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左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~   作者: 出雲大吉
第6章

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第244話 けじめ


 本屋をあとにすると、ホテルに帰るために歩いていく。


「レオノーラ、明日だけど、ちょっと時間を作れるか?」

「仕事とは別かい?」

「そうだな」

「ふーん……クヌートさん?」


 わかるらしい。


「そうだな……わかるか?」

「わかるよ。別に気にしなくてもいいんだけどなー……誰に聞いたの?」

「アデーレの爺さん。ほら、人に会うって言って夕食を食ってきただろ? あの時だ」

「あー、そっちかぁ……てっきり、お父様かと思った」


 ここで親父さんの名前が出てくるか……


「それは別で昨日、会った。たまたまだけどな」

「アデーレと一緒?」

「ああ。楽器を見に行った帰りにな」


 アデーレがいなかったら普通にすれ違っていたと思う。


「ふーん……ジーク君さー、私がクヌートさんと結婚するって言ったらどうする?」

「おめでとうって言う。あと、本部長に頼んでクヌートをリートに左遷させる」


 万々歳。


「ダメだねー。0点」

「100点になるにはどうすればいい? 行かないでってすがればいいか?」


 絶対にせんが。


「俺のそばにいろって言えばいいんだよ、旦那様」

「俺のそばにいろ」

「はい、100点」


 簡単だな。

 35点から上げようと頑張っているというのに。


「真面目な話、どう思っているんだ?」

「何も。そもそもクヌートさんのことを知らないし、ジーク君の兄弟子さんってだけ。私は家を出たんだよ。両親や家には迷惑をかけたと思うけど、私には私の人生があるのさ」


 まあ、そうだろうな。


「親父さんはお前が幸せならそれでいいって言ってたぞ」

「どうも。ちょっとコミュニケーション不足だったのかもしれないね。でも、別にいいや。私には大事なものがリートにあるんだよ」


 それが何かは聞かない。

 なんとなくわかるからだ。


「クヌートも別に気にしている感じではなかったが、一度話がしたいと言っている」

「いいよ。ジーク君も来る?」

「行く。何も話さないがな」


 というか、話すことがない。


「それでいいよ。すぐ済む話だしね」

「じゃあ、明日、杖作りが終わったら本部に行こう」

「了解」


 俺達はホテルに戻ると、夕食を食べる。

 そして、カードゲームを楽しんだりしていると、いい時間になったので就寝した。


 翌日。

 この日も本部長宅に行ったが、本部長はいなかったので勝手にお邪魔し、作業を続ける。

 3人娘は杖の仕上げに入っているし、俺も10級試験の方を終え、9級の試験問題作りをしていた。


「ジークさん、明日はどうします?」


 エーリカが聞いてくる。


「明日はテレーゼのアトリエに戻るかな……俺も明日で試験問題作成を終わらせられると思う」


 もうほぼ終わっているし、今日中に終わらせて明日はチェックだろうな。


「私達は勉強でいいですか?」

「ああ。遊びに行きたいなら行ってきてもいいぞ」


 明後日にはリートに帰るし。


「いや、せっかくですし、付き合いますよ」


 せっかく?

 せっかくと言うなら王都で遊べばいいのにって思うけどな。

 まあ、好きにしたらいいか。


「そうか。じゃあ、そんな感じで」


 俺達はその後も作業を続け、昼になったのでエーリカ……とアデーレが作ってくれた昼食を食べた。

 そして、午後からも作業を続けていったのだが、2時をすぎたくらいで3人娘の手が止まる。


「終わりましたー」

「できたねー」

「こんなものかしらね?」


 デスクには杖がある。

 もちろん、魔石は入ってないし、装飾や調整なんかはしていないので未完成品だが、よくできていると思う。

 Bランクは余裕である出来だ。


「お疲れさん。それは魔石と一緒に本部長に渡しておく」

「お願いします」

「ちょっと怖いね」

「ホントよね……ジークさん、これからどうするの?」


 うーん、ここにいてもな……


「帰るか。俺はちょっと本部に寄っていくからお前らは先に帰っていいぞ。あ、レオノーラは付き合ってくれ」

「ほーい」


 レオノーラが手を上げる。


「じゃあ、エーリカさん、私達はカフェでも行きましょうか」

「おー……都会っぽいカフェに行きたいです」


 都会っぽいって何だろ?


「そうね。案内するわ。じゃあ、片付けましょう」


 俺達は片付けをし、屋敷を出ると、戸締りをし、その場で別れた。

 そして、レオノーラと共に本部に行くと、受付のサシャのもとに向かう。


「あれ? ジーク先輩? どうしたんですか?」


 サシャが時計を見ながら聞いてきた。


「よう。本部長はおられるか?」

「ええ。5階にいますよ。今は来客もないですし、部屋で仕事をしていると思います」


 2日休んだし、忙しそうだな。


「じゃあ、ちょっと話してくる。それと応接室を借りていいか?」

「応接室? 使ってませんからいいですけど……」


 サシャが首を傾げた。


「ちょっとな。レオノーラ、あそこが応接室だからちょっと待っててくれるか? 本部長と話してくる」


 階段の隣にある扉を指差す。


「わかったー」


 レオノーラが応接室に向かい、中に入っていった。


「あのー……」


 サシャは訳がわからない感じでちょっと困った顔をする。


「すまんな。ちょっと事情があるんだ。本部長室に行ってくる」

「わかりました。レオノーラさんにお茶でも持っていっておきます」

「悪いな。3つ頼む」


 そう言って、受付を離れると、階段を昇る。


「ヘレン、これは大事なことか?」


 俺、いまいちわかってないんだが……


「大事ですね」

「結果は変わらないような気がするんだが……」


 どうなろうと、レオノーラはリートに残るし、クヌートとも結婚しない。


「けじめですよ。ジーク様はただただ見守って、レオノーラさんのそばにいればいいんです」


 まあ、面倒なことにはならないだろうが、当事者っぽいのに何もわかっていないんだよな……


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

コミカライズが更新されておりますのでぜひとも読んで頂ければと思います。(↓にリンク)


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そちらの方も読んで頂けると幸いです。


よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
レオノーラの採点法はどうなってるんだ〜www
こちらから求める必要はあれど、欲しい言葉を欲しい時にくれる人は100点つけるしかないよね
>コミカライズが更新 原作冒頭のクライマックスであるアデーレの見送りまでは確認しようと思って読みましたが、「首席の心構えを説きながら土下座されて冷然とする」という、とんでもなく不自然な改変を見せつけ…
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