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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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018 おじさんのやらかしは家族にも好評を博す


「リーちゃん、簡易拠点と露天風呂と言ったわよね?」


 くわと目を見開いておじさんの肩を掴んでくる母である。

 その後ろで祖母がなぜか頷いていた。


「気になるわー。ママとっても気になってきたわー」


 歌うように節をつけて言う母親のテンションが怖い。

 おじさんは少しだけ表情を引き攣らせた。


「ではそちらもお披露目しましょうか。裏庭へまいりましょう」


 おじさんの言葉に家族全員がついてくる。

 侍女たちもどことなく頬を緩ませていた。


 王都にある公爵家の敷地は広い。

 贅沢なスペースの使い方をしているのだ。

 おじさんは裏庭の空いているスペースにログハウスをだす。

 ついでに露天風呂もだ。


「きゃーーーーー!」


 石造りの王都では見かけない木製のログハウスを見た妹が興奮のあまり叫んだ。

 両手をあげてログハウス目がけて走りだす。

 それを見た弟も負けじと駆けだした。


 ログハウスの屋根は赤く塗装されていて雰囲気が柔らかい。

 そこに妹は惹かれたのだろうと、おじさんは独りごちる。


「かわいいーーーーー!」


 母も走り出してしまった。


「ヴェロニカ!?」


 父が母の姿を見て驚いていたが、すぐに後を追う。


「お祖父様とお祖母様もまいりましょうか」


 おじさんは若干だが自分がやらかしたことに気づいてしまった。


「リー、自重しようなんて思っちゃダメよ」


 は?

 聞きまちがえたかと祖母の顔を見るおじさんである。


「いつだって時代を進めるのは、あなたたち若い人の新しい発想よ」


「そうじゃ、その力を自ら制限するのは大いなる罪ぞ」


 祖母がおじさんの頭をなでる。


「私たちがいくらでも面倒を見てあげるから、あなたは好きになさい」


「ハリエットの言うとおりじゃ。公爵家の力なんぞこういうときのために使うもんじゃからの」


 “がはは”と豪快に笑う祖父と静かな笑みを見せる祖母。

 二人の姿を見て、おじさんは大きく頷いた。

 この家に転生してきてよかった、と何度思ったことだろうか。


 転生前には女神に対してごねまくった。

 人生に幸せなことが起きることを知らなかったから。

 でもおじさんは知ってしまったのだ。

 この新しい世界における家族が教えてくれた。

 

 ほろり、と頬を冷たいものが伝う。

 

「ありがとう……ありがとう……」


 ぎゅうとおじさんを抱きしめる祖母である。

 そして祖母ごと抱きしめる祖父であった。


「ほら、行くわよ」


 手を引かれて歩く。

 妹と弟が大好きな姉を見て駆け寄ってくる。

 父と母がこちらを見て微笑んでいた。


 テンションが爆発した妹と弟をつれてログハウスに入る。

 その豪華な家具や調度品類に公爵家の面々も驚く。

 なにせすべておじさんのお手製なのだ。

 前世の記憶にある高級な家具を再現したものに興味津々である。

 おじさんは仕事の都合で様々なカタログを扱っていたのだ。

 

「おかあさま、ここでおとまりしましょう! ね? いいでしょう?」


 妹がおねだりをはじめる。

 困った母がおじさんに目をやった。


「ソニア、お姉ちゃんに聞いてみなさい」


 妹が満面の笑みでくるりと振りかえる。


「では今日はこちらでお泊まりしましょう」


 その言葉に妹が奇声をあげる。

 おじさんが侍女たちを見ると、なぜかサムズアップしていた。




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[良い点] 笑いの絶えない公爵家
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