銃器犯罪の顛末。
さて、8月も終わりに発生した和歌山銃撃事件。最終的に立てこもり後犯人の自殺で終わったこの事件は、犯人の銃に注目が集まった。
日本国内における違法流通火器の多くはトカレフとマカロフとされているが、今回の犯人はM1911系とシュタイアーGBという特殊さがあったからだ。
シュタイアーGBはグロック17とオーストリア陸軍制式拳銃を、ベレッタ92やSIG P226とアメリカ軍M9を争った拳銃である。最終的に1981年から1988年まで生産されたのだが、あまりにも高額であり、独特の構造やトライアルで負け続けたことから人気はあまりなく、そこまで生産されなかったというレアな銃の一つなのだ。まさしく、拳銃がポリマーになる直前の時代の拳銃ともいえる拳銃。それがシュタイアーGB。
近年の押収火器ではめっきり減ったトカレフやマカロフ。一方見かけられるのは.38口径の小型リボルバーだ。
.38口径の小型リボルバーはアメリカ、フィリピン、東欧と世界中にメーカーがあるが、見受けられるのはアメリカのS&W製M36系統だ。
どうも、今回の犯人もリボルバーを一丁持っていたとされるものの、機種は不明だ。
今回のレアな拳銃の回収を見て思ったのは銃のその後である。日本では押収された銃はすべて溶鉱炉で処分されるのだという。中には資料性を含むような銃も多数ある。アメリカの市場でそこそこな値段で売れるような品もある。
そこで、警察は押収銃器や制式化した銃を展示する博物館を立てて入場料を取ってみたらどうなのだろうか?と思うのである。自衛隊や海上保安庁は入手、回収した銃器を展示施設で展示している。それを考えると、警察の対応はどこか怠慢に見えるのだ。
建前として、銃刀法があるのだろうが、自衛隊は平然としているのだし、そもそも、警察博物館にはニューナンブが展示されているというのだ。国民に対する情報公開という意識があまりにも欠落していないだろうか?記者発表で十分な公開ができているようには思えない。好事家以外はヤクザはトカレフと思っている。AKやARがあるなんて思ってない。やくざ映画より凶暴な武器を持ってるなんて。
さて、警察は今回殉職者を出さずにここまでやってよかったと思う。
一方マスコミは射殺しないのかとコメントを流していた。瀬戸内シージャックの顛末を知らないらしい。
被害者と加害者で記憶は違うと、よくわかる一面だった。




