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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第9章 九州騒乱編

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第2話 ダブル祝言と南九州訪問

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告ありがとうございます。




1526年(大永6年)2月


 元就さまに4人目となる次男の少靖次郎さまが生まれるのを待って、俺と松は畝方村で祝言を行った。

 松が主殿に入ったことが告げられ、俺も主殿に入る。部屋にいるのは俺と松と畝方神社の宮司である多々納緋斗(ただのうあかと)さんの三人だけ。まず多々納緋斗さん(本来は待上臈という女中のトップがやるらしい)からの祝儀の祝詞が述べられ俺と松を合わせる。

 それから巫女服を着た梅、杏、桜の三人が大中小の盃の乗った御膳を俺と松の前に置き、まず過去を現す小さな盃に梅が屠蘇器を三度傾け酒を注ぐ。

 松が盃に口をつけ、それを俺が飲み干す。再び酒が注がれ、今度は俺が盃に口をつけ、それを松が飲み干す。三度目の酒が注がれ、松が盃に口をつけ、それを俺が飲み干す。

 つぎに現在を現す中くらいの盃に杏が屠蘇器を三度傾け酒を注ぐ。今度は俺が盃に口をつけ、それを松が飲み干す。再び酒が注がれ、今度は松が盃に口をつけ、それを俺が飲み干す。三度目の酒が注がれ、俺が盃に口をつけ、それを松が飲み干す。

 最後に未来を現す大きな盃に桜が屠蘇器を三度傾け酒を注ぐ。飲む順番は最初と同じだ。


 式三献に続いて、鈴蘭が海月・梅干・打鮑の乗った御膳を持って入ってくる。鈴蘭が部屋を出るとつぎに霞が鯉の刺身が乗った御膳を持って入ってくる。

 霞が部屋を出ると、ひなげしが鯉の内臓の味噌煎り煮の乗った御膳を持って入ってきた。

 これらの料理は箸をつけることなく下げられる。御膳を下げたのは朝顔と桔梗と菊。こうして形式的な夫婦だけの宴が終ると、花梨が雑煮の乗った御膳を持って入る。二人で雑煮を食べスミレが御膳を下げる。奇しくも俺が最初に買った、いや保護した娘たちが祝言に関わった訳だ。感慨深い・・・

 それから二人で寝所に向かい嬉し恥ずかしの初夜を迎える。大変美味しゅうございました。

 二日目は元就さま夫婦と親戚、畝方村の人々を含めての宴・・・いや祭となった。

 なお、月を跨いで石見(島根西部)の矢滝城で久ちゃんとの祝言を行った。尼子氏の面子も大事大事。


1526年(大永6年)4月


「遠くの相手とは親交を結び、近くの相手は攻める」は兵法三十六計の第二十三計にあたる戦術だったかな?毛利氏が西に進むにあたって近くを攻めるという事は当分ないので予定通り島津氏と伊東氏に接触する。

 日向(宮崎)は日向馬の関係で文左衛門が既に食い込んでいるので、伊東氏と接触するのは簡単だった。これからも馬の供給をよろしくと金を少し多めに積むだけの簡単なお仕事である。

 問題は島津氏だ。日向南部では伊東氏と壮絶な領地争いをやっている。なにしろ島津氏は、鎌倉幕府の初代将軍である源頼朝を父に(諸説あります)側室を母にもつ惟宗忠久を祖とし、4代目からは薩摩の地で根を張り200年近くも血を繋ぎ代々薩摩(鹿児島西部)、大隅(鹿児島東部)、日向の守護職も務める大変に由緒正しい武家だ。


「お初にお目にかかります。毛利家家臣で畝方石見介元近、いえ、施薬院欧仙と申します」


「伊作三郎左衛門尉忠良でごわす」


 達磨の置物に非常によく似た顔の男が頭を下げる。子供の頃から臨済宗の僧侶である桂庵禅師に師事し朱子新註四書、ことに論語に通じて禅の修行に精進しているからかなのか、坊主頭なので達磨感が半端ない。

 ただ、今回島津氏に接触するのに、庶民の救済施設である施薬院の施薬院使である施薬院欧仙の名が使えたのは良かった。


「早速ですがこちらをどうぞ。救荒食物としても優れている唐芋(サツマイモ)でございます」


 そういって俺は、種芋とその耕作の仕方を記した書物。それと小山のように積まれた干し芋を差し出す。俺は短冊状の干し芋を2、3個摘まむと口の中に放り込む。むぐもぐと咀嚼し、そっと忠良さんの側に控える小姓に差し出す。

 小姓も干し芋を口の中に入れもぐもぐと咀嚼する。「あ、甘い」と小さく声を漏らした。


「この唐芋(サツマイモ)は、御山(桜島)の灰が積もった痩せた土地でも十分に育ち量も獲れます」


 俺も小姓も変化がないのを確認した忠良さんが豪快に干し芋を口に放り込む。


「むうこれは・・・」


 忠良さんの目が大きく開かれる。ごめん赦して。忠良さんの達磨感が更にアップした!


「欧仙殿。何が目的でごわす?正直これ程のものを支援していただく意味が解り申さん」


 忠良さんの眉が八の字に下がる。だから止めてほしい腹筋が崩壊しそうだ。


「施薬院は庶民の救済に力を入れております。この冬は周防(山口南東部)、長門(山口北西部)でも多くの民を救いました」


 多分耳には入っているであろう情報を告げる。


「言い方が悪かったでごわすな。石見介殿が求める見返りは何でごわす?」


 忠良さんは欧仙ではなく毛利家家臣としての俺の意図を聞いてきた。


「島津には今しばらくは肥後(熊本)に進んで頂きたく本家にお働き掛けを。日向には北を目指して貰っています故」


 俺の言葉に忠良さんは薄く笑った。

祝言に関しては調べた中でお酒の式三献+食事の三献が一番無難だろうと思いこのようになりました

なにかありましたらご助言お願いいたします

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