表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~   作者: 出雲大吉
第6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/260

第248話 勉強、会……?


「何だ、この空気?」

「メンツを見ればわかるじゃないですか……」

「どうせケンカしてたんでしょうね」


 本部長、クヌート、ゾフィーが呆れながらもそれぞれの席につく。

 ゾフィーは俺の左隣であり、クヌートが右隣だ。

 そして、本部長がクリスとクヌートの斜め横に座り、全員を見渡した。


「こうやって集まってみると、お前ら、大きくなったな……」

「ふっ……」


 ハイデマリーが誰かさんを見て笑った。


「……ゴミカスマリー、何か?」


 ゾフィーの目が据わっている。


「いーえ。師匠、お身体はもう大丈夫なんですか? わたくしの薬でも飲みます?」

「大丈夫だよ。ただの風邪だ。それよりも勉強会って何だ? お前ら、どうしたんだ?」


 本部長が眉をひそめる。


「ジークとクヌートが帰ってきましたからね。せっかくなんで皆で集まろうということになったんですよ。来月は試験もありますし、ちょうどいいでしょう」


 クリスがさわやかな笑顔で説明する。


「ふーん……ジーク、お前は試験を受けられないだろ」

「まあ、そうですね……あ、試験問題ができたんで見てもらえますか?」

「あー、そういえば、それがあったな。見せてくれ」


 試験問題を渡すと、本部長がそれを眺め始めた。


「ジーク、試験問題って何ですの?」


 ハイデマリーが聞いてくる。


「3級以上になると、試験官をやるんだよ。それで俺が10級と9級の筆記試験を作ったんだ。ちゃんとマルティナが受からないレベルにしてやったぞ」

「まあ、受かりはしないでしょうけどね……何が出るのか教えなさいよ」

「お前、弟子に教えそうだからダメ。ドロテー、横目でチラチラと見るな」

「見てませんよ。失礼な」


 見てただろ。

 弟子がいるクリスとハイデマリーはダメだわ。


「弟子の心配より自分の心配をしろ。この中で何人落ちるかな? あんな試験で落ちる奴の気が知れん」

「「「………………」」」


 なんかピリついてきた。


「ジーク、10級も9級もちょっと緩すぎんか?」


 本部長が顔を上げて聞いてくる。


「そんなもんでしょう。難易度を上げたかったら適当に調整してください」

「お優しいことで……マルティナはどっちみち無理だし、受付嬢狙いか?」


 そんな気はない。


「単純に10級、9級程度ならそれでいいと思ったんですよ。ちゃんとまんべんなく基礎を押さえているでしょ」

「うーん、まあ、これでいいか。ご苦労さん。じゃあ、来月も頼むな」

「はい。それで杖はどうしますか?」

「せっかくお前の弟子が作ってくれたからこっちでそれをベースに調整する。お前の魔石もあるし、Aランクには余裕でなるから大丈夫だ」


 あいつらの力作が王太子殿下のもとに行くのか。

 9級、8級なのにすごいね。


「わかりました。お願いします」

「んー」


 その後、俺達は勉強を始めた。

 皆が試験勉強をしているが、俺はやることがないので【職場での人間関係 ~上司編~】を読む。


「ジーク、明日帰るの?」


 ゾフィーが聞いてくる。


「そうだな。朝には出る」

「そっか。あの3人にはリートでお世話になったし、王都でも案内してあげたかったけど、時間がなかったわ。よろしく言っといて」


 お前……いや、この前休んでたよな?

 時間が開きすぎてちょっと気まずくなったんだろ。


「お前もこういう本を読んだ方が良いぞ」


 ゾフィーに背表紙を見せる。


「んー? 今回はまともな本ね」

「【複数の男性との付き合い方】か【複数の女性との付き合い方】の方を読むか?」


 本を取り出し、ゾフィーの前に置く。


「あんたね……」

「意外と役に立つんだぞ」

「立ったらダメでしょ……」


 ゾフィーはそう言いつつ、【複数の男性との付き合い方】を手に取り、読み始めた。

 すると、正面にいるハイデマリーが【複数の女性との付き合い方】を無言で手に取り、読み始める。


「クヌート、お前は持ってそうですわね?」


 ハイデマリーが笑いながらクヌートを見る。


「いや、確かに持ってるけど、そのシリーズって人気なんだぜ? ハイデマリーの姉貴も買えよ。女の弟子ばっかりじゃん」

「激しく勘違いされそうだから結構ですわ。ゾフィー、そんなものを読むより美しくなった方が殿方には好まれますわよ? 牛乳でも飲みます?」

「あん?」


 また始まった……


「いや、お前には必要かと思っただけですわ」

「いらない。すぐにあんたを抜くから」

「お前が? わたくしを?」


 ハイデマリーがニヤニヤしながら自慢のプロポーションを見せつける。


「ええ。来月には並ぶし、4ヶ月後には抜く」


 ゾフィーは5級であり、ハイデマリーは4級だ。


「「………………」」


 2人は俺に本を返すと、無言で勉強を再開した。

 静かになって良かったなと思ったので【複数の女性との付き合い方】を読む。


「「……いや、それはシャレにならないから!」」


 さっきまでケンカをしていた2人が口を揃えてツッコんできた。


「ジーク、お前が読むとひどいぞ」

「さいてーです」

「ジーク、やめとけ」

「そうだよ。ジーク君は読まない方が良いよ」


 クリス、ドロテー、クヌート、テレーゼまでもがツッコんでくる。


「私は本当に見る目がない……変わってくれと思っていたが、そっち方向とは思わなかった」


 本部長が呆れながら俺を見ていた。


 これ、レオノーラの本なんだけどな……



ここまでが第6章となります。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


引き続き、第7章もよろしくお願いいたします。


また、本作の3巻が来月の2/10に発売となります。

書影も公開され、現在予約受付中なのでよろしくお願いします。(↓にリンク)

現在、電子版のキャンペーン中ですのでまだ読んでない方も読んで頂けると幸いです。(↓にリンク)


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

【予約受付中】
~書籍~
~3/27発売予定~
覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
~4/30発売予定~
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)
i1094671

【現在連載中の作品】
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
レオノーラの本か…! つまりは嫁が読めと!!
でも読まないと人間性35点に逆戻りなんすよ(棒
ハーレムルートに入って欲しいような入って欲しくないような。 みんなで幸せになってほしいなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ