王妃が母の姉であるということも大きく影響している。

 ただそれよりも家族を救いたいと願う王や宰相の手前、自分の力を隠しとおせるほどおじさんは強かではなかったのだ。


「お祖父様、お祖母様、申し訳ありません。ですがわたくしは見て見ぬふりはできませんわ」


「アンディ! ロムルス! この部屋でこれから起こることは他言無用ぞ!」


 祖父が声を張り上げた。

 覇気をまとったその声に、国王と宰相の背筋が伸びる。


「もし話が漏れたのなら、うちが敵に回ると思うんだね」


 威圧的な魔力を展開しながら祖母が問う。


「アンスヘルム=エウフェミオ・ヘリアンツス・リーセは我が祖、建国王に誓って一切外には漏らさぬと約束しよう」


「同じくロムルス=ブルスマ・ピタルーガ=ラケーリヌも建国王に誓います」


 二人が揃って頭を下げる。


「リー、あとは任せるよ」


 祖母の言葉におじさんが頷いた。


「伯父様、最初に言っておかなければならないことがありますの」


 “うむ”と国王が首肯する。


「十中八九、王妃様を治療することはできます。ですが症状が進行していますので、すぐに完治とはまいりませんわ」


 そこまで話して、おじさんは確認をとった。

 宰相と国王は視線で続きを促す。


「そこでご用意してほしいものがありますの。上級薬草と魔力草、月光蝶の鱗粉、赤石蛇(アグフォル)の肝臓が欲しいですわ。ゾルマの果実とウーダの葉もあれば完璧ですの」


「すぐに確認をとらせよう」


 国王が言葉を言い終わらないうちに宰相が駆けだして寝室を飛び出していく。


「お願いいたしますわ」


 おじさんがぺこりと頭を下げた。

 その後に王妃のもとへと行き、おでこに手を当てる。


 近くで王妃の姿を見たおじさんは、“お辛かったでしょう”と漏らした。

 そして大きく息を吸って気合いを入れる。


「いきますわ!」


 おじさんが声を発するのと同時にまばゆい光が室内を満たした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 結婚を求めていないのなら、治療を対価に婚約解消を求めたらいいのにと思う。
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