三十話 幸福な時間 完
最終話!!!!!(●´ω`●)
セシリアは勇気を振り絞る。おそらく彼女にとっては一世一代の勇気である。
「わ、私は、シックス様のことを……」
顔は真っ赤に染まり、体には力が入っている。
「お、お、お慕いしております」
そしてぷしゅ~という音がしそうなほどに、尻すぼみになりながらも、セシリアはそう言い切った。
その瞬間、シックスも顔を真っ赤に赤らめ、そしてセシリアを抱きしめた。
この瞬間、二人は気づいていないが、侍女や執事や騎士たちからはエアー拍手喝采が送られ、皆がハイタッチや笑顔でうぇーいと盛り上がっている。
そんな中、二人は二人だけの世界に浸っていた。
「うれしいです」
「こ、こちらこそ、うれしいです」
シックスはぎゅうぎゅうとセシリアを抱きしめる。
本当に二人きりならば、シックスとしてはもう少しいちゃこらとしたいところではあった。しかし、シックスはさりげなく流し目で盛り上がる者たちに視線を送り、心の中でため息をついた。
そして思うのだ。
結婚式が待ち遠しいと。
その願いは、その日からしばらくたってすぐに叶う。
王城内に設置されている教会にて、シックスとセシリアは真実の愛を誓いあう。
「シックス様、これからもよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
二人は教会での式を終えたのちに、街の人々にその姿を見せる。
民衆からは拍手喝采が巻き起こり、皆が二人の結婚を祝福した。
空は青く晴れ渡り、この国の未来に光をもたらすようであった。
皆が喜びの声をあげる。
「シックス王太子殿下とセシリア王太子妃ばんざーい!」
「ばんざーい!」
「いやぁ、シックス王太子殿下とセシリア王太子妃はお似合いだなぁ」
「本当にねぇ」
「ねぇ、ママ? ヒューバート王子はどうなったの?」
「あらあら、しー。だめよ。その話は内緒なの」
「そうなの?」
「そうよ~。例のあの人は、悪いことをしたから、遠い氷の大地に送られたのよぉ」
「へぇ。悪いことをしたら氷の大地に送れるんだねぇ」
「そうだぞ。ぼうや。それに、欲張りばかりしていると悪女のように全てを失うのさ」
「わかった! 僕、悪いことはしないし、欲張りにもならないよ!」
「ははは!」
「そうよ~。ふふふ」
二人のことを祝福するそんな拍手の間にも、例の二人はディスられる。
人間、まっとうに生きるのが一番の幸せへの近道であると、街の人々は二人を祝福しながら、そう子どもたちに教え、語り継いでいくのであった。
最後までお付き合いくださった皆様に感謝です。皆様とこうやって小説を通して繋がれたこと、嬉しく思いました。たくさんの感想もありがとうございます。豆腐メンタルの作者で、いつも感想を開く時はガクブルしながらぽちっておりました。優しい皆様に感謝です(●´ω`●)
最後に、今後のやる気にもつながりますので、良ければ評価をつけていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします(*´▽`*)





