第二十二話 エルフの国の名前が微妙に長くて覚えづらい
1 ヶ 月 半 ぶ り
正直本当に申し訳ないと思っています。
とりあえず日計100位目指します。皆様のご協力が必要です。盛り上げて。
ルフェルとサシルとのいざこざがあって気にしてすらいなかったが、先程からずっと開きっぱなしだったエルフの世界を繋ぐ次元の穴の前に立つ。
「再三確認いたしますが……これから貴女方が見ること、聞くこと全ては、他言無用でお願い致します。加えて、エルフに一切の危害を加えない。それが入国の条件です」
コートを着て、フードを被った俺とサシルが頷く。俺が子供体型だと信じていなかったが故に持ってきていた大人用のコートを、サシルが着ている形だ。『ちょうどよかったと思いたくない』とはルフェル談。
「それでは……どうぞ」
エリザとルフェルに続き、俺達は空間を繋ぐ穴を潜り抜ける。
「おぉ」
「へえ……」
「そうですね。改めまして、ようこそ我々エルフの国――――シュアルヴォルツへ」
ルフェルが改めて挨拶する。
エルフの国に名前があるという新事実を他所に、俺とサシルは光景に目を奪われる。
広がるは、先程までの鬱蒼とした雰囲気とは違い、どこか透き通るような、光溢れる森林。自然の美しさというものが完全に再現されたかのような光景だ。
「これからご案内するのは、我々が住まう村です。ひとまず歩きましょうか」
ルフェルが先導し、俺たちが追随する。エリザは、俺の隣で歩くようだ。
「そういやエリザ、ルフェルさんとはどんな関係なんだ?」
「えっとね、オツケメヤク? らしいんだけど、私のお姉ちゃんみたいな感じだよ!」
「オツケメヤク……?」
あ、お目付け役、か。ひょっとしてエリザって、やんごとねえ立場のエルフなのか? さっきもエリザがルフェルを止めていたし、お偉いさんの娘だったりするのかね。
「それにしても、エルフって異界の住人だったのね。初めて知ったわ」
「いえ、違います」
サシルの呟きを、先導するルフェルが否定する。
「我々エルフも元々は、あなたたちと同じ世界に住んでいたと聞きます。遠い昔に、巨大な空間魔法を用いて移住したのが始まりです」
「ふうん……そりゃまた何故」
「……っ、人間が我々エルフを差別してきたからでしょう」
なるほど、元々人間と同じ世界に住んでいたが、異界に移住した。それは分かる。だが、問題はその理由だ。
「人間がエルフを差別してる?」
そう呟く俺と同様に、サシルも怪訝そうな顔をしている。
はっきり言って、エルフは空想上の種族と言っていいほど物珍しい、という印象しかない。差別的に見ているなんて話、聞いたこともないんだが……?
「そうでしょう。現にエリザを奴隷として扱おうとしていたじゃないですか」
「いや、まあ、あれはね……」
ルフェルが怒気を含んだ言葉を返す。
エルフ狩りは頭が溶けているような連中しかやらないし……擁護するわけではないが、そいつらだって閉鎖的な種族の希少性に目をつけたのであって、別にエルフを下に見ているわけではないだろう。
奴等は他種族だろうが同じ人間であろうが、金になるなら拐うような手合いだ。
あまりにも心当たりがないという俺とサシルの反応に、流石のルフェルも少し自信を喪失したようだ。
「え……? いやしかし、そういうものだと教えられ……」
「ねえルフェルさん。貴女、人間の世界に来たことはあったのかしら?」
「え? いや、此度が初めてです……人間の世界と行き来することなど、国内全域でも滅多にあることではないですし……」
……へえ。
人間がエルフを差別しているという誤った事実を教えられた挙げ句、たまたま人間の世界にやってきたエルフに、たまたまエルフの出現情報を聞き付けたエルフ狩りが鉢合わせる、ねえ。
「……どう思う」
「怪しすぎる、かしら」
「だよなあ」
小声で背後にいるサシルに聞くと、だいたい俺と同じ意見が返ってくる。
すると、今まで意味が分からんと言わんばかりに会話に参加しなかったエリザが、口を開く。
「そろそろだよ!」
歩いた時間は数分ほどだろうか。俺は未だに見えてこないが、サシルは僅かに見えるらしく、興味深そうなリアクションを取っている。チクショウ、長身がッ……!
●
案内されたのは、村と呼ぶべき規模の集落。その中の一軒の家に案内された。
別に小さい家と言うわけでもないのだが……俺の中にある『エリザ、やんごとなき立場説』と照らし合わせるとやや寂れてないかと思うくらいには普通の家だった。
「特に何もない家ですが……どうぞ」
ルフェルにリビングに通され、そこにあった椅子に適当に座り、支給されたコートのフードを取る。
エリザはというと、わざわざ椅子を動かして俺とサシルの間に席をセッティングしていた。懐かれすぎじゃね?
ルフェルがキッチンから人数分のコップとお茶菓子(のような何か。多分エルフ文化特有の食べ物)を持ってきて、テーブルに並べる。お、コップの中身ピュッチャジュースじゃん。ここでもかよ。
「さて……エリザを助けていただいたお礼の件なのですが」
テーブルの向かいの椅子に腰かけたルフェルが言う。まあ正直、エリザが勝手に約束したんだろうなあとは思っていた。
だが、この場合は逆に好都合だ。少々行儀は良くないが、こちらの要望を押し通させてもらおう。
「なら、1つ頼みがあるんだ。聞いてもらっていいか?」
「はい、是非」
俺は、新たなる人生の一歩を踏み出す決意をして、言った。
「俺に、精霊魔法を教えてくれないか?」
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