第十話 俺、再結成
感想を下さい(血涙)
「基本的に冒険者は対魔物の何でも屋みたいなものです。強大な魔物の討伐依頼から、逃げた使い魔を探してくれ、みたいな依頼もありますよ」
「そりゃ大分のどかな……え、使い魔って逃げるんですか?」
「使い魔との間の契約次第ですかね?」
使い魔……じゃなくて魔物の話だ。
魔物は、一般的な動物と違って魔力を帯びている。そのほとんどが明確に人間を害する存在であり、その極めて特異な例外を、人間が使い魔にするケースがメジャーだ。
受付嬢は次の書類を取り出す。
「冒険者のランクというのはご存じでしょうか?」
「いや、知らないですね」
「では。冒険者は単純な強さや貢献度によってランク分けされます。上から、S、A、B、C、Dの5つですね。新しく冒険者に登録された方は、一律Cランクに認定されます」
「Dランクからじゃないんですか?」
「ギルドの仕組み上、冒険者に登録するだけの人もいらっしゃいますので……そういう方たちを便宜上Dランクと区分けしているんです。単純にCランクより実力が下ってわけじゃないんですね」
なんか妙に複雑だな。
「Aランクまで登ったけれども、事情があって冒険者を続けることが難しくなって、Dランクになった人もいますし。そういう方は再び依頼を受け次第ランクは戻ることが多いですが」
「なるほど……」
「簡単に言えば、Aランクがベテラン、Bランクが中堅、Cランクが新米みたいな認識でいいと思いますよ?」
「じゃあ、Sランクというのは?」
すると、受付嬢は少し難しい顔をする。
「Aランクの人と比べても別格、いわゆる次元が違うってやつですね。昇格できたのは歴代でもたった3人、その内一人は既に亡くなっており、一人は現在Dランクになっています。最後のSランクの方も……最近依頼を受けていらっしゃらないので、もうすぐDランクになるかもですね」
「へえ……」
そこまで話すと、受付嬢は再び身を乗り出して俺に耳打ちをする。
「ぶっちゃけた話、アイン様はSランクの領域だと思うんですけど」
「はっはっは」
Dランクになるかもとは言えねえ。
適当に笑って誤魔化しておきながらも、続く説明を受ける。
基本的に依頼は、掲示板の中から自身のランクと同じ等級の依頼を探し、それを受付に見せて解決しようぜってシステムだ。基本的にランク以外で依頼に制限はない。特殊な場合、パーティー専用依頼などもあるらしいが、それは特に気にしすぎることでもないだろう。
そんなこんなで説明を受けて、遂に俺は冒険者として登録される運びとなった。
受付嬢はポケットから眼鏡を取り出し、かけて俺を凝視する。
「あの、これは?」
「魔道具の一種で、鑑定魔法が使えます。これがあれば身分証明要らず、手続きが簡単になって皆さんも私たちもウィンウィンってわけですね!」
眼鏡型魔道具のテンプルを持って、嬉しそうに笑う。そりゃ便利だ。あるとないじゃ大違いだろうな。
「アイン様、本日はどうされます? 早速依頼を受けてみますか? Cランクの依頼のみとなりますが」
「ほう……折角だし受けてみます」
受付を離れ、掲示板の中のCランクの依頼の集まりを背伸びして見上げる。クソッ、見辛え! ここでも低身長が仇に……! しかし、俺が掲示板を見るためだけに足場を要求するのは21歳としての最後のプライドが……!
「あ、あのぅ……」
「ふんぬぬがぁ……! 下の方なら、なんとか……!」
「あ、アイン、さん……?」
「ぬぐ……ん? あ、俺ですか?」
俺のことを呼ぶ声にようやく気付く、声のした隣を見ると、そのにいたのは一人の少女。非常に失礼にあたるかもしれないが、見るからに気弱そうな少女は、か細い声で続ける。
「私、Cランク冒険者の、レイっていいます。その……私と一緒にパーティー専用の依頼を受けてくれませんか?」
●
パーティーにおいて重要なことは数多あれど、結局のところメンバーの役割の配分、そしてそれを活かすための連携だ。それを損なうと、いくら頑強なメンバーを揃えたとしても、どこかでパーティーは瓦解する。
例えば俺は前衛タンクだ。敵の攻撃を俺に集中させるように立ち回り、他のメンバーのための隙を作る。正直この体は運動能力がバカ高いため、比較対象が勇者でもなければ、前衛の役割はだいたいこなせる。
レイと名乗ったその少女は、後方における支援を得意としているため、基本的に一人での依頼に向かない。だが、自身の臆病さが災いして、誰に打診してもパーティーを組んでくれないという。
少し気持ちは分かる。俺だって勇者パーティーが結成される前は、この見てくれのせいでよくナメられていたものだ。
だからこそ俺……『城壁のアイン』という明らかにCランクを越える実力を持つ俺に声をかけた。
Cランクを通過点としか思っていない人物は、駆け上がるためのCランクの依頼を選りすぐりしたりしない。
だからこそ、俺ならパーティーを組ませてもらえると思ったわけだ。
「受けようと思っている依頼は、こちらになります……『魔物が蔓延る遺跡調査の護衛』です。依頼者の要望により、3人で依頼を受けることが条件となっています」
「……俺は構わないけど、まだ人数足りなくね?」
「アインさんを引き込めたら、正直あとはどうにでもなるかな、と……」
妙なところで大雑把な子と、即席パーティーが出来たっぽいです。
はよ魔法使いになれやァ!!!!!(ブチギレ)
『眼鏡型魔道具』
鑑定魔法を用いることができるようになる優れもの。受付嬢には全員支給されている。
が、万能ではない。魔道具であるため、鑑定魔法を直接的に用いるよりも効力が弱い。変身魔法や幻惑魔法を用いていようが無効化して本人確認することが可能だが、逆に言えばそれしかできない。
ヴォネッドが除名扱いになったのもそのため。幻惑魔法はあくまで悪意を振り撒くようになっただけであり、ヴォネッド本人には違いないため、見破ることができなかった。
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